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2013年8月23日 にあった、CEDECの講演についての記事です。


コンソールゲーム開発者が、ソーシャルゲーム初開発でWWタイトルを成功させた本当の理由 
 Blood Brothers の挑戦。そしてBlood Battalion の作戦


講演者は

株式会社ディー・エヌ・エーの プロデューサー と、ゲームコンセプトデザイナーの方

共に 元々は スクウェア・エニックス と言うコンシューマーゲーム業界で 3D満載の高級なゲームを制作され
2年前に ディー・エヌ・エーへ転職された方

そのような方々が作ったソーシャルゲームとは?

 

ゲームコンセプトデザイナー とは
ゲーム性、世界観、グラフィック、シナリオ、サウンドと ゲーム全般に関わり
ゼロから ゲームリリースまで そのタイトルと関わる。

 

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●Blood Brothers とは?

北米市場における オリジナルIPの確立を目指して 制作
(当初、DeNaは 北米市場にて いろいろなタイトルを投入したけれども 苦戦していた。)





ダークファンタジーRPG

制作準備期間 1ヶ月 、トータル 4ヶ月

 

・コンセプト 重厚な世界観
       シンプルな操作性
       決断を楽しく (シナリオ分岐や、仲間の選択)


世界33ヵ国で 売上1位
1500万ダウンロード

 

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●Blood Brothers での試み


・スタッフィングに 手段を選ばなかった

Blood Brothers」の成功は なにより、スタッフィングに成功したため
ゲームを作るのは 人である。


・XELFLEX

キャラクターのメインイラストレーター

当時、新入社員だった頃
何の約束もできないけれども、一緒にゲームを作らないか?」 と声をかけた (会社に許可も得ず)

→ 大量のイラストを描いてきてくれた

→ 独特なタッチのダークテイストな絵が 海外のユーザーに好評を博した

 

・鍛冶屋プロダクション

海外へ向けてのゲームの出来は、ローカライズの品質が直結する。
信頼のできる外注にお願いできた。


他にも BGM、SE も 有名なコンシューマータイトルでも活躍している 外注会社にお願いできた。

 


・定説はまず疑え

コンシューマーゲーム業界では 定説、タブー、王道 と言う物が多かった。

もちろん、どれも 一理あるのだけれども 自分たちを縛る要因にもなっていた。
(何かしようとすると、「それは違うよ」と言われる)

 

このような定説があるのは コンシューマー業界だけか と思いきや
歴史の浅い ソーシャルゲーム業界でも、既に 定説が出来上がっていた。

(ヒットのための方程式。
ソーシャルゲーム とは、こうあるべき)

(海外市場へ向けての戦略でも 調査でこう言う意見が出たから
と怪しい仮説が 定説になりつつあった)

→ ソーシャルゲームの定説の反証を試みた


「ゲームは一本道が良い」
→ 自分が選んだ主人公や行動は 愛着が湧いたり、感情移入できるのでは?

「他のゲームと UIを共通化して、ユーザーのストレスを無くすべき」
→ 作品独自のUIにする事で、差別化できるのでは?

「海外でヒットしているゲームは リアルかポップな絵ばかりだ」
→ 海外では古くから 「ウォーハンマー」のような デフォルメされたミニチュアゲームが遊ばれていて
 受け入れられる土壌はあるのでは?

セリフの多いゲーム、設定が濃いゲームは敬遠される」
→ 初めから 情報量が多ければ ユーザーはついていけなくなるけど
  セリフ・設定がしっかりしていると そのゲームが奥深くなる

→→ 情報の出し方に気を付けるなら、セリフ・設定の多さを否定しなくても良いのでは?

 

Blood Brothers」では、これらの反証を全て入れてみた。
結果、「Blood Brothers」は 間違いなくDeNaの内製ゲームでありながら らしくない点もいろいろある
ハイブリットなゲームになった。

ソーシャルゲームの優れた点を真摯に学びつつも
海外向け コンソールゲーム制作の経験を活かした。

 

・クールジャパンは 通じない

やはり海外は 日本の趣向と違いがある。


例えば 主人公キャラクターの人気投票をした場合



1位 鎧を着たリザードマン  (下の 左から2つ目)
2位 白銀の立派な騎士    (上の 左から1つ目)
3位 筋肉ゴリラ       (下の 左から1つ目)
4位 サムライ        (上の 左から3つ目)

と言う結果に

日本で人気が出たであろう 銀髪の可愛い女の子キャラ(上の 左から2つ目)は 6位


リザードマンゴリラ のキャラを主人公キャラとして 提示した時
社内から 大きな反発があった。
(誰も そんなキャラクター 選ばないよ)

→ しかし、主人公キャラの設定は アメコミを徹底的に分析
 (アメコミには このようなキャラが 大抵含まれていて 親しまれている)

→→ 結果、狙った通りの結果になった。

 

海外向けのゲームを作るときは、海外のサブカルチャーを愛すること

 

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●Blood Battalion について

短期で 新作投入による 新作RPGの定着を目指して制作



略称が BB と、前作と同じものにするタイトルを選んだ


タクティカルRPG
制作準備2ヶ月、 トータル 5ヶ月

オセアニア向けにリリース


・コンセプト  サクサク戦略、戦術
        ワクワク対戦、大戦
        ゾクゾク物語、決断


好調リリース中

 

・ハイドラサービス (造語)

ハイドラ ・・・ 頭は多くあるけど、体は一つだけのドラゴン

IPの垂直立ち上げのために取った戦略
→ 同じ世界観と 舞台を共通しつつ、複数のゲームを同時に運営する

 

・「Blood Brothers」が絶賛運営中な中、同じ世界観の続編を続けてリリース

Blood Brothers ・・・ 帝国の崩壊を描く物語

Blood Battalion ・・・ 100年前、帝国の勃興を描く物語


両方のゲームを遊ぶと、巨大なコンテンツになる。

→ 開発期間が長く、運営で ゲームが長く続く ソーシャルゲームだからこそ取れる手法

 


・慣れと 飽きの狭間


新作を出す時に ユーザーの声

今までの馴染んだ遊びがいい。 冒険をして、違うものにして欲しくない」 (慣れ)
   ↑
   ↓
散々 前作は遊んだので、次回作は あっと驚かせて欲しい」 (希望)

 

どうしたか?

Blood Brothers ・・・ RPG的バトル
Blood Battalion ・・・ SLG的バトル

と、戦闘の部分は 大きく変えつつも
それ以外の部分 (イベント、スキル、主人公、操作感)は 意識的に同じような物にした。

→ 新鮮さと 安心感の両立

 (+ 開発コストを安くする)

 

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●まとめ

・盛者必衰

市場の変化は 更に加速している。

蓄積された定説、成功パターンは 古くなっている? そのまま信じ続けるのは危険
定説は 尊重しつつも、疑い 自分で仮説を立てて検証してみよう

 

・温故知新

市場に流されない

最新の流行りを追いかけるのは重要だけれども、
現在の流行りを見ながら、未来を予測するのは危険

→ 既に成熟して食い合っている市場に投入されるだけ
  未開拓・新しい市場を作り出さないといけない

→ 古いゲームや、アナログゲーム、ゲーム化されていない面白い物 などにも目を向けてみよう

 

・愛化主義

愛されたいゲーム」を目指すな
(より幅広い層に向けてゲームを作ると 特徴のない のっぺりとした物になる
マスに受けたい と言う幻想は捨てるべき)

愛すべきゲーム」を目指そう
(狭い 代わりに、コアなファンが付いて応援してくれる)

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