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2012年8月20日 にあった、CEDECの講演についての記事です。


「TOKYO JUNGLE ~経験ゼロの若者による企画立案から発売までのサバイバル術~」


この講演の対象は、若いプランナー、ディレクター起業を目指す人 との事


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TOKYO JUNGLE

TOKYO

TOKYOTOKYO


→ 売り上げ 20万本を突破しました。
→ PS3では、新規タイトルでこれ程売れたのは数少なく 貴重
  (9割が シリーズ物の市場)


この 「TOKYO JUNGLE」ですが 当時 ゲーム開発経験が全く無い 平均年齢23歳(当時) の会社が作り上げました。


→→ なぜ売れたのか?

→→ 経験がゼロだからこそできた事 と言うのが、この講演のテーマです。



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●「TOKYO JUNGLE」の開発者はどんな人?

当時、美術専門学校の学生でした。

→ SCEの 『ゲームやろうぜ 2006』に合格

→ 株式会社クリスピーズを設立し、「TOKYO JUNGLE」の企画立案
 (「TOKYO JUNGLE」の前に 「MyStylist」(PSP)を開発)




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●企画立案について

新規タイトルのアイデアを どうやって出す?

→ 『ゲームやろうぜ』の性質上 普通のアイデアではなく、斬新なアイデアを求められた
→→ 斬新なだけのアイデアだったら簡単だけれども かつ、売れる物でなければならない

新しいけれども、皆が好きな要素キャッチーさが必要


→→ 斬新 かつ 売れるアイデアを考えつくには?



・普遍 × 普遍 = 普遍だけどユニーク

普遍的なテーマ と 普遍的なテーマ を掛け合わせるわせると、普遍だけれどもユニーク(斬新) な物が生まれると考えた。

   ↓

動物 × 荒廃した都市 = TOKYO JUNGLE
が導き出された。




・据え置きゲームへの問いかけ

操作、ゲーム性が複雑
時間が かかりすぎる
マンネリな物ばかり


→ 1日30分で楽しめる 毎日遊びたくなるゲーム にしよう。

(同じ土俵に立たない、未開拓な市場を狙った)



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●開発について

開発経験が無いのは 明らかにマイナススタートだった

→ しかし、経験が無いからこそ 常識にとらわれない手法を行えた
 (結果論ですが・・・)



・プレゼンテーション

新規タイトルは 共通経験がないので 伝わらない。
→ 伝え方を考えた。


他のチームでは 企画書を用意しそれを見てもらう と言う、良くある手法を取っていたが
TOKYO JUNGLE」では コンセプトビデオを用意した。

→ 好評だった。
 (後にSCE内で これが、企画立案における一つのベンチマークになったらしい)


→ プレゼン会議の場でも、(偉い人が居るにも関わらず)演劇プレゼン と言うのを行なった。

コンセプトビデオを流しながら、”サバイバル教官”と言う役を演じ 「TOKYO JUNGLE」を紹介した。
(CEDEC会場では 実際にその演劇プレゼンを再現してもらいました)


→→ バツグンに目立つ事ができた!

→→ 作り手自身を 好きになってもらう事にも成功

   仕事は 人と人との繋がり
   SCE内で話題になり、いろいろな人からバックアップをしてもらえた。
  (TVCM を流してもらえた)


ちなみに、コンセプトビデオは 「After Effects」で作成。
(ゲームはまだ作っていない)



・ユーザー目線で開発

開発経験が無いからこそ、ユーザー目線で ユーザーが欲しい物を作ることができた。


例) 使用できる動物 50体以上
  (開発経験がある人間だったら、やりすぎだろうと二の足を踏む)



・引きになる要素を作る。

ゲーム開発のセオリーを破った。

例) スタートキャラクターを ”ポメラニアン” (最弱の愛玩犬)

→ 通常は、強いキャラ操作させて 気持ちよさを感じてもらい
 更に ド派手な演出のイベントを用意して プレイヤーを一気に引き込む

→ プロデューサーからも 始めそう指示されたけれども、そうしなかった

→→ 人間が居ない世界観を示すためには (本来 人間といるのが当たり前の)愛玩犬 を初めに見せるのが 一番適していた。

→→ 結果、それが注目を受けたと思う。



・とは言え、苦労話

一度 企画内容を大きくひっくり返した。

→ 初めは 完全な2Dのアクションゲームだったが
 どうしても、何度でも遊べる飽きないゲーム性を出すことができず

 最終的に、今の3Dのゲームへと変更した。



オフィスは 民家だった。

→ 開発機や エアコンの電力量で ブレーカーが落ちまくった
→→ 「暑すぎるので会社を辞めたい」と言ってくるスタッフが居たり・・・



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●発売に至るまでの話

新規タイトルなので いかに目立つか?

PVから広告、パッケージまで 全て社内で自作した。

→ 自分たちの商品と お客とを繋げる重要な部分
→→ 外部の人間に作ってもらうより、制作者自ら作った方が 魅力をダイレクトに伝えられる。


例) パッケージデザイン

始め SCE販売側から提案されたパッケージデザインは
動物がいっぱい居て 闘っている感じの賑やかなパッケージ

→ 「TOKYO JUNGLE」の魅力を引き出している とは思えなかった

→ 今の ”街の中にポメラニアンがポッツリ なパッケージ”に
  (締切の一日前に 勝手に変更した)

→→TOKYOTOKYO

→ 今となっては、反響を読んだので 正解だったと思う。



バカゲー的なイメージが持たれ始めた事を危惧

→ マズイ
→ ゲームシステムを伝えることに

→ ゲームプレイ動画を配信 「金言、賜りました

TOKYO

→→ 著名なクリエイターを呼び 遊んでもらい それを公開した。
 (トップクリエイター側も 業界に蔓延しているマンネリ感から、もっと若手が活躍して欲しい と言う思いがあり、考えが合致して実現した企画)



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●その他

・海外からも反響

E3に行ったとき、海外の開発者の多くに人に興味を持ってもらえていた

→ 「最近の日本のゲームはつまらない。
  昔の日本のゲームはユニークで面白かったが、今の日本のゲームはアメリカの真似をしているとしか思えない。
  真似をしているのに関わらず、クオリティは追いついていない。

  しかし、「TOKYO JUNGLE」は久しぶりに日本から出たユニークなタイトルだ」


など


→→ 欧州、北米版 「TOKYO JUNGLE」発売決定!!



・「ゲームやろうぜ 2006」当時に印象に残った言葉

SCEの人 「自分がゲーム業界に入ってから、リスペクトするクリエイターの顔ぶれが変わっていない。
      そろそろ20代の新しいヒーローが出てこないといけない、」



・初めは ダウンロード専売 3000円くらいで買えるゲームとして立案した

ボリュームも 今ほど多くはなかった。

2D企画だったのを 3D企画へと方針替えしたタイミングで、今のパッケージ販売の物へと変更した。


きっかけは、2年前の TGS出展での大反響

→ ゲーム性を深めるためにも 3Dゲームにしよう。
 (ちなみに、その時点で 1年半くらい開発していた との事)
 




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