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ゲームを作ったり、ゲームを遊びまくったりしている せっき~の生き様。   まずは目次をご覧ください
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今年も発売された ”実況パワフルプロ野球2013

 


発売前から、パワプロなのに ガチャ とか、課金で時計戻しアイテムとか
不安なワードが飛び交い、何これ?

サクセスに、デッキを登録するって、一体どういう事?


と言うことで、サクセスの”イベントデッキ”システム について評価してみました。



PS3、PSVita、PSP と マルチで発売されていますが
PSPは値段が安い代わりに、機能がかなり制限されていて オンライン要素や、追加アップデートなどが ごっそりと削られているので 不向き


PS3、PSVataで オンラインをがっつり繋げていないと 100%は楽しめません。


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●カードって どんなん?




矢部”や、”猪狩” ”ダイジョーブ博士”のような お馴染みのキャラクターがカード化されています。




本屋” ””なんていうキャラクターがいたり

イベント限定の特典として ”水着のあおい”なんてキャラや

最近のアップデートで ”佐々木小次郎”、”前田慶治”なんてキャラも追加されました。


キャラクターカードには、レア度LVがあり、
LVが高いほど、そのキャラのイベントが起きやすくなったり、イベントの効果が上がったり・・・
レア度が高いほど 強力なイベントが起きるようになります。


詳しくは後述


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●イベントデッキ について

サクセスを開始する際、カードをイベントデッキに登録します。

デッキは 4枚 + フレンド枠 1枚
(課金アイテムを使用する事で、24時間 +1枠されます)



イベントデッキに キャラを登録すると、どうなるか?


サクセス中に、そのキャラが 登場するようになります。
矢部や マネージャーなど 既にシナリオに登場するキャラクターを登録した場合、彼らのイベントが起きるようになります。
(マネージャーを登録した場合、恋人にできるようになる)


ストーリーに登場するキャラが変わるだけであり
登場キャラによって、ストーリーが変わるわけでは無いのは注意です。




キャラが登場したり、イベントが発生したりする事での利点は・・・

・キャラのイベントが見れて楽しい
・そのキャラに応じたスキルが習得できる。
・やる気 や 体力が回復する 嬉しいイベントなんかも

例えば、”威圧感”を習得したければ デッキに”姫野 カレン”を入れれば良い など

 

重要なのは、デッキに登録しなければ ”ダイジョーブ博士”すら そのサクセスには登場しないのです。

 

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●他のプレイヤーとの対戦

サクセスでキャラを一人 作る度、対戦チケットを入手できます。


ここは、ソーシャルゲーム的な要素ですが

これを使い、オンラインで他のプレイヤーが作ったチームと対戦する事ができ
(対戦と言っても、CPU同士の自動対戦)



それにより、ガチャポイントレアチケットなどを入手できます

否応なしに、強いキャラ作りたくなりますね!

 

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●ガチャ



そして、得たポイントから ガチャを回せます。


所詮、ガチャなんだから 課金しなければ、ろくなカード手に入らないでしょ?

となるかも知れませんが、そうではなく




・同じカードを引いた場合、そのカードのLVが+1される。

・カードのLVが11になった場合、レア度が上がったカードに進化する。
(例: ノーマルLV11 → レアLV1 + ノーマルLV1)

となるので

いくら無課金でも、運に恵まれなくても、
ノーマルのカードを 121枚入手することで、そのカードのSRが手に入ります。


ゲームを遊べば遊ぶほど、いつか必ず強力なカードが手に入る と言う作りは かなり良心的。

強いカードの入手 = サクセスで強い選手を作れる
なので、じわじわと プレイヤーの成長に繋がるのが面白い所です。

 

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●まとめると

・サクセスで選手を作る
   ↓
・作った選手を集めてチームで、他のプレイヤーのチームと対戦
   ↓
・ガチャで カードを入手
   ↓
・サクセスでより強い選手が作れるようになる
   ↓
  ・・・


と、見事にゲームが回るように作られています。


イベントデッキシステムだからこそ できる流れで
かつ、面白いんですよね!


サクセスで選手を作る目的が 増えたのがウマいです。


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●課金要素って?

ガチャ と、時間戻しアイテム 対戦チケット です。

ガチャは 前述のとおり、課金しなくても 遊んでいれば、その内 SRが引けるシステムになっています。


時間戻しアイテムについても、”ダイジョーブ博士”が失敗したら イラっとしますが
わざわざ課金してまで、戻さなくても・・・

今までどおり、リセットしたら良いでしょう


オンラインで ランキング上位を狙いたいプレイヤーが 対戦チケットを購入して、ポイント稼ぐあたりかな?
と言う印象です。


アイテム課金 と聞いて、イヤな印象を植え付けてしまっているかも知れませんが

パワプロ2013”は、間違いなく 無課金でも十分楽しめますよ!

 

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●ですが・・・

先日、アップデートによる調整が入りました。

・SRダイジョーブ博士のイベント出現率 低下
・R猪狩進のイベント発生回数 低下
・選手の初期ステータス 低下

いわゆる、下方修正です。


このゲーム、下方修正の何がまずいかと言うと

修正後、今までより強いキャラが作れなくなる
修正前に作った選手の強さは そのまま と言う事です。

出遅れた人が 圧倒的に損をする修正。


これは、オンラインで他のプレイヤーと対戦するゲームとしては 致命的では?

オンラインゲームならではの 運営の難しさがここにありますね。


最近も、トラブル起きましたし
運営のミスで ゲームが台無しにならない事を 祈るばかりです。


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いろいろ新しい事にチャレンジしたパワプロ2013ですが

意外と悪くないじゃない?
むしろ面白い!

コナミで 課金ゲーなので 不安しかありませんでしたが
良い意味で裏切られました。


イベントデッキシステム” は、新しい遊びを生み出したと思います。

1プレイ 1時間くらいで終わり、何度も繰り返すことで 変化を楽しめる
更に できる選手の強さも デッキに応じて変わる

まさに サクセスだからこそ できる遊びですね。


他のゲームに ”イベントデッキシステム” を活かせるものが無いか?
いろいろ思考実験したのですが いまいちピンとくるのは無かったです。



惜しむらくは 2点

・デッキに登録できるカードが 4枚 + フレンド枠1枚 + 課金枠1枚
と 少なすぎない?
・ある程度わかってくると、最適なデッキが決まってしまい 
効率を考えると、いつも同じデッキ 同じイベントになってしまう恐れがある



パワプロは 今後も ”デッキイベントシステム”を続けるかどうかは わかりませんが
(今回の 売上とか次第?)
個人的には 今回のパワプロは 好評価ですね。

食わず嫌いせず、遊んでみてよかったです。



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2012年8月1日 にあった、トークショウについての記事です。


洞窟物語3D 発売記念プレミアムトーク&ライブショー」 に行ってきました。

洞窟物語

洞窟物語サウンド生演奏が聞けたたわけですが、演奏者の方々自身も かなりの洞窟物語ファンだったらしく
本当に魂のこもった演奏が聞けて、大変盛り上がりました。



と言う事で、洞窟物語サウンドを聞きつつ 以下レポートです。




(以前あった 洞窟物語トークイベントについてはこちら
http://sekigames.gg-blog.com/Entry/214/

前回より より踏み込んだ話題が多く楽しめました。)




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●作者 天谷さんについて

洞窟物語
↑ ついったーアイコンをお借りしました


プログラムを覚えたのは専門学校に入ってから

それまでに、絵とか音楽を作るのが好きだった
自分の小さな世界を作るのも好きだった。


横スクロールアクションも好きで、洞窟物語は メトロイドの影響を大きく受けている。

プログラムを覚える前は、デザエモン(STGツクール)チャイムズクエスト(RPGツクール)
でゲームを作ったりしていた。


これはRPGの戦闘曲だ」と妄想しながら曲作りをしてたり等




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●好きな武器アンケートを見ながら トーク


・2位 シュプール

あの頃はマニュアルに書いていなかったので、溜め撃ちを知らなかったプレイヤーが居たかも

この装備をもらう時の武器屋のセリフについて  (カッコヨク、作り手の気持ちが入っていますよね)

→ ゲーム中に哲学的な事を出すの あまりしない
→→ だけど 何回もプレイした時に手に入るこの武器の入手の時に、ちらっと自分の気持ちを込めてしまった




・3位 バブリン

入手方法について、洞窟物語の謎解きの中では簡単な方かな と思っている。

レベル3のトリッキーな動きについては、ガンダムのフィンファンネルみたいな感じの事がしたかったから


→ ちなみに、ジャックって どうなったんですか?

→→ 作者自身忘れていたので どうなったか考えていなかった。
  (他にも、マーヒンとか 三代目とか、おじいさんミミガーとかも そう言えば居たなぁ、どうなったんだろう??)




・4位 マシンガン

この武器が 一番楽しい武器だと思っている。

→ 好きに飛び回ることができ、それに気づいた瞬間 すごく楽しくなる事を狙った。
→→ いろんな所をショットカットできて、難易度を大きく下がるように設計した。

→→ のだけど、皆 シュプールを取るために マシンガンを選んでもらえず しまったな と

→→→ 実際、「初めてのプレイで使いました」と言う感想が チラホラ




・5位 ネメシス

作者的には うっかりエネルギーカプセルを取ってしまうので 使いづらい武器だなぁ と言う印象
(Lv1 の時に最高の威力が出るけど、エネルギーカプセルを拾って Lvが上がると弱くなってしまう武器)


→ なぜ、Lv3になると ”ひよこ”になるんですか?
→→ なんとなく、弱い弾 と言えば、ひよこかな?と
   何も考えていなかったけど、プレイヤー達がいろいろ想像してくれて良かったな




・番外 ミサイル、スーパーミサイル

予想以上に人気なかったですね。

当たると爽快感があって気持ちいいけど、弾数制限のために 使いどころが分からず 敬遠されたのかな?
弾数を増やすべきだった

→ 後半 ミサイルの弾数が増えないのは ミサイルの存在をすっかり忘れていたので
 聖域で突然10とか弾数が増えるのは、そこで思い出したため




・1位 ブレード

シナリオに大きく関わっている武器なので、人気高いですよね

→ ちなみに、作者は Lv2のブレードが好きです。


ブレードLv3 は、敵に当たると拡散する仕様なのだけど、
これが役割的に ミサイルと被ってしまい ミサイル不人気の原因の一つになったかも

→ ミサイルを作っている時には、ブレードの事を想定しておらず
 ブレードを作っている時には、ミサイルの事をすっかり忘れていたので・・・





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●洞窟物語の音楽話

※ せっき~は音楽の造詣が全く無いため、解釈間違っている部分があるかも知れません。



・音楽の生い立ちについて

ブラスバンド やっていました。


子供の頃、ゲーム音楽に出会ってから そればっかり聞いていた。

→ 親がゲーム大嫌いなのでファミコンは無かったけれども、
 祖母にゲームボーイを買ってもらい そこでハマった

→ ゲームボーイをラジカセに繋いで録音し、毎日 寝る前に聞いていた。


中学生時代、エレクトーンを1年習った。
その後、シンセサイザーを買ってもらい 打ち込みを覚えた。

→ ゲームの妄想BGMを作曲などした。




・オルガーニャ

効果音を使って曲が演奏できるといいな が始まり

WAVEファイルだと、あの時代では 配布のための容量が大きすぎ
MIDI音源の場合、環境によって音が違ってしまうため 作った。


→ メロディに 8音、パーカッションに 8音使える。

→ ファミコンは 3音、スーパーファミコン 6音
 あの当時、6音で良くこれだけの曲が作れるな と驚きながらも研究していた。




移植版のBGMについて

Wiiウェア版は、グラフィックが綺麗になったので BGMも新しくしてもらった。
(プロの人にまとめてお願いした)

→ 評判があまり良くなかった。


3DS版は そのリベンジ

→ 言語の壁があるけど、頑張って監修した。
→→ 原曲に忠実 かつ、プロの音にしてください と言う発注。

→→ 楽譜を書いて ここが違う! なんてやり取りもした。




・大農園のBGM

この曲が完成するのに、2~3年かけた。

気がつく度に少しずつ曲を直し続けていた。






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●その他


異星人のメダル とか、土人形のメダル の意味の無いアイテムについては
何かあればイベントに繋げようかな と、なんとなく配置したけど 結局 何も使わなかったです。



新しい武器を手に入れた際、次のステージで その武器が活躍できるようにデザインしています
(例えば、クサムラは 斜面が多く ファイヤーボールが大活躍できるようにMAPになっている)

→ 「武器が もっと多ければ多いほど よりゲームが面白くなりますよ」と言う意見をもらうけど
  ギリギリの所まで調整して 今の数になっていて
  作者は すごく綺麗にバランス取れていると 考えている。



・開発5年 最後の1年は、デバッガー4人に協力してもらい ブラッシュアップした、

→ 聖域のような クリアできないような本当に難しいステージを用意したのは、デバッガーの意見のお陰

→ 初めは 地獄と言う名前のステージを作って 本当に難しいものにした
 そこからカーリー復活のシナリオをうまく繋げることができ 今の形になった。

→ 聖域が ゲームの盛り上がりの一躍を担ったので良かった。
 みんな難しいステージ好きですね、 (得にアメリカ人とか)

→→ 作者のクリアタイムは 6分くらい



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と言う感じの イベントでした。


前回のトークイベントも良かったですが、 http://sekigames.gg-blog.com/Entry/214/ )
今回も良い話が聞けましたね~



レポートは トークショウの方ばかりになっていますが、ライブの方も とても盛り上がっていました。

やはり 生で聴くのは 迫力が違いますね!
ニコ生の配信もあったようですが、直接行って 本当に良かったです。


最後あたりは、皆で手拍子をしつつの 一体感。
最後の曲は ”大農園”だったりして 本当に分かっているなぁ~ と言う構成

会場全体が、洞窟物語大好き! と言う熱気に包まれていました。




またイベントが終わった後に、作者様によるサイン会が 急遽開かれました。
これ、来ている人全員並んでいるよね? と言うような大行列が出来ていて さすが、平日であろうと集まった 洞窟物語ファンたちだな と思いました。


と言うわけで、サイン ゲットです!!
バルログの絵も描いてもらいました!!

大事にします。

洞窟物語




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桃太郎伝説」を作成された さくまあきら著の 
RPGを作るための知識をあます事無く詰め込められた、「ゲームデザイン入門」と言う とても珍しいカテゴリーの漫画です。

桃太郎秘伝


(上巻の内容はこちら   http://sekigames.gg-blog.com/Entry/232/  )
(下巻の内容はこちら   http://sekigames.gg-blog.com/Entry/233/  )


この上巻の巻末付録漫画に、RPGとは別で どんな流れで桃太郎電鉄が生まれたのか? その変遷について
と言う興味深い話があったため そちらも抜粋しました。





テーマは 「ひらめいたアイデアを熟成させよ!


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●初めは RPGの企画だった


・タイトルは 「日本一周トラブルトレイン(課題)」



大体、こんな流らしい
(本題では無いので、流して読んでもらうと良いと思います)



日本地図をそのままMAPにする。
  ↓
プレイヤーは10万円のお金を持って旅に出る
  ↓
山手線に乗り 上野駅へ
そこには、「ジャパンバーガー」と言う店があり アルバイトできる。
  ↓
お金が貯まったら、夜汽車に乗って北をめざす。
  ↓
町には、「ビジネスホテル」「日本旅館」「木賃宿」などがあり HPの回復量が違う



電車に乗っていると、たまに酔っ払い親父と遭遇し 戦闘になる
 → もちろん、戦闘に勝つと経験値が溜まり レベルアップする。
  ↓
旅先で、牧場の乳搾り や 青函トンネルの工事手伝いをしつつお金を稼ぐ
 → そうしている内に、現場のおじさんと仲良くなったり
  ↓
旅行中に、宝の地図の一部を見つける事がある
 → ある時は、別府温泉の中から  ある時は、日本最南端の潮岬から見つかる




そして、その宝の地図が全部見つかった時
その地図は 「佐渡島」を指す
  ↓
佐渡島の隠し金山を見つけ 下っていくと そこには金銀財宝が
金銀財宝を手に入れた途端、洞窟が崩れ始め 時間内に脱出しないとゲームオーバーになるイベント
無事 洞窟を脱出できると、今まで旅先で出会った人たちが出迎えてくれ 「おめでとう おめでとう」と大団円




と言う、ロールプレイング・アドベンチャー・ボードゲーム・シュミレーション・アクションロマンゲーム



・そして

日本一周トラブルトレイン」 はめでたく失敗

→ 「桃太郎郎伝説」を制作をする事になった



・失敗の理由としては

いろんな要素を入れすぎた。

→ ゲームをやる側の 覚えることが多すぎて先を見たいと言う気持ちにならない

→→ 実際、このゲームは 東京から上野へ行くだけで コントローラーを16回も押さないといけない とても面倒くさいゲームだった



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●そして 桃太郎電鉄へ

一年後 この「日本一周トラブルトレイン」を考え直し 「桃太郎電鉄」となった






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・どこをどう変えたのか?





・アドベンチャーゲーム要素を全て捨て、RPGの武器屋での買い物の部分だけを拡大したゲームにした。

・謎解きなどの考える部分を捨て、「人生ゲーム」や「億万長者ゲーム」のようなボードゲームを基本にして、サイコロを導入した

・鉄道の魅力は、幼児が好きな電車を走らせるだけで楽しむレベルに留めた

・シュミレーションゲーム要素は 取っ付きづらいので捨てた


→ 的を絞り、それを豪華にした

桃太郎秘伝
↑ 1作目の 「桃太郎電鉄」は 青マス、赤マス、黄マス すら無いゲームでした



-----------------------------
スーパー桃太郎電鉄で 更にイメージの絞り込みを

桃太郎秘伝


物件を買うことをさらにメインに据え、線路を買うイベントをカットした

・線路はあくまでも目的地までの移動手段としてサイコロを際立たせ次にサイコロの目がいくつ出ると危ない、危なくないと言った要素を強調した
(多分、青マス 赤マスの事)

・ボードゲームの匂いを強くするために、ボードゲームではお約束のカードを導入した

・各人が目的地をバラバラに目指すのは やはり的を絞り込むと言うコンセプトから外れるので、全員同じ目的地を目指すようにした

・お金を溜める事をメインにするために、貧乏神を導入して常にお金にまつわるセリフでいっぱいにした


桃太郎秘伝
↑ ゲームの構成要素は かなり今の物に近づいた!


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スーパー桃太郎電鉄2では 更に更に 絞り込みの強化をした




・お金を溜める事をメインにするため 貧乏神が「鉄道クイズ」を出すのを止めた

・貧乏神に加え、キングボンビーを登場させることによって 物件買いゲームの要素をさらに強調した

・鉄道での移動時間を短縮すればそれだけゲームのイメージはお金を溜めるイベントに関わる時間の方が長くなるので
「いけるかな?」と言うオートパイロットシステムを導入した


桃太郎秘伝
↑ もう完全にベースは完成ですね



●このようにして 鉄道ゲームとしてスタートした桃鉄シリーズは
お金持ちゲーム」へと絞り込まれていった




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ゲーム作りで一番大切なのは 「最初のアイデアを何度も何度も推敲すること




ちなみに さくまあきらは、常にストック中のゲームアイデアが10個以上あり 温め続けている との事



拍手[3回]

桃太郎伝説」を作成された さくまあきら著の 
RPGを作るための知識をあます事無く詰め込められた、「ゲームデザイン入門」と言う とても珍しいカテゴリーの漫画です。

上巻はこちら
http://sekigames.gg-blog.com/Entry/232/
番外 桃太郎電鉄については、こちら
http://sekigames.gg-blog.com/Entry/235/




上下巻ある中で 下巻部分の中から 面白かった所を抜粋しました。


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●ダメージ計算式は ( 2*攻撃力 - 防御力 ) ÷ 4




桃太郎伝説では こうしています。
(例 攻撃力40で 防御力40に攻撃したら ( 2*40 - 40 ) / 4 = 10 ダメージ 
   攻撃力30で 防御力40に攻撃したら ( 2*30 - 40 ) / 4 = 5 ダメージ )


これに、 +10% ~ -10%の幅を味付け それが最終的なダメージに




・ちなみに 桃太郎伝説2のダメージ計算式は 失敗でした

基本ダメージ = (攻撃力 + 修正値 - 守備力) × 術修正値
修正値    = (攻撃側レベル - 守備側レベル) × 0.05 + 1


プレイヤーだけでなく、敵にもレベルが設定されていて お互いのレベル差が戦闘にかなり影響する公式だったらしい

さくまあきら自身も よく分かっていなかったらしい



桃太郎伝説2「すばやさ」の数値を睨みながら術をかける順番を決めたり
術が解けるのを予測して再び術をかけなおす 
など、シミュレーション要素が入った戦闘システムになっていたらしい

→ わかりやすくて親切 がウリの 「桃太郎伝説シリーズ」 においては 悪い戦闘システムでした。



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●ここちよい戦闘とは?

RPGのプレイ時間の 80%~90%は 戦闘なので、戦闘の感触が悪かったら プレイヤーは苦痛になって ゲームをやめてしまう。

→ 戦闘のここちよさ が重要


良い戦闘は、最初の頃 敵は弱い
良い戦闘は、最初の頃 出てくる敵の数が少ない
良い戦闘は、早い時期に 敵全員を攻撃する魔法を覚えさせてくれる

(敵の数が増えてきた時に、ポンと魔法を覚える。 このタイミングが大切
例えば レベル3でたくさんモンスターが出現する場所にたどり着く場合、レベル4で全体攻撃魔法を覚えさせると 喜びはひとしお になる)


良い戦闘は、序盤のレベルは さくさく上がる。
(ゲームのつかみ部分は とても大切)



・レベルが3つ上がったら、今まで苦労していた敵を一撃で倒せなくてはいけない!


桃太郎チームの秘伝 はコレ



レベルアップで強くなるここちよさ には、このような微妙なチューニングが求められます。

(悪い戦闘の場合、先のエリアに行きすぎたので 前のエリアで経験値稼ぎをしようと思っても
前のエリアの敵も強いままなので、苦痛になってしまう)




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●アイテムとネーミング

桃太郎伝説に ピッタリの武器防具の名前をどうしても思い浮かべなかった。

→ 中世RPGの 「どうのつるぎ」「てつのつるぎ」「ぎんのつるぎ」
 は、一目で どの武器が強い と言う等級がわかりやすいけれども
 和風RPGで、それに当てはめられる物を まったく見つけられなかった。

→ 「妖刀村正」「虎徹の剣」などのおなじみの名前を使おうとしても
 世界観が江戸時代になってしまうので ふさわしくない



桃太郎伝説1 では

発売1週間前まで 悩んだ末、「ひりゅうのけん」「ほうおうのけん」とした。

→ 「これは もう買った事ある刀だったっけ?
  「この刀と あの刀 どっちが強いのだろう?」 と混乱を招いた


→ はっきり言って失敗



桃太郎伝説ターボ では

月の満ち欠けから 「しんげつのけん」「いざよいのけん」「まんげつのけん

としたけれども、開発者すら 百科事典を見ながら名前を設定したくらいなので
ユーザーもわかるはず無かった



桃太郎伝説2 では

このはぎりのけん」「いわきりのけん」 と切れる物で等級を表した。



→ ようやく満足いくような名称を付ける事ができた。



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●ダンジョンMAPについて

悪いダンジョンは・・・ と言うと

 行き止まりが多い  (プレイヤーが一番がっかりしてしまう)
(その他では、広すぎる ゴチャゴチャ細かすぎる 道の幅が狭い)



桃太郎伝説 では、行き止まりには必ず宝箱を置く と言う気遣いをした。


ダンジョンの中は、長時間の緊張状態を強いられるので、細かい気配りが重要




●村MAPについて

まちがいさがしです。
↓の中から間違いを3つ見つけてください。  (制限時間 1分)


桃太郎秘伝桃太郎秘伝


答え


1.「誤」では、店までちゃんと道か引かれていない

2.「誤」では、出入り口が1つしかない
→ いちいち入り口に戻らないといけないのは、非常にめんどう

3.「誤」では、宿屋が入り口から遠い
→ 利用回数No1である宿屋は 町の入り口近くに配置する と言う気遣いが大事


MAPのデザインには、気遣いが必要です




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●最後に

ゲーム作りで本当に大切な事は、スタッフとの共同作業

全員のチームワークが良くなければ、ゲームは作れない

桃太郎秘伝桃太郎秘伝



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●その他

桃太郎伝説1の時

おもしろいアイテムのアイデアがどんどん出たけれども
アイテムの制限が32個であったので それ以上入れられなかった

→ ゲームを作る最初に、プログラマと しっかり数を決めておかないと こんな悲劇になる。



ゲームプログラマ 三上氏の言葉


→ ここまで考えてシステムを組んでくれるゲーム会社はほとんどないので
 ゲーム作家を目指すなら ハドソンがオススメ!

 らしいです。



・きんぎんパールプレゼントのオニ

敵キャラの名前は8文字まで と言うルールを大きく逸脱させてしまったため
ここだけのために わざわざ別システムを作ってもらう事になり
メモリを無駄使いして (これだけが原因じゃないだろうけど)1メガの予定が 2メガにさせてしまった。
桃太郎秘伝



・ドラクエの 「どうぐや」と言うネーミングの凄さ

桃太郎秘伝

堀井雄二も アイテムを売る店を「どうぐや」と名付けるまで かなり四苦八苦したらしい

→ それまでのRPGでは 「こうえきじょ」とか呼ばれていた。 (子供は ピンと来ない)

→ 実際に 「道具屋」と言う名前の店は存在しないですよね



・義務教育について

義務教育は 全国民が受けているので、共通項はギャグになりやすい



拍手[10回]

桃太郎伝説」を制作した さくまあきら著の 
RPGを作るための知識をあます事無く詰め込められた、「ゲームデザイン入門」と言う とても珍しいカテゴリーの漫画です。

桃太郎秘伝


1991年 GB版 「桃太郎伝説外伝」を発売する直前 と言うタイミングで書かれた物です。


さすがに、この時代に描かれた物なので 今の時代では通じない事も多々ありますが
根っこの考え方に関しては 変わる事ありませんし、そもそも こんな題材を取り上げられる事が稀なので 個人的にはかなり当たりの一冊でした。


読み物として面白いのと 「桃太郎伝説」を遊んだ人なら その制作風景を伺えるので 楽しめます。

桃太郎秘伝桃太郎秘伝


上下巻ある中で 上巻から 面白かった所を抜粋しました。

(下巻はこちら
http://sekigames.gg-blog.com/Entry/233/  )



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●RPGは これからゲームを作ろうとしている人に一番適したジャンルである


・アクションゲームは不向き?

アクションゲームで一番大切なのは 「テンポのここちよさ

→ どんなに面白いアイデアを持っていて、それを口や企画書で伝えても
 ゲーム会社の方々は、それを面白いかどうか? 判断できない


→ ゲームを1本完成させるのに2億円かかる(当時)のに
 出来上がってみないと 面白いかどうか分からない物を作るわけにはいかない

桃太郎秘伝


さくまあきらが 「桃太郎活劇」  広井王子が 「PC原人」と言うアクションゲームを作る事ができたのは
桃太郎伝説」「天外魔境」と言う RPGを作った事で 信用を得たからである



・では、なぜRPGなのか?

とても説明しやすいから



桃太郎伝説」の場合



主人公の桃太郎が 悪いオニを退治する昔話をベースにした 純和風RPG

→ 一言で人に説明できると言う事は、それだけ 人をひきつける力がある


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●RPGのアイデア例

桃太郎伝説のように 名作をゲーム化する

・西遊記


・宮本武蔵


・忠臣蔵


仲間47人 と言うのはPCエンジンの機能をもってすれば できないことはないですが
さすがにこんな企画書を持っていったら こいつらあぶない とバレるので やめましょう


→ この5年後に 仲間が108人居る 幻想水滸伝が出るとは



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●堀井雄二のゲームシナリオの作り方

堀井雄二の場合、MAPからゲームシナリオを作るらしい

→ さくまあきらも それを真似して一日中MAPを眺めていたけど 全くシナリオが浮かばなかった
→ MAPを見ているだけでシナリオが浮かぶのは 堀井雄二ならではの芸当だった





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●シナリオは あらすじから作るのではなく
キャラクターから作るのだ



桃太郎伝説外伝」の 浦島伝説を例として
桃太郎秘伝


・はじめは、金太郎伝説 としてシナリオを考えていた


・恋愛物は 金太郎っぽくないよね


いたずら坊主を改心させるシナリオはどうだ?


→ それは面白そう

→ いたずらタヌキにしよう
  そのタヌキは 戦闘中、金太郎を攻撃してくるようにしよう
  けど、次第に 攻撃をためらうようになって 最後には仲間になる展開なんて・・・

桃太郎秘伝桃太郎秘伝

とアイデアが出てきたけれども

金太郎のイメージに合わないので ダメですね
桃太郎秘伝桃太郎秘伝


浦島だったらなぁ・・・
桃太郎秘伝

→ それだ!!!!

桃太郎秘伝


・と言う感じで 浦島伝説が出来上がりました。

→ そのまま 金太郎伝説として作っていたなら
 なんとなくシナリオは書けたとしても、おそらく エンディングが思い浮かばなかった

→ キャラのイメージから外れたシナリオは どんなにあらすじが面白くても 失敗作になってしまう

桃太郎秘伝桃太郎秘伝




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●ゲームにおける信頼感

桃太郎秘伝

作り手と ゲームをする人との信頼感は とても大切である。

→ 信頼感を損なってしまうと、プレイヤーはゲームに対して 完全に冷めてしまう。



不思議な事に、やる側だった時は憤慨していた人が ゲームを作る側になると 途端にそんなアイデアを連発してしまう

→ 「敵と出会う度に ダンジョンの最初に戻されるイベントってどう?
  「HPは1000あるんだけど、経験値は1しかくれない敵とか
  「アイテムの半分以上が呪われた武器防具で 攻略本読まないとやっていけなかったり」 
  「仲間になるキャラがレベル上がっても HPは1しか増えなくて、与えるダメージもいつも 1

→→ これは誇張だとしても、実際 こういうゲームが多すぎないですか?



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●企画書

さくまあきらは 企画書の詳しい書き方を知らない。 (当時は少なくとも)

なぜなら、桃太郎チームでは 企画書なんて作らないから
口頭で全て済ませると言う

→ 普通は、こんなやり方 絶対に通用しません
 とフォローしていますが さすがです




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●その他


・つかみの大切さ

浦島伝説のイントロ

桃太郎秘伝

潮風の香りに乗って 浦島の村にも朝が来ました!
浦島の村の人たちは みんな働き者なので早起きです!


には たくさんの意味が込められています。

→ 言葉は少なく! それでいて、たくさんの意味を持つ!!



・ゲームシナリオとは 面白い文章が書ければ良い と言うのではなく
戦闘に至るまでもが シナリオである


浦島伝説」の例

連れているタヌキは 戦闘中 浦島に大きなダメージを与えてくる (かなり不快)

→ 浦島がレベルアップする毎に そのダメージを減らしていった
  更に、浦島のレベルアップ速度を 通常の3倍くらいにした
 (レベルアップするにつれ タヌキの攻撃を気にならないようにさせた)

桃太郎秘伝桃太郎秘伝

→ レベルが上がるにつれ タヌキは浦島への攻撃をためらうようにさせた
→→ ひょっとして、このタヌキ その内 仲間になるな と思わせる



・メッセージの書き方

桃太郎秘伝

宿屋のセリフ
はやいおつきで 4両でとまりなさるか

に至るまでの試行錯誤

ゲームのメッセージ領域は 18文字×3行 と言う懐かしい話も
桃太郎秘伝桃太郎秘伝


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などなど

なかなか珍しい 「ゲームデザイナー入門書」でした、
さすがは さくまあきら!! かなり丁寧で詳しく書かれています。


まぁ、今の時代 どこまでこの内容が使えるのか わかりませんが・・・
これからゲームを作る人にRPGはおススメ! の所なんかは特に


これを読んで ゲームデザイナーに育った人はいるのかな~



そう言えば、ここに出てくる どんちゃん (井沢寛)
ジャンプの読者投稿コーナーをやっていたので知っていたけど  まさかこんな事している人だったとは
桃太郎秘伝



下巻に続きます。
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(番外  桃太郎電鉄  http://sekigames.gg-blog.com/Entry/235/  )

 

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