ゲームを作ったり、ゲームを遊びまくったりしている せっき~の生き様。 まずは目次をご覧ください
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2010年8月31日 にあった、CEDECの講演についての記事です。
小さくまとまるな!
~構想10年、制作3年 サイバーコネクトツー流NDSビッグタイトルのつくりかた~
---------------------------------------------
・『ソラロボ solatorobo』
新規DSタイトル
構想10年 制作3年
→ DSでは考えられない 制作スタイル
疑問1. サイバーコネクトツー と バンダイナムコ が とても仲が良いからできたのでは?
→ NO
疑問2. 「ナルティメット」シリーズや、「.hack」シリーズで儲かってるから できたのでは?
→ NO
疑問3. 時間をかけすぎたから 大作にならざるを得なかった?
→ 断じてNO
疑問4. なんだかんだ言って サイバーコネクトツーだからできたんじゃないの!?
→ YES であり NO
本日の講演では、その疑問に答えつつ
このタイトルの制作にあたって使用した作戦を紹介します。
---------------------------------------------
●昔 「テイルコンチェルト」と言うゲームがありました。
1996年 PSの3DアクションRPG (開発 10名 ~ 12名)
→ バンダイに持ち込み
「PSで マリオ64のようなゲームが作れるとは!」と 絶賛
→ バンダイの このタイトルに期待した売上
初回15万本 最終 30万本
→ 実際は・・・ 9.7万本 (損益分岐点は 越えました)
→ バンダイ 思いのほか 売れなかったなぁ
”売れなかったイメージ”だけが残ってしまい
後々まで ついてまわることに・・・
---------------------------------------------
●「テイルコンチェルト」の続編を作るにあたる苦汁
当時 「.hack」「ナルティメットヒーロー」を走らせていた
→ その裏で 「テイルコンチェルト2」を提案
→ 1999年
「ああ あの売れなかったゲームの続編ね いらない」
(実際はちゃんと利益でたのに、売れなかったイメージが・・・)
→ 2000年
何も見ず 目の前で、ごみ箱へポイ された
・それでも 我々はあきらめなかった
続編を望む声が 国外関わらず多数届いた (世界では 15万本売り上げ)
サイバーコネクトツー内 作りたいゲームランキング 過去2回 1位に
→ 純粋に 作りたかった
続編を望んでいる声もあった
→ じゃあ 作ろう!
・「テイルコンチェルト」が売れなかった理由を分析
1.対象年齢が低く奥が浅そう
→ シナリオと世界観を深く掘り下げ、中高生以上に向けて展開
2.見た目に反して ゲームが難しい
→ 複雑な操作がいらない シンプルアクションゲームに
3.犬・猫の擬人化 、 ロボット ニッチすぎる
(ロボットは 女の子が食いつかなくなる)
→ だが、”ここ”はゆずれない
ここは、我々が表現したいところであり 押し通すところだった
---------------------------------------------
●構想10年
続編を作るために (契約を取れるように)行ったこと
10年の期間があるので、じっくり作戦を練りました。
・「テイルコンチェルト」を過去の物にしなかった
2000年、2002年、2004年と 定期的に HPをリニューアル
九州の防災キャラクターのイメージキャラクターとして 「テイルコンチェルト」に関連したキャラクターを提供
サイバーコネクトツーのHP内で「リトルテイルブロンクス構想」発表
・作戦開始
スタッフ3人 (制作指揮、キャラクターデザイン、世界設定)
「.hack GU」「ナルティメット アクセル」を開発している裏で
仕事と並行し、仕事が終わってから 毎晩ミーティングを行った。 (これについては 完全無報酬)
→ 1年間かけ 2000点以上の設定資料を作成 (TVアニメ 2クール分)
(キャラクターから世界観、シナリオや ゲームシステムまで)
・売り込み
1.同時期に パブリッシャー3社に 企画売り込み
(バンダイナムコ以外にも売り込み)
→ 各社間の競争意識を煽る
2.企画書とは別に 2種類の「設定資料」(A3サイズ)を提出
→ 企画は 10ページ程度だが かなりのボリュームの(製本された) 設定資料を付けて渡す


ニコ生より かなり本格的で、ページ数も多そうです。
→ 設定資料の効果は大きい
プレゼン相手の印象に残りやすい + プレゼンに参加していない人の目にも付きやすい
→ 企画書を埋もれさせない武器
3.契約前にかかわらず・・・
週刊ファミ通に 「テイルコンチェルト」の続編を匂わせる 求人募集
→ このゲームを作りたい と思う開発者が入社
→ バンダイナムコより Goサイン を貰えた
---------------------------------------------
●開発3年
自分たちの作りたいものを作るために 更に作戦を練る
→ 当初より 開発3年を計画した
・少人数 長期間開発体制
2007年 3名
2008年前期 11名
2008年後期 14名
2009年前期 16名
2009年後期 7名
2010年前期 6名
2010年後期 3名 (今は マスター直前なのに 3人でやってます)
→ 利益を出すため 極力 人数を抑えて コスト削減
・著名なクリエイター陣を起用し 商品力を高める
OPアニメ制作、メカニカルイラスト、キャラクターデザインに 外部のクリエイターを起用
→ 大御所なので 仕事が遅い (多忙中、お願いしてやってもらった)
OPアニメ ・・・ 1年
メカニカルイラスト ・・・ 1年
キャラクターデザイン ・・・ 2年
→ 時間がかかるのは 想定内!
・定期的に 子供たちを読んで モニター会
2008年 3回 ・・・ コンセプト と 要素 について確認
2009年 3回 ・・・ 問題点の発見と 修正
2010年 2回 ・・・ バランス調整
・(予想外)開発中3年間で DSiが発売された
→ 予定外であったが、DSiカメラを使った仕様を追加
・3年間だから できた充実の内容
ロボ & ヒト のWアクション
機体性能のカスタム
機体タイプのアクション変化
飛行アクション
戦艦つり (ミニゲーム)
レース (ワイヤレス通信対戦)
DSiカメラ対応
2部構成、全21話の物語
2種類のOPアニメ
80を超えるクエスト
Wi-Fiで クエスト配信 (ドラクエ9を見て これは入れるしかない と追加)
2.5Dの 立体的なイラスト表現
→ 想定内ではあったが
この制作手法を信じてくれた バンダイナムコは凄い!!
---------------------------------------------
●まとめ
初めの疑問に答えます
疑問1. サイバーコネクトツー と バンダイナムコ が とても仲が良いからできたのでは?
→ NO (ごみ箱に捨てられる程の企画だった)
むしろ ”ダメ”と言われ続けたが、作戦を立て実行したからこそ 承認された
疑問2. 「ナルティメット」シリーズや、「.hack」シリーズで儲かってるから できたのでは?
→ NO
プロジェクト単体で利益を出すことが大前提
少人数で細く長く開発して 工数を抑える
疑問3. 時間をかけすぎたから 大作にならざるを得なかった?
→ 断じてNO
時間をかけたのは作戦
だからこそ様々な要素を盛り込めた
疑問4. なんだかんだ言って サイバーコネクトツーだからできたんじゃないの!?
→ YES であり NO
確かに サイバーコネクトツーだからこそ、このやり方を思いつき 実践できた
→ しかし、すべてを紹介した今となっては
この作戦は特別な物ではないハズ
覚悟と作戦があれば 必ずやりたい事は実現できます。
---------------------------------------------
●おまけ
・社内内訳
企画 10人 プログラマ 30人 アーティスト 100人以上
→ かなりバランス悪いですが 絵にこだわりたいんです。
→ 各プロジェクトに 企画が1人くらい
→ プログラマと アーティストが 企画と協力して仕様を作っている
・サイバーコネクトツー 社内アイデアコンペ
毎年1つ 160人居る社員全員に 企画を出してもらう
(プロジェクト後の リフレッシュ休暇内に 宿題として出す
新人 ベテラン 分け隔てなく)
→ プログラマであろうと、アーティストだろうと
ゲームのアイデア一つ 考えられない人間は ゲームクリエイターではない
サイバーコネクトツーでは そう考えている
→ 全てのアイデアをサーバーにアップ、匿名で みんなで投票
→ 1位~160位 のランキングが出るので 手を抜くわけにいかない
・ゲームの情報の、設定レベルについて
レベル1. ファミ通の初稿などで 公開される情報
レベル2. 発売までの途中で公開される情報
レベル3. ゲームをプレイするまでわからない情報
(完全攻略本などに 乗るような情報)
レベル4. 完全攻略本などに乗るような
ゲームをクリアした後じゃないとわからない情報、裏話
レベル5. ユーザーには公開されない
開発者のみが知りえる情報
~構想10年、制作3年 サイバーコネクトツー流NDSビッグタイトルのつくりかた~
---------------------------------------------
・『ソラロボ solatorobo』
新規DSタイトル
構想10年 制作3年
→ DSでは考えられない 制作スタイル
疑問1. サイバーコネクトツー と バンダイナムコ が とても仲が良いからできたのでは?
→ NO
疑問2. 「ナルティメット」シリーズや、「.hack」シリーズで儲かってるから できたのでは?
→ NO
疑問3. 時間をかけすぎたから 大作にならざるを得なかった?
→ 断じてNO
疑問4. なんだかんだ言って サイバーコネクトツーだからできたんじゃないの!?
→ YES であり NO
本日の講演では、その疑問に答えつつ
このタイトルの制作にあたって使用した作戦を紹介します。
---------------------------------------------
●昔 「テイルコンチェルト」と言うゲームがありました。
1996年 PSの3DアクションRPG (開発 10名 ~ 12名)
→ バンダイに持ち込み
「PSで マリオ64のようなゲームが作れるとは!」と 絶賛
→ バンダイの このタイトルに期待した売上
初回15万本 最終 30万本
→ 実際は・・・ 9.7万本 (損益分岐点は 越えました)
→ バンダイ 思いのほか 売れなかったなぁ
”売れなかったイメージ”だけが残ってしまい
後々まで ついてまわることに・・・
---------------------------------------------
●「テイルコンチェルト」の続編を作るにあたる苦汁
当時 「.hack」「ナルティメットヒーロー」を走らせていた
→ その裏で 「テイルコンチェルト2」を提案
→ 1999年
「ああ あの売れなかったゲームの続編ね いらない」
(実際はちゃんと利益でたのに、売れなかったイメージが・・・)
→ 2000年
何も見ず 目の前で、ごみ箱へポイ された
・それでも 我々はあきらめなかった
続編を望む声が 国外関わらず多数届いた (世界では 15万本売り上げ)
サイバーコネクトツー内 作りたいゲームランキング 過去2回 1位に
→ 純粋に 作りたかった
続編を望んでいる声もあった
→ じゃあ 作ろう!
・「テイルコンチェルト」が売れなかった理由を分析
1.対象年齢が低く奥が浅そう
→ シナリオと世界観を深く掘り下げ、中高生以上に向けて展開
2.見た目に反して ゲームが難しい
→ 複雑な操作がいらない シンプルアクションゲームに
3.犬・猫の擬人化 、 ロボット ニッチすぎる
(ロボットは 女の子が食いつかなくなる)
→ だが、”ここ”はゆずれない
ここは、我々が表現したいところであり 押し通すところだった
---------------------------------------------
●構想10年
続編を作るために (契約を取れるように)行ったこと
10年の期間があるので、じっくり作戦を練りました。
・「テイルコンチェルト」を過去の物にしなかった
2000年、2002年、2004年と 定期的に HPをリニューアル
九州の防災キャラクターのイメージキャラクターとして 「テイルコンチェルト」に関連したキャラクターを提供
サイバーコネクトツーのHP内で「リトルテイルブロンクス構想」発表
・作戦開始
スタッフ3人 (制作指揮、キャラクターデザイン、世界設定)
「.hack GU」「ナルティメット アクセル」を開発している裏で
仕事と並行し、仕事が終わってから 毎晩ミーティングを行った。 (これについては 完全無報酬)
→ 1年間かけ 2000点以上の設定資料を作成 (TVアニメ 2クール分)
(キャラクターから世界観、シナリオや ゲームシステムまで)
・売り込み
1.同時期に パブリッシャー3社に 企画売り込み
(バンダイナムコ以外にも売り込み)
→ 各社間の競争意識を煽る
2.企画書とは別に 2種類の「設定資料」(A3サイズ)を提出
→ 企画は 10ページ程度だが かなりのボリュームの(製本された) 設定資料を付けて渡す
ニコ生より かなり本格的で、ページ数も多そうです。
→ 設定資料の効果は大きい
プレゼン相手の印象に残りやすい + プレゼンに参加していない人の目にも付きやすい
→ 企画書を埋もれさせない武器
3.契約前にかかわらず・・・
週刊ファミ通に 「テイルコンチェルト」の続編を匂わせる 求人募集
→ このゲームを作りたい と思う開発者が入社
→ バンダイナムコより Goサイン を貰えた
---------------------------------------------
●開発3年
自分たちの作りたいものを作るために 更に作戦を練る
→ 当初より 開発3年を計画した
・少人数 長期間開発体制
2007年 3名
2008年前期 11名
2008年後期 14名
2009年前期 16名
2009年後期 7名
2010年前期 6名
2010年後期 3名 (今は マスター直前なのに 3人でやってます)
→ 利益を出すため 極力 人数を抑えて コスト削減
・著名なクリエイター陣を起用し 商品力を高める
OPアニメ制作、メカニカルイラスト、キャラクターデザインに 外部のクリエイターを起用
→ 大御所なので 仕事が遅い (多忙中、お願いしてやってもらった)
OPアニメ ・・・ 1年
メカニカルイラスト ・・・ 1年
キャラクターデザイン ・・・ 2年
→ 時間がかかるのは 想定内!
・定期的に 子供たちを読んで モニター会
2008年 3回 ・・・ コンセプト と 要素 について確認
2009年 3回 ・・・ 問題点の発見と 修正
2010年 2回 ・・・ バランス調整
・(予想外)開発中3年間で DSiが発売された
→ 予定外であったが、DSiカメラを使った仕様を追加
・3年間だから できた充実の内容
ロボ & ヒト のWアクション
機体性能のカスタム
機体タイプのアクション変化
飛行アクション
戦艦つり (ミニゲーム)
レース (ワイヤレス通信対戦)
DSiカメラ対応
2部構成、全21話の物語
2種類のOPアニメ
80を超えるクエスト
Wi-Fiで クエスト配信 (ドラクエ9を見て これは入れるしかない と追加)
2.5Dの 立体的なイラスト表現
→ 想定内ではあったが
この制作手法を信じてくれた バンダイナムコは凄い!!
---------------------------------------------
●まとめ
初めの疑問に答えます
疑問1. サイバーコネクトツー と バンダイナムコ が とても仲が良いからできたのでは?
→ NO (ごみ箱に捨てられる程の企画だった)
むしろ ”ダメ”と言われ続けたが、作戦を立て実行したからこそ 承認された
疑問2. 「ナルティメット」シリーズや、「.hack」シリーズで儲かってるから できたのでは?
→ NO
プロジェクト単体で利益を出すことが大前提
少人数で細く長く開発して 工数を抑える
疑問3. 時間をかけすぎたから 大作にならざるを得なかった?
→ 断じてNO
時間をかけたのは作戦
だからこそ様々な要素を盛り込めた
疑問4. なんだかんだ言って サイバーコネクトツーだからできたんじゃないの!?
→ YES であり NO
確かに サイバーコネクトツーだからこそ、このやり方を思いつき 実践できた
→ しかし、すべてを紹介した今となっては
この作戦は特別な物ではないハズ
覚悟と作戦があれば 必ずやりたい事は実現できます。
---------------------------------------------
●おまけ
・社内内訳
企画 10人 プログラマ 30人 アーティスト 100人以上
→ かなりバランス悪いですが 絵にこだわりたいんです。
→ 各プロジェクトに 企画が1人くらい
→ プログラマと アーティストが 企画と協力して仕様を作っている
・サイバーコネクトツー 社内アイデアコンペ
毎年1つ 160人居る社員全員に 企画を出してもらう
(プロジェクト後の リフレッシュ休暇内に 宿題として出す
新人 ベテラン 分け隔てなく)
→ プログラマであろうと、アーティストだろうと
ゲームのアイデア一つ 考えられない人間は ゲームクリエイターではない
サイバーコネクトツーでは そう考えている
→ 全てのアイデアをサーバーにアップ、匿名で みんなで投票
→ 1位~160位 のランキングが出るので 手を抜くわけにいかない
・ゲームの情報の、設定レベルについて
レベル1. ファミ通の初稿などで 公開される情報
レベル2. 発売までの途中で公開される情報
レベル3. ゲームをプレイするまでわからない情報
(完全攻略本などに 乗るような情報)
レベル4. 完全攻略本などに乗るような
ゲームをクリアした後じゃないとわからない情報、裏話
レベル5. ユーザーには公開されない
開発者のみが知りえる情報
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職業:
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連絡先は
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