[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
第5回 IGDA 同人・インディーゲーム部会
「ノベルゲーム制作実践テクニック -素材制作の技術と制作管理・宣伝のノウハウ-」
--------------------------------------------------------------------
●フリーゲームの特異性と可能性
・作った作品の紹介
→ 原案から7年かけた (実質作業は1~2年間くらい)
・フリーである事とは?
→ 配布がフリーなら、制作もフリー
制作にお金をかけない (有志のお手伝い とか)
→ 理想の実現
ユーザーの評価に左右されない
自分の理想を形にしたい と言う意欲だけで動いている人が多い
→ 制作技術に関して
フリーとシェアに差は無い
・フリーである利点
→ 不特定多数に気軽に見てもらえる機会がある
シェアだと入手経路が限られ、完売の可能性も
公開して1年半で ダウンロード数 約23000 (2年経った今でも 月800)
→ 肩の力を入れずに、気軽に制作できる
短編ものや、試作品でも公開できる
シェアだと それに見合ったクオリティを求められる
→ 実際には、一定のクオリティが無いと 埋もれる
・フリーの問題点
→ モチベーションが 制作の頼りである
やりがい以外の 見返りが無い
→ ユーザーがフリーに求めている物もある
手軽さを求めている人には歓迎されなかった。
(フリーで 大規模ゲームを作らなくっても と言う気持ち?)
→ 有償に転化しにくい
元々0円なので、付加価値分しかシェアとして上乗せできない
→ 「フリー版で十分」と言うユーザーも多く シェアの効果は微妙
→ シェアとしての利益は無かった
・制作管理
→ 自作のスケジューリングソフトを使用
→ 自己申告で 週間目標を決めていく
→ 自己申告にする事で、責任を生む
守れなかったら、罰ゲーム とか
→ 会議と言う名の雑談
(週一度 1回6時間くらいも、制作の話は その内15分くらいとか)
→ 制作は楽しくなければいけないもの
相互理解、制作物の理解のため
モチベーションが低いと、「時間が無い」と言い訳が出てくる
→ いやいや、1日30分くらいは取れるでしょ?
(この人、モチベーション下がっているんだなぁ)
→ Skype
制作者間の距離が離れていたので
メールや、掲示板は コミュニケーションツールにならない
・参考書
→ 「小説を書くための基礎メソッド」「ベストセラー小説の書き方」など いろいろあるけれども
参考書は、学ぶものでは無く 確認するもの
・物語作りに対する持論
→ 文章力と、構成力は 魅力によって引き出される
→ 魅力とは、熱意・欲求・愛情・個性など
魅力とは、うま味である
→ よく、「アイデアは 他のアイデア達をかけ合わせる事で生まれる」と言うが 自分はそうは思わない
アイデアは、ネタに対して 自分の個性を積み重ねていく物
→ いくら同じネタだとしても、他の人と全く同じ作品は決して生まれないから
--------------------------------------------------------------------
●世界征服を狙うO-GAMESの野望
インディーズゲームディベロッパー集団 O-GAMESの紹介
http://
・目標は ”世界征服”
→ 大集団でインディーズゲームを作ろう
年内目標 200名がネット上で活躍する開発組織を目指す
(会社と言う枠ではなく)
→ 仕事だと、締切とか クライアントの指示とか 自由にできない
現在 40名が登録、20名が現在稼働中
経緯 自由なゲーム開発環境を育むべき
詳しくは・・・
http://
・なぜ集団なのか?
→ ノウハウ共有
相互フォロー
→ 効率良くスキルUP 、 商業ゲーム超え
・現在
→ 準備段階
組織育て中
6プロジェクト並行で進めています
→ 企業では無いので、給料はでません が、皆が楽しんでゲームを作れる組織
・今年の挑戦
→ 企画の質上昇
mixiアプリ開発
3Dゲーム開発
・スタッフ
→ ゲーム開発関係者は 3分の1 社会人が半分
開発未経験者 OK
プロ歓迎
プログラマ大歓迎
・その他
週に1度は ネット上で定例会議を開く
→ その後は、良く雑談会に
・世界を震撼させる ものすごいゲームを一緒に作ろう!
→ 1ヵ月半で ファンタジーSTGを作りました。
http://
→ スタイリッシュハイテンポノベル を作りました
http://o-games.info/UNLV/
→ 制作は 吉里吉里で
基本的には、自分の組織の紹介~ 的な内容でしたが
このような組織があるんだ と言う意味でも、参考になりました。
これは、2010年1月24日 に行われたセミナーの記事です。
第5回 IGDA 同人・インディーゲーム部会
「ノベルゲーム制作実践テクニック -素材制作の技術と制作管理・宣伝のノウハウ-」
--------------------------------------------------------------------
●萌と鬱 -PCゲームライターの一例-
商業でライターをやりました。
ジャンル 架空戦記 、 予算 中規模 、 期間 3年
(予算中規模 = ペイライン 5000本くらい)
→ 営業成績 まぁまぁ
・期間3年って長い? 3年で予算 中規模なの?
→ シナリオ、原画、音楽 は外注
→→ コストは一定 、 開発期間関係無し
(1枚いくら、Kbyteいくら とかだから)
→ プログラム、スクリプト などのみが社員
→→ 開発期間全体のランニングコストがかかるのは、この人達だけ
・余談
エロシーンって、バイト数が稼ぎやすい
→ 他のそんなシーンから、コピー&ペーストし 順番を入れ替えるだけで 出来あがったりするので
・開発の経緯
ライターとして 企画、原案を提示
→ 文章系同人誌を (偶然知り合った)会社の社長に 持ち込み
→→ 企画を提案しても、普通 いい反応は無い
ゲームのシナリオには、1M~2M(文庫本10冊)が必要
→→ その企画が如何に面白いか? プロットが良いか?などはまずは関係無い
重要なのは、それを書ききる事ができるのか?
(それには、文章がうまい 下手 以上の物が要求されるので)
→→→ 実際、同人ゲームでこれだけ作った 等を提示できると有利
・商業でゲームを作って 良かった事、悪い事
良い 書いていて楽しい
感想を聞ける
絵、声、音楽がつく
→ 感想は良い物ばかりで無くても良い
辛いのは無反応
悪い感想を貰えるのも幸せ
悪い 原稿を書く義務が生じる
叩かれる
実力の無さを思い知る
時間がなくなる
→ 兼業でやっているので、土日全部・昼食の時間も全部 制作に費やしている
・実力主義
→ 契約書をあえて交わさない
→ 良い仕事をすれば、相手はもう一度 一緒に仕事をしたいと感じるので
ギャラの不払いなどはしないから
と言うやり方
・続けていくために、自分が意識している事
書きたい事しか書かない
黒い欲求を自覚する
金銭はモチベーションにならない (講演者にとっては)
無理はしない
諦めない
(勉強のために、小説の新人賞は全て読んでいる)
→ 黒い欲求 = 反骨精神
→→ どうして自分は無名なのだ? などの気持ち、コンプレックス
→→ それを自覚して、悔しい! 見返してやろう と、自分をうまくコントロールして 意欲に結びつける
・結果として生じている事
良い と考えていた事が、悪い に逆転する
(楽しい → 義務 になる)
ゲーム制作が幸せで無くなり、文章を書いて居ないと不安になる
自分が遊びたいゲームを他人が作ってくれない事に不快感
・これからの人への経験則
感想と意見は区別し、自分より上手な人の意見だけ聞く
→ 何故か?
「ヒロインが可愛いく無いですね」と言う意見の場合
本当に可愛いく無いからなのか? 他のキャラクターが目立ち過ぎるせいなのか?
主人公のせいで、ヒロインの良さを消しているのか?
ちゃんと理由を考えて直さないといけないので
→→ 自分より下手な人の意見を聞きだすと、下手になる
同じくらいの人の意見を聞くのだったら、自分で考える
質より量
→ 量をこなす事で、必然的にどんどん成長していく
欠点は直さない
→ 長所がスポイルされる危険性、
長所を延ばしている内に欠点も直っていく
欠点が無いと、長所も生まれない
プロモーションは不要
→ シナリオライターとしては (ゲーム全体の話では無い)
それより、良い物を作ろう
他人が諦めるまで書く
自分の経験則を見つける
→ 他人の話を鵜呑みにしない
→ つまり、この講演者の内容も鵜呑みにしないように
→ 他人の方法論は、あくまで その人用の方法論である
→→ 某売れている作家は 嫌な奴ばかり
→→ そんな人は、決して他人の意見を聞かない
(そんな人達が生き残っている世界でもある)
--------------------------------------------------------------------
●ノベルゲームを長期間作るためのコツ(モチベーションの保ち方など)
1作目 … 制作期間 1年半 プレイ時間 15時間
2作目 … 制作時間 2年 プレイ時間 30時間
○シナリオライター編
・コツ
→ モチベーションの波を作らない (常に70%を保つ)
必要なのは持続力
・モチベーションを保つためには?
→ まず、プロットで スタート~ゴールを設定
→ プロットの時点で、主要キャラを定める
→ 概算の制作期間を計算し、計画的に予定を立てる
・1日10行は書く!
→ 何があっても、必ず 毎日10行は書くようにする
→ 10行書いたら、そのまま終わっても良い (毎日する事が重要)
→ 1度書き始めると、ほとんどの場合10行で終わらない
・発売した時のイメージを常に持つ
→ コミケに出展
→ 「楽しみにしてました」「頑張ってください」と声をかけてもらえる
・自分へのご褒美
→ シナリオを書いたら、テレビを見る、マンガを読む など
→ 趣味の旅行
→→ 旅行に行くためには、前倒しして作業をしないといけない
○グラフィック編
・イベント絵
→ 一か月を有効に使う
→ 1枚1枚ずつ作っていくのではなく、長期間を考慮して予定を立てる
→→ ラフを休日にまとめて作る 、 平日に作成作業
→→ 結果、1ヵ月で0.5枚の速度増
・背景
写真を撮影し、トレースする事で 効率化
・立ち絵
まずは、徹底的に イメージを膨らませる
差分が命!
→ 差分を何個つくる? と前もっては考えない
イメージを膨らませて、ひたすら必要な物を考える
→ 顔のパーツは 眉、目、口 これが変わるだけで表情豊か
→→ これらを組み合わせるだけで、膨大な種類の差分に
第5回 IGDA 同人・インディーゲーム部会
「ノベルゲーム制作実践テクニック -素材制作の技術と制作管理・宣伝のノウハウ-」
こちらに行ってきました。
前座 では無いのですが、
他の内容とは変わって 法律のお話からスタート
--------------------------------------------------------------------
●同人ゲーム開発者が直面する法律問題
・口約束 も、約束
・証拠を持ってこい これは正しい (証拠が無いと証明できない)
・自分の作品を守るには、いろいろしなければいけない
→ 特許、商標、意匠、著作権、知的財産権の強化・・・
・何もしなくても発生するもの
→ 著作権
→→ 著作財産権 + 著作者人格権
・登録しないといけないもの
→ 産業財産権 (4つ)
・著作物とは?
→ 作者の個性が出ている物
・キャラクターの著作権 という物は存在しない
→ その代わり、『キャラクター初登場の絵』は著作物
・権利を侵害するとどうなる?
→ 民事 損害賠償、差し止め要求、廃棄請求
刑事 罰金、懲役 など重い
(例 ときメモ訴訟 225万円の損害賠償)
→ コミケは許されている?
→→ 放置されているだけ
グレーゾーンと言う物は存在しない (訴えられるとクロ)
・二次創作の権利は、原作著作者にも発生している
・会社より「著作権を侵害している」と警告された場合
→ 戦う事をオススメしない
・自分の著作権が侵害された場合
→ 傷が浅いうちに対応する
(広がりすぎると対応しきれない & コストがかなりかかる)
・同人から、商業デビューする事になりました。
→ 契約書 については十分注意する事
→ 後になって 「契約書の内容を理解していませんでした」は通用しない
→ わからなかったら専門家に聞く
・著作権の譲渡について
→ 必ずしも、著作権を持ち続けているのが幸せなのか?
→→ 著作権譲渡後も、ロイヤリティを貰う と言うやり方もある
→ 著作者人格権 だけは、譲渡されない
--------------------------------------------------------------------
と、いきなり真面目すぎる内容からスタート
ですが、皆 熱心にメモを取る
会場全体の意識の高さを感じ取りました。
そして、こちらの講演者 弁護士の方でしたが
自己紹介で「昔はMSXで まものクエストとか打ち込んでました」
と言う内容で、いきなりテンション上がりました。
今まで 囲碁のAIは弱かったです
(アマ3級)
オセロ … 人間より上
チェス … 人間と互角
将棋 … アマのトップレベル
と比べても、囲碁は 圧倒的に弱いです。
→ なぜか?
→ 盤が広いからでは無い (盤を小さくしても弱い)
→ 囲碁は複雑すぎて、評価関数を作れないから
(実は 負けていると見せかけて、大逆転の布石だったりするので)
→ 既存のAIの手法では 作れないから!
-------------------------------------------------------------
・2006年 突如、強い囲碁AIが生まれた
それが「モンテカルロ木法」
基本概念は、ランダムで 石を置いて行き、勝敗を決める
→ それを n回繰り返す!!!
→ 一番 勝率が高い所が 最善手だ!!
一見、無理やりに見える判断方法ですが
それが良いみたいです。
昨今の、処理速度の向上により できるようになった荒業ですね!
利点:
単純に強い
プログラムが楽
汎用性が高い (囲碁でも将棋でも、カタンなどので 出来る)
欠点:
強い代わりに、強さの制御ができない
答えが一つしか無い物を見つける事ができない
処理速度がいる ぶっちゃけ、DSでは無理
-------------------------------------------------------------
・ゲームAIに使っても、向いている所があります。
例えば 以下の例
『攻めると 90%で負ける、守りと 100%負ける』
この場合、今までのAI(評価式法)では
守り続け、じわじわと負けると言う だらだらとしたゲームになります。
しかし、モンテカルロ木法 では
10%の勝利にかけ 総攻撃を行う事になります
→ ゲームとしては、この方が面白いのでは?
-------------------------------------------------------------
・最後に
講演者の方が このアルゴリズムを使って、「シヴィライゼーション4」のAIを強くしたい
と発言されたとき、大感動しました
あまりに良い内容でした
特に、ゲームのロジックの説明が とても良かったです!
--------------------------------------------------------------------
●プロデューサーの視点から
「なぜ デモンズソウルを作ったのか?」
ハードの進化
→ 制作が 大規模に
→ リスクの軽減を考えなくてはならない
→ 売れる物を作る (マーケティング主体の制作スタイル)
万人が遊びやすい、演出豊富な・・・
「売れた物の続編」「人気のある原作のゲーム化」「似たゲーム」
→ チャレンジ的な作品が作られない
= 多くの閃きが 埋没される環境にある
そのために、「デモンズソウル」
・原点回帰 をベースに、面白いとは何か?
(売れそう、時流に乗っている はひとまず考えないで)
・オリジナリティのある 面白い物を!
・「グラフィック」の進化 よりも 「遊び」の進化を!
・「ストーリー・ムービー・演出」よりも
「プレイヤーに想像力をかき立たせる演出」を!
・制作スタッフが 本当に面白いと思える
妥協のないゲーム作りを!
→ 近年に相反する「ゲーム主体」の制作スタイル
→ 大きなリスク、作り手の不安 はあるが チャレンジ
「チャレンジ」だからこそ 意義がある
→ 発売タイトルの多様化を
→ 市場の活性化を促したい
→ デモンズソウル の作品、制作スタイルが
今のゲーム業界への 『アンチテーゼ』
ゲームは いろいろあるから 面白い!!
--------------------------------------------------------------------
●ディレクターの視点から
ベースコンセプト 「原点回帰」
必要なのは、ゲームプレイの「達成感」
達成感を得るために、古典の手法を
→ 強敵の撃破
レアアイテムの発見
ステージクリア
成功を達成につなげるためには、失敗が必要
→ 死をベースにした ゲームデザイン
(ユーザーを 殺します!
高難易度のゲームとなりました)
・単純な原点回帰だけでは ユーザーは飽きている
→ 新鮮な刺激が必要
→ ネットワークは使えないだろうか?
・デモンズソウルのネットワークの定義
ゲームプレイに刺激を与えるための物
→ シングルプレイを遊びを阻害してはいけない
マルチプレイは、自分のペースで遊べない
コミュニケーションが煩わしい、負荷がある
→ マルチプレイタイプのネットワークではダメ
→ そこで 非同期ネットワーク
(非同期ネットワークの具体例は後述)
・ネットワークの目的
キーワード 「助け合い」
このゲームは、高難易度で死ぬんだから
助け合い は嬉しい!!!
原点回帰の面白さ、ネットワークの面白さ が一つに繋がった!!!
こうして、「デモンズソウル」と言うゲームの 面白さのロジックが作られました。
--------------------------------------------------------------------
●高難易度ゲームについてのアプローチについて
・死に 納得感を持たせる
→ 理不尽ではなく、気づき 回避できる余地がある
→ 操作感の悪さでは 死なせない
・死で 心が砕かれず、また挑戦してもらう
→ レアな物は決して失わない
→ 死んだ場所に戻れば、失った物を取り返せる
・何度でもチャレンジしてもらう
→ MAPの配置は固定で、何度も遊ぶ事で覚えられる
--------------------------------------------------------------------
●非同期ネットワークについてのアプローチについて
・徘徊幻影
他のプレイヤーの姿が 幻影として見えるだけのシステム
→ 一人だけでは無いのがわかり 嬉しい
・メッセージ
掲示板的に 地面にメッセージを残す事が出来る
(「ここは危ない!」「あいつには魔法が効くぞ!」「ここに隠し扉が」)
→ 重要な情報を得たり、危険を察知できたり
→ 助け合い
また、メッセージに対して 感謝の念を送る事で
メッセージを書いた人のHPが回復する
→ メッセージを書いた人に対しても助け合い
(+ 誰かが書いたメッセージだから、読むだけで面白い
これが、ゲームシナリオで書かれているのなら 面白くない)
・血痕
他のプレイヤーの死にざまを見る事が出来る
→ 自分の死が 他のプレイヤーの糧となる
(+ 誰かの死にざまだから 面白い)
--------------------------------------------------------------------
●質疑応答 から
試作作成に スタッフ10~20人で 8ヵ月
開発ピーク時は 30~40人 + 外注
開発期間のトータルは 2年8ヵ月 との事
ついったー
http://twitter.com/seki_seki_seki
連絡先は
sekisekiseki(あっと)gmail.com