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これは、2010年2月20日 に行われたセミナーの記事です。



第6回 IGDA 同人・インディーゲーム部会
「同人シューティングゲームの潮流
- 80年代から現代まで、変化から学ぶ実践的な普遍性 - 」




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●弾幕の科学――モデル化、生成、ランク、おもてなし



弾幕とは 一体何か?

プレイヤーに 心地よく死んでいただくための 大量の弾達

大量の弾 + 極小の当たり判定

俺ってすげーーー 感を演出



・弾幕の構成

おもてなし弾 ・・・ 多い 、 画面をにぎやかにする物
           プレイヤーの行動を制限する程度

殺し弾   ・・・ 少ない 、 プレイヤーを殺すための弾

→ 昔のSTGは、全て 殺し弾だった



・弾幕の始祖


怒首領蜂 1997年 (諸説別れるが)

→ 移行、弾幕STGが大ヒットした



・なぜ、弾幕が人気出たのか?

→ あたかも プレイヤーが凄い事をしていると錯覚
 幾何学的な美しさ
 弾幕職人のおもてなしの心

 + 作るのが簡単

→ ギミック無しで、多彩な攻撃を作れる

 従来 ・・・ レーザー、炸裂弾、多関節 …
 今  ・・・ 弾のパターンのみ



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・更に 楽をしたい

弾幕の自動生成を考えてみた



・モデル化する


→ パターン化 、そのパターンを組み合わせよう



・BulletML

XMLで、弾幕を記述


・Bulletsmorph

進化する 弾幕の遺伝子

→ 弾幕同士を掛け合わせ、新しい弾幕を生む
(XMLで記述した弾幕同士を自動で掛け合わせる)

→ これを使い、無限のパターンの弾幕が遊べるSTGを作成


・自動生成の問題点

→ 避けられない弾幕が生まれる


・その対策として

リミッター = 一定数の弾が出ると、いったん弾を撃つのを辞める
       (難易度調整としても有効な手法だった)

弾幕ソースに工夫 = ちゃんと隙間ができるように

ランク   = 難易度に応じて、弾密度を変化させる

弾幕の自動評価 = AIプレイヤーをたくさん場に出す
            (AIプレイヤーは自動で動く)

             生き残ったAIプレイヤーの数を見て、その弾幕の難易度を評価



・自動生成STGの夢

毎回 違うゲームが楽しめる
ステージを作るのが楽

→ しかし

 自動生成STGは、本当に面白いのか?
 パターンSTG(従来の覚えゲー)の遊びはできないので、ウケるかどうか?



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・最後に


今回の公演は、今回のために作った ”SIGIndie6ML”と言うプレゼンソフトを使って でした。


ちなみに、このプレゼンソフトの最大の特徴はと言うと・・・

スライドの好きな場所で、弾幕を出す事ができる と言う物でした。


わざわざ、この講演のために こんなものを用意してくるとは・・・

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これは、2010年2月20日 に行われたセミナーの記事です。



第6回 IGDA 同人・インディーゲーム部会
「同人シューティングゲームの潮流
- 80年代から現代まで、変化から学ぶ実践的な普遍性 - 」




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●90年代 同人シューティングゲーム
「超連射68K 開発日記 - 弾幕世代以前の90年代STGのこと」




・当時の環境

ファミリーベーシック MSXX68000

スプライト機能が付いている
動的ゲームが作りやすい



・90年代前半

ゲームセンター = ゲーマーの交流の場

→ 常連客コミュニティ
ハイスコア競争 (雑誌でも集計)


STGは まだまだ花形
萌え要素など無い  (コットンなど 一部例外はあるけど)
弾幕も無い

→ はりつき、超連射、速攻 が重要な時代



・90年代中盤

模索の時代
格ゲーの台頭
東亜プランの倒産 、コナミ 他ジャンルへ移行 など

ゲーマーの交流の場として、草の根BBSが普及
X68000ユーザーが使命感のように STGをたくさん作っていた



・当時、STGは どんどん遊びにくくなっていった

ロケテストの弊害
→ ロケテスト中、ゲームマニアがやり込んだ
→ その結果を受けて、難しいゲームになってしまった



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●超連射68K の話

http://www2.tky.3web.ne.jp/~yosshin/my_works/download.html


コミケ参加を目標に制作
プログラム、ドット絵を1人で担当 + 音楽1人


・X68000  

スプライト 16*16ドットが 128枚出せる

→ スプライト機能  実は貧弱だった
→ プログラムの工夫でカバー


32キャラ同士の当たり判定だけでも 処理落ちしてしまう

→ プログラムで工夫



・表示するスプライトを増やす

水平割り込みを利用し、
上で描画したスプライトを走査線の下に持ってくる事で もう一度描画させる

→ これを利用し、スプライトを4倍の数 表示した



・衝突判定の高速化

画面上をグリッドに分け、必要あるオブジェクト同士のみ 判定を行った




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●その後のSTGの事



・90年代後半の変化

Windows95 がやってきた

大半のソースが無駄となった
 当時のWindowsは ゲームを作りづらかった


インターネットの到来
ゲーメスト廃刊
弾幕STGが現れた



スーパープレイが変化

ネット上の動画サイトで プレイヤー見えないように
そのスーパープレイが本物かどうか? 保証できない

TAS が出てきた

スーパープレイ のカリスマが低下


→ STGは、人間がその手で出したスーパープレイ と二人三脚で進化していた側面がある

→ STGを根底から揺るがす事に



・リプレイデータが本物かどうか? を証明できない事

トッププレイヤーにとっては
ネットに公開されているハイスコア、スーパープレイは信用できない

→ いまだに STGプレイヤーにとって競い合う場は ゲームセンターである

→ ネットに場を広げれば、競い合う相手はもっと増えるけど




・競い合う土俵に求められる特性とは?

明確なレギュレーション(ルール)がある事

そのレギュレーションに違反した物は 100%検出可能である

→ 違反プレイヤーが0であっても、違反できる余地がある場合は
 土俵として認められない




・どうすれば TASを防止できるか?

リプレイデータの暗号化は無駄
→ その手の人はプログラマが多いため、解析されてしまう


TASの弱点 = 実プレイ時間が とても長い
→ それを計測できれば、検知できる


乱数を予測不可能にできれば
→ 乱数予測系のTASはできなくなる



・しかし、上の対策は完全ではない

AI利用のチートは 依然可能
→ 画像を解析して 弾幕を避けるAIとか

ゲームを早送りして、プレイ時間をごまかす
→ TAS検知をだますことができる


→→ 今後とも 考えていかないといけない課題である
 

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これは、2010年2月20日 に行われたセミナーの記事です。



第6回 IGDA 同人・インディーゲーム部会
「同人シューティングゲームの潮流
- 80年代から現代まで、変化から学ぶ実践的な普遍性 - 」




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●80年代 同人シューティングゲーム
「実体験に基づく、少人数制作によるシューティングゲームの提案」


・時代背景 当時のSTGと言えば?
→ ゲームセンターのゲーム
  PC88「シルフィード
→ 弾幕など無かった。



講演者の紹介
→ 90年前後に メインで活動していた
 (今は 足を洗っている)



・80年代のコンピューター (PC88

CPUが遅い
BASIC (インタプリタで遅い)

→ 画面上に 数個のキャラクターを動かすだけで処理がいっぱい

ツールや 情報が少なすぎる
(何千円もするツール や、雑誌頼り)

敷居が高かった
→ しかし、BASICの とっつき安さは とても魅力



・BASICでSTGを作るとしたら

3キャラ動かすのが限界 (自機、敵、弾 で終わり?)
制限の中で いかにゲーム性を出すか?



・アイデア勝負しよう!

→ タイトーの「バルーンボンバー」って 素晴らしいですよね!





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・当時の教訓から、初心者に向けて ゲーム開発の心得

・ ゲームの面白さのために、”ハードスペック”や”開発環境”の悪さは
いくつかのアイデアで その穴を埋めることができる 



・ 様々なデータを 自分で作る事ができない?

→ ゲーム性には 絵や音は不要
 (とりあえず、ゲームとしては 丸と四角でよい)


一本でも 最初から最後まで、作り上げた経験は とても大きい
 (まずは、大作より 必ず作れる第一作)




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・PC88STG 「GUNCRISIS


・面データについて

 決まったパターン、決まった場所に敵が出現 (例 グラディウス
   ↑
   ↓
 ある程度、ランダムのアルゴリズムから敵が出現 (例 ゼビウス

→ 面データを 一つ一つ作っていくのは とても大きな作業量

出現テーブルを作り そこからランダムで敵を出すようにした
 (面ごとに、10数種類の敵キャラを配置)

→ 更に、面固有の敵を用意することで ステージに個性を出した



・グラフィック

→ アスキー文字のみ 3*3の大きさ固定




・そこからの教訓

制限がある環境の上でのゲームデザインをした

→ むしろ、何でもできるような環境で 何かを作る方が難しいのでは

制限のある中で作った方が、新しい何かを生み出すことができるかも



・少ないデータで、多様な敵を作る

→ ものすごく強い敵は 作りやすい
 問題は プレイヤーが頑張れば乗り越えられるくらいの敵を作るのが難しい
 (10バイトのパラメーターで いろいろ個性を出した
 しかし所詮はパラメーター調整、より個性を特化したいときは プログラムで記述した方がよい)




・当時のゲームから 一部を修正して、新しいゲーム性を生んだ

→ 例) コナミの”レジャック” → PC88 STG「ジャレック
 

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これは、2010年1月24日 に行われたセミナーの記事です。


第5回 IGDA 同人・インディーゲーム部会
「ノベルゲーム制作実践テクニック -素材制作の技術と制作管理・宣伝のノウハウ-」




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●Artemis Engineで作るiPhone用ゲーム


・なぜ iPhoneなのか?

→ 稀少だから  (同人アプリは かなり少ない)
市場規模が大きい
(日本だけでも 100万台以上、全世界だと 数千万台
←→ 参考までに NintendoDSは1億台くらい)

 → ただし、収益を期待するには 英語対応必須


Artemis Engine とは?

iPhone用 ノベル・ADV スクリプトシステム

→ HTML程度の 容易な記述
→ LUAスクリプトを用いて、拡張可能



・利用条件

→ 個人に対して フリー
→ ただし、不特定多数に向けて公開していない
 (ユーザー全員に十分なフォローができないため)

→ 直接連絡をしてもらう事で対応
→ 現在、40サークル程が使用している
→ アップルストアで公開されている 同人ノベルゲームは(知る限り)すべて Artemis Engineが使われている



・なぜ Artemis Engineが必要なのか?

アプリを開発するためには、Objective-C と iPhone-SDK の知識が必須
(技術者の数、開発のための情報が少ない)

商用のツールはあるけれども、フリーは これのみ

マルチプラットホーム
Windows上で開発可能 (Windows上でスクリプトを書き、デバック可能)
→ ただし、アップルストアに上げる際のみ Macが必要


吉里吉里 + KAG に似たスクリプト文法
→ 移植作が作りやすい


Selene (Artemis Engineでアップした初めてのゲーム)
4万1000ダウンロード  (11ヶ月間で)
→ 日本語版のみだけど、3割くらいは 海外のダウンロードだった



更に詳しくは・・・
http://nmb.radilog.net/article/383198.html

↑のネットラジオを聞くと 良く分かります


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●短編ノベル制作のテクニック-ライティングからコミュニケーションまで


○何故 同人ノベルゲームは完成しないのか?

作品の規模と、開発力がマッチしていない
→ プロジェクトが 長期化すると、失敗のリスク大

→ だから短編



短編の利点

体験版の規模で、完成品になる
モチベーションを維持し続けられる
必要素材が少ない
完成までの見通しが立てやすい
デバッグコストも少ない

→ 長編制作の問題点が 全てカバーされている



短編の欠点

短い話を作るのは難しい
ユーザーに物足りなさを感じさせてしまう
高い評価を得にくい




○短編作品の制作と、各コミュニケーション

・締めきりを設定する (コミケやイベントに向けてなど)

→ 締め切りまでに無理しないで揃えられる素材数を 逆算する
(徹夜、デスマーチを前提としない)



・テキスト量と 時間の関係

100KByte     = プレイ時間1時間相当
1M ~ 1.5MByte = アニメ2クール分に相当
          → 短期間制作では 現実的では無い

短編製作 = 100K ~ 200KByte → プレイ時間2時間
 → 映画のような時間配分



そのためには?


・限られた素材で成立する世界観

→ 少人数 かつ、固定された空間が舞台
→ 例) 「N.E.D.E
http://www.team-eye-mask.com/game/nede.php

世界最後の日を舞台に、世界を救うロボットのパイロットに選ばれた少年少女が どのような世界最後の日を過ごすのか?

→ 最初からクライマックスの舞台を持ってくる事で、話や舞台を少なく抑える事が出来た



・素材も工夫

→ 1話で使う絵は1枚のみ、立ち絵を用意しない
→ オブジェクトの有無、アングルや焦点を変化させる事で 立ち絵の代わりとし 表現する事ができた




○宣伝とコミュニケーション

・一般向け同人ノベルゲームのユーザー

→ コアなファンが多い (自分も制作していたり)
→ ゲームに対して 消費しているのではなく、参加している と言う感覚が強い
→ こういった方々と一緒に作品を作れば 自然と二次宣伝等で作品が広がっていく


・WEBラジオ

自分の作品を宣伝するのではなく
制作者や制作方法にフォーカスを当てたラジオを配信している
→ 制作者の横のつながりを広げられる

http://nmb.radilog.net/



・SNSなどの活用

→ サークルメンバーの拡大や、サークルのファンを増やすきっかけになる

→ ToMiCo
http://tomico.jp/



○完成品を作ると言う事

・未完成品は、どれほど良く出来ていても評価されない

・完成本としてリリースしたものは、良し悪しは別にして 一定の評価を得る事が出来る

・評価 = 次回へのモチベーション

ノウハウは 作品制作から生まれ、ノウハウだけでは作品は生まれない

完成品を作ると言う事は、自分たちのノウハウを作ると言う事

短編制作を通す事で 完成させる事を体験する

まずは、高望みをせず 自分の作れる範囲の物で、出来る限りの完成品を作って欲しい

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これは、2010年1月24日 に行われたセミナーの記事です。


第5回 IGDA 同人・インディーゲーム部会
「ノベルゲーム制作実践テクニック -素材制作の技術と制作管理・宣伝のノウハウ-」




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●効率よく短期間でテキストアドベンチャーを作成する方法

飯島多紀哉(元 飯島健男)の講演
相変わらずですが、この人のしゃべりは 面白すぎです



・七転び八転がりでは、3ヵ月半で ノベルゲームを2本作りました。

1ヵ月で 100万文字 、 3週間で 50万文字
→ 上2つを 両方同じスタッフが掛け持ちで作りました!

→ スタッフ数は 10人

(余談だけど
スタッフ全員に 営業、広報もさせている
→ 「全クリエイターは 営業能力持っていない 生き残れないぞ」)




・同人でご飯を食べる事はできます



・何故 短期間制作なのか?

→ そもそも、人って モチベーションが持たない
3ヵ月 ~ 長くて 6ヵ月 が勝負!
 (如何に長期間でモチベーションを維持させるか? なんて考えない)



・多人数で作る時の重要なこと

→ 全員が 全員の能力を把握する
 (自己申告によるものでは無く)

→ そして、それを全部管理する 管理者が大事
  → デスマーチが起きるのは、管理者が悪い

その人に無理な事を要求しない これもが大事
 (そう言う意味で、全員の能力を把握する)

→ すると、自ずと円滑な開発になる



・初めての開発では、気心知れた人間と組んで作ろう

→ いきなりスーパープログラマが参加する なんてあり得ない
→ それよりは、気心知れた人間とやる方が良い
→ 作っている内に スキルは上がるもの



・プロとして欲しいスキル

シナリオ 1日(8時間)5000文字は書けないと厳しい
グラフィック キャラデザ    1日に1体
           背景、イベント絵 1日に1枚
 → 1日に1枚描いてね と頼んでちゃんと描ける事が重要
プログラマ  ツールが自作できる人
スクリプタ  簡単に判断しづらいので、実際に作ってもらう



・1週間のうち、2日は休みにする事

→ 休憩する意味でも、想定外の事が起きても対応しやすい と言う意味でも


・ シナリオを最初に 何KByte 作るか決める

→ プロットを決めたら、次は その分量


・長い制作期間を設定しない

→ なので、夏コミ・冬コミ合わせ と言うのは良くない
→ 作る内容・分量が確定したら 逆算して期間を確定する
→ そうせずに、長い期間だけ設定すると ダレてしまったりして作らず終いになる恐れが大きい


・開発期間の予備は重要

→ 必ず トラブルは起きる
開発期間の3分の1は、予備期間としてあらかじめ設定しておく

→ 余力を持った状態で制作すれば、必ず成功する


ゲームを作る事は 夢では無く、現実
と自覚する事が大事


・最低でも 最初の1週間 必ず日報を全員に出させる事

→ 全員の能力を見極められるように
→ スタッフ同士全員の 信頼感を作り上げる事が とても大事

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プロフィール
HN:
せっき~
性別:
男性
職業:
ゲームプログラマ
自己紹介:
古いパソゲー、ボードゲーム、カードゲームを熱狂的に遊んでいます。


ついったー
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