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2013年8月22日 にあった、CEDECの講演についての記事です。
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社 代表取締役
森下 一喜氏の基調講演です。
「開発讃歌」
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●はじめに
・ゲームを大ヒットさせる方程式?
→ そんなものは ない
ガンホーは 皆様が驚くような 面白く、楽しいゲームを作る事を心がけている。
・ゲーム開発とは
アイデアを注ぎ、素晴らしい仲間と共に、お金を使い、面白いゲームを作ること
以下、森下氏の ゲーム開発に関する考え方のいくつか です。
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●企画
・面白くない企画は あってはならない
・新しいゲームアイデアを考える時は、
誰にも邪魔されず、自由で、天の邪鬼でないと ダメだ。
→ 天の邪鬼 ・・・ 人がやっているのと 同じ事をしたくない。
できるだけ、斜め上の事をする。
まずは 遊びの核の部分の 直感的な面白さ を考え出す
(説明せずに 面白さが伝わるような)
→ 直感的な面白さ は、中毒になる
分析 周囲に流されない
・新作を考える行いは、開発者に与えられた最大の楽しみ
ガンホーの来年の事業計画には 新作の予定は全くない
= これから、これだけのゲームを作らないといけない! と言う強制がない
→ 「これは面白そう!」「作りたい!」と言う ゲームアイデアを思いついた場合
常に予算外で作り始める。
→ 事業計画の上で ゲームを作っていくのではなく
作りたい! と言う欲求でゲームは作り始めるようにしています。
プランナーだけが企画するものではない
→ 新作を考える事は 一番楽しくワクワクするもの
みんなで考えよう
常に考える癖を身につける必要がある。
→ 新作のアイデアなんて 簡単に出てくるようなものではない
他の人が考えてくれる と言う考え方もいけない
→ 考えたアイデアは 今 役に立たなかったとしても いつか使える日が来るかも知れない
→ 毎日毎日 考えるようにすると、自然に癖が身につくようになる。
ゲームがどうなるのか 成功のストーリー(妄想)を描く
・秘訣は パズドラに縛られない事
パズドラの事を忘れて、自分たちが作りたい物を作ればいい
→ 無意識の内に、成功体験にとらわれてしまう
「パズドラだと ここはこうじゃないですか」
(森下社長自身も 会議中に 思わず言ってしまって 後で反省する と言うのが良くある)
→ 成功体験 = 盲目的な思い込み になる危険性
・破壊と創造
革新的なゲームデザインを生み出すには、
パズドラフォーマットをぶち壊すくらいの考え方でなければならない
→ 実際、パズドラを作るときは いわゆる ソーシャルカードゲームが乱立している時で
その市場をぶち壊してやろう と考えていた。
→→ 必ずしも そうする事で成功するとは限らない
(早すぎる事もある) (それで失敗した事もよくあった)
・ブラウザ? ネイティブ? そんな事、知った事ではない
ネイティブアプリが時代の流行りになりそうだったから
パズドラをネイティブアプリにしたわけではない
こっちの方が面白いから
→ ゲームの触感を最大限に活かすためには ネイティブアプリしか無かった。
→ パズドラが ネイティブアプリ と言う物に分類されているんだ
と言う事自体 (ネイティブアプリと言う言葉自体) 最近知ったほど
・波は乗るものではなく、起こす物
作りたいものに応じて考えればいい
→ 波と言う物は 本来、一番最初に乗った人しか乗れない
後から みんな来て殺到して 食い合う事になる。
→→ それだったら、波を自分で起こすのが良いかな
・この世に無駄な企画なんかはない
開発中止になった 制作途中のソースや、ボツになった企画書は 宝の山
→ その時は それ以上アイデアが進まなかったとしても
いずれは思いつくかも
今 作っているゲームに、そのアイデアが組み合わせられるかも
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●開発
・核となる遊びと ゲームサイクルとの繋がりだけは 大切にしないといけない
→ ゲームリソースの追加だけを考える事はいけない
(油断すると、こればかりしてしまう)
→ ゲームリソースばかりを追加していくと、ゲームサイクルにヒビが入ってしまう恐れがある
・継続的にプレイを促進する エコシステムを作り上げる
・修練度と偶発性のバランス
→ ゲームの上達 + 運
・ミクロではなく マクロに
→ リソースを追加するのは良いけど、それが全てに対してどう影響するか?
ゲームシステム全体を常に俯瞰する。
・開発者なら ゲームの最終イメージくらい 頭に入れておくべき
ゲームプレイングのイメージを脳内ビジュアルでとらえる
プロトタイプとは 開発チームの全てのメンバーが ゲームの最終形のイメージを共有する必要がある
・気になる と言うことは、納得がいっていない という事
気になることを放置したままにするのは 罪悪
気になる箇所を放置しない
政治的理由で妥協しない (これをやるには スケジュールが~)(予算が~)
誰かがやってくれるとは思わない
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●運営
・面白いゲームを作る事が第一
遠回りだけれども、日々の運営より他にない
今の時代、開発と 運営はセットです。
(ラグナロクオンラインは これで苦労した・・・ 苦しみと悔しさ)
→ もし、開発と運営が離れている場合
何かイベント行いたい、何か修正したい と言う事があっても すぐに対応される事が少ない
面白いゲームは当たり前。
その上で、ちゃんと 運営しないと どんな面白いゲームでも ユーザーは離れてしまう。
サービスインがゴールではない
アクティブユーザー数が最重要
・向かい風は 追い風になる
トラブルはチャンス
告知は早く、こまめに
→ トラブルに直面しているユーザーは ストレスがMAX
そこに 「今 調査中です、」「いついつに対応されます」とアナウンスがあるだけで
安心感が全然違う
迷った時は 正しいと思うことをする
失敗は明日の糧
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●経験
・失敗から学んだ 勘という物がある。
この10年、ガンホーは 失敗ばかりしてきた。
→ 誰も踏み込んだ事のない 前例の無い道だったけど
だからこそ、得られる勘ができた。
→→ 多くの失敗と ほんの少しの成功で 磨かれる勘を 養うことが大事
→→ パズドラも 一夜にして できた事ではない。
・ガンホーは たまに勝つ
たまに成功した時は、「運が良かった」 と思うようにしている。
→ タイミングも 極めて重要
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最後に
市場だけが大きくなっても ゲーム業界は変わらない
開発者が学び、ゲームを育てる力を養ってこそ
十年、百年後 この業界は 良くなる。
ゲーム業界が 更に発展するにあ、一人一人の志が重要
誰にでも ヒット作を作れるチャンスがある。
→ できるかどうか? は、意識の問題
「つまらなかったら 作り直す
ちゃぶだい返しだ!!」
ついったー
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