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ゲームを作ったり、ゲームを遊びまくったりしている せっき~の生き様。   まずは目次をご覧ください
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2010年8月31日 にあった、CEDECの講演についての記事です。


「コーエーの歴史シミュレーションゲームにおけるAI設計について」


信長シリーズ、三国志シリーズのAIについてです。


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●このジャンルのAIで、常につきまとう大きな課題

ユーザーに対抗できる勢力が ある時点で無くなってしまう。
→ ゲーム継続のモチベーションが無くなる
→ 簡単に最強勢力になってしまうと、すぐに 詰まらなくなる

(RPGのようにだんだんボスを強くするわけにはいかない)


求められるAI ・・・ ユーザーに負けないスピードで勢力拡大するAI

→ 勢力図がどんどん変わる新鮮味、敵が刻々と強くなる緊張感 を得られる


設計の際、スピードを重視している

 


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●”信長の野望 革新”を例に

施設を建てる内政要素がある ・・・ 金銭系、兵糧系、軍備系、学舎、防御施設
                     (学舎は、技術開発に必要)

勢力拡大で必要なものは ・・・ 軍備、兵糧、技術

このゲームの特徴は ・・・ 技術は重要だが、一つの研究に長期間かかる
                 同時に複数の研究ができない
                 学舎をたくさん用意しないといけない

             → 技術の獲得が、最も時間がかかる

AIの方針 ・・・ 技術の獲得が最優先である。


その結果として、作り上げたAI


施設建設のプライオリティ   金銭系 > 学舎 > ・・・
                  (お金は、研究含め 全ての要素に必要だから)


また、研究中に 次の研究に必要となる 学舎を建築させる。

常に研究ができるようにしている。


これが、ゲームの特徴にしっかり合ったAI

 

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●個別の判断と、総合的な判断

例) 拠点A 兵2万 、 拠点B 兵2万
   敵拠点 兵3万

この場合、拠点A 拠点B単体では 勝てないけど
拠点A,Bが力を合わせると 敵拠点に勝てるので 協力して勝てると判断させる。


例) 拠点A 兵2万
   敵部隊 兵1万  奥の敵部隊 兵2万

拠点Aは 敵部隊には勝てるが、奥にいる敵部隊に攻められると負けるため
無駄な兵や兵糧を消費しないよう、早々に退却させる。


個別な判断 < 総合的な判断

 

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●勢力の個性化と、雰囲気作り

・勢力の成長傾向

 武田 ・・・ 騎馬
 織田 ・・・ 鉄砲
など


有能無能の表現

 武田 ・・・ 有能
 今川 ・・・ 無能 (史実通り)

大名の能力に応じて、AIをあえて 非効率にさせる

→ 勢力の淘汰の促進にもつながり、とても有効


・史実エピソードに基づく判定

上杉謙信 ・・・ 姫を要求しない
武田信玄 ・・・ 甲斐国内で城を建てない
伊達輝宗 ・・・ 若くして家督を譲る

 

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●手加減

・開始時にAI制限
(ゲーム開始から、一定期間)

出陣禁止   ・・・ どんな弱小勢力をユーザーが使おうとも、対応期間を持てるように
引き抜き禁止 ・・・ 武将を守る猶予期間を持てるように
加増禁止   ・・・ ユーザーが好きな武将を引き抜きやすくするように

(加増 = 忠誠をあげるコマンド)


・初心者対策

初級 を、特に重要視している
(初めての人が初級で勝てないと、ゲームそのものが楽しめなくなるため)


勢力拡大抑制 → 拠点数、兵力に上限 (ユーザーと同程度か、少し上以上 伸ばさない)

拠点攻略を簡単に → 城の改築しない、増援しない

 

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●AIの負荷に対しての工夫

判定頻度を設定している

判定 多 ・・・ 部隊の移動など
判定 並 ・・・ 建築など 定期的で良いもの
判定 少 ・・・ 加増など たまで良いもの


・負荷を常に監視できる仕組み

→ 各処理に対して、「処理そのものが呼ばれた回数」
             「その処理の中で、一番時間がかかった時の 処理時間」
             「その処理の平均の処理時間」
             「呼ばれた合計の処理時間」

を 表示できるように

 

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●動作確認の工夫

・デモプレイ活用

→ プレイヤー0人で、AIにひたすら対戦をやらせる


・オートセーブ活用

→ 毎月、必ずセーブさせる
→ もし、何かまずい事が起きていた場合 その直前のデータを調査できるように


・アルゴログ

AIの思考を全て 理由付きで、テキストログとして出力させる
実行しなかった場合も、実行しなかった理由を残す

例)

【撤去】実行 都市Aの市場を撤去、アップグレードするために
【出陣】中止 兵糧が足りないため


AIは、ユーザーの見えない所で、それっぽく動いている
それを見えるようにする事で、かなり的確にAIのデバッグができる

 

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●優れたAIを実行するためには? (持論)

・ゲームシステムを決める際は、AIを念頭に置く

AIを無視して、ゲームシステムを決めてしまうと
AIを作る際に、コスト(費用)、負荷 で破綻してしまう
期間の問題で、AIの完成度を下げてしまう。


どんなに素晴らしいゲームでも、AIが大した事ないと ユーザーの評価が台無しになってしまう

→ AIをどうするか? 勝算持った上で、ゲームシステムを決めていく

 

・ゲームにうまくなる事が大事

AIの強さ = 設計者がプレイした際の 7割程度の強さ


・どんなゲームでも通用する HowTo は存在しない

(三国志で使った方法を、そのまま 信長には使えない
システムだけでなく、バランスが変わるだけで 強さに影響するため)

 

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●質疑応答

・一番、処理負荷がかかっているのは?

経路探索

→ A* を使っている。
→ 少しでも軽減するために、ゲームシステム的に どんな地形でも移動コストは同じにした。
 (↑ AIに合わせたゲームシステム)


・どんなワークフローで AIを作っている?

AI担当の企画は 1人  (三国志7信長 革新信長 天道 では)

一番はじめに、AIの仕様を決定して 資料にしっかりまとめる
(この時点で、全て決めている)

→ 各担当のプログラマに渡す
 

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今更ながらに、イース2をクリアしました。
(MSX版 1988年

その感想です。


イース2
 







オチから言うと、せっき~イース2より、イース1の方が面白かったです。
(イース1が強烈に面白かった)
そんな視点の人間からの感想です。



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●優しさから 感動へ

これが、イース2のキャッチコピーです。


イース1から続く、物語の完結

他にも、魔法が使えるようになり フィールドも、神殿から 氷壁火山と豊富
難易度も、前作より改善  物語を楽しませるために、かなりサクサク進めるようになりました。


イース2イース2








MSX版では、処理速度向上が最大の特徴
下手したら、前作の2倍以上の速度が出ているのではないでしょうか?
処理負荷が軽い場所だと、アドルが制御不能になるくらい 高速に移動します。



ストーリー性については、今のゲームに慣れてしまうと 物足りなく感じるものですが
この時代からすると、かなり先駆け的な物でした。



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●オープニングデモ

イース2を語る上で、これだけは外せない!

曲の勢いも相まって 「今から冒険が始まるぞ」と、わくわくが止まらない最高のオープニングです
何度聞いても飽きません
実際、せっき~は 何度も聞いては テンションを上げています。


 

↑は、イース2エターナルの 完成度の高い物ですが
このオープニングデモは、どの機種版でも 遜色ありません。



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●リリア

当時、ヒロイン リリアの人気は異常でした。

PC雑誌などでは、何年経っても 読者の熱意が続いていて
イースを知らなかった せっき~は 「この子、人気あるんだなぁ~」と 眺めていた物です。


イース2イース2
 
 
 
 





リリアの振り向き、そして 出会いのシーンは いろいろな所で使われ
イース2を遊んでいない人にとっても、有名なグラフィックでした。



しかし、実は リリアのカリスマ性に ピンと来ていない せっき~が居たりもします。

ヒロインとは言え、出番 少なかったですよね・・・
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 の、ディーナ姫並に 
http://sekigames.gg-blog.com/Entry/99/ の後半) 


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●イベントが豊富

さすが 前作より豊富でした。

イベントと言っても、見てるだけ で自動で進む系の物ではなく
アイテムや、魔法を使った ちょっと考えれば 簡単に解ける程度の謎解きです。

(斜面でも滑らなくなる 石の靴、小さい音が聞き取れるようになる ささやきの耳飾り
モンスターに化けられる テレパシーの魔法 などなど)



前作の 天然いじわるギミック マスク・オブ・アイズ のような物が無く
物足りなさを感じつつも、気持ちよく進めました。



とは言え、隠された宝箱を ライトの呪文を使って見つけるトリック
あれだけは 許せません!

ノーヒントすぎて、普通は気づけませんよね!?




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●テレパシーが楽しい

モンスターに化ける事ができる テレパシーと言う魔法
これが、楽しかったです。


モンスターと話す事ができるのです
しかも、凝っている事に モンスターのセリフが かなり豊富に用意されていました。

くだらない事を話したり、ゲームのヒントになったり
モンスターにも、個性を感じ 微笑ましくなります。


イース2イース2






とは言え、経験値稼ぎのために 倒しますけどね!


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●鉄鉱石を見つけられなかった orz

これは、完全に せっき~個人のプレイで起きた感想

武器屋では、深刻的な鉄鉱石不足により 鎧が供給できない と言うイベントがあります。
冒険を進める内に、その鉄鉱石を見つけ 装備が増強できる 仕掛けですが

イース2



 
 



その鉄鉱石を 見つける事ができませんでした  orz


途中から、道理で 「敵の攻撃力が激しいなぁ~~」と感じたわけです。

セルフサービスで、縛りプレイをしていたらしく 高評価


ゲームが進み、次の町の武器屋で 鎧が売っていたのを見て 感動しました。

(そう言えば、前作も 最強の盾を見つけられずに 勝手に高難易度プレイしていたなぁ 
http://sekigames.gg-blog.com/Entry/71/  )


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●鐘撞堂

イース2で 一番美しいグラフィックは ココ!

イース2







これ、MSXの画面なんですよ~


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●最終決戦前の盛り上がり

ゲームの後半まで、特に イース1との繋がりとか 感じずに進んでいました。


最終決戦近くになると、それが出てくるのですが

「最強の盾 は、地上に置いてきたままだ!」
と言う事を知ったときは、「えっ どうするの?」と、普通に焦りました。
イース2の舞台は、天空の島)


皆に後押しされ 一人ラスボスに挑む
アドルの姿
は、かなり熱いものがありました!


しかし、レアのハーモニカ は とても良い曲だなぁ~




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と言う感じで、やっと イース2をクリアしました。

これ、22年前のゲームなんですね~~
もっと早く押さえていれば良かった。



イース1 と比べ、物足りなかった所」に 続きます。
(大体は、難易度と ゲームの歯ごたえ の話になるかと)

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『 Why did we DeathMarch on 同人ノベルゲーム ~錬電術師で死にかけるまで~ 』 
http://hexaquarker.com/wdwd_shokai.html

錬電術師で死にかけるまで

 
 
 
 


ゲーム制作系の同人誌 
『How to making 初めての同人ノベルゲーム  -錬電術師が でき(かけ)るまで- 』
http://sekigames.gg-blog.com/Entry/13/

の続編です。



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(裏表紙の文面より抜粋)

「逃げたい投げたい もうやめたい!」
楽しかった筈の同人ゲーム開発が、なぜ泥沼にハマるのか?
ご意見受けての仕様変更、遅延、停滞、見切りリリースに
パッチ対応、お金の苦労、 - そして突入 デスマーチ!!
それでも必死に生き残る! 駆け出し同人ゲームサークルの
死にかけ事例が、きっとあなたを救う・・・ かなぁ???

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初めての同人ゲーム「錬電術師 第一章 gate_way」をトラブルに見舞われながらも無事リリース
そして、その続編を作ろうとする 「不機嫌亭ゲーム班」の面々
しかし、更に襲いかかる 数々のトラブル

前回の同人誌は、体験記 - 同人ゲームサークルを結成し、どうやって一作目完成まで進んだのか?
が、テーマと言う 夢溢れる一冊でしたが

今回は、遭遇したトラブルを赤裸々に報告
それに対して、どんな教訓を得たか? どうすれば良いか?
など、生々しくも 実用的な内容になっています。



これまた、とても素晴らしい内容
一読した上で、内容を心に留めておくと 制作などで困った際の助けになること 請け合いです。

後、単純に読んでいて面白い

「あ~~ 大変ですね~」とか、読み物として楽しむこともできます。



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●目次

1.グサリと来たら変えますか?   (感想・レビューを受けての内容変更はアリ?)
   ご要望には応えるべき! と決めつけるのは危険です!

2.”予想”で予算を組んじゃダメ  (DL販売の利便性と落とし穴)
   悲しいことに 売り上げは、最初の一週で止まります!

3.広報すなわち運動量?      (カレンダーバナーから考える同人広報)
   期待値だけ高まっちゃうと・・・ 逆効果かも

4.膨らむ交流! 薄まる財布!   (交流メリット・デメリット)
   美味しいお食事、楽しいお話。プライスレスとはいきません

5.どんどん増えるED数      (その増量は何のため?)
   「ウケよう として、付け足す要素は余分です!

6.遅延は遅延を呼ぶのです!    (「よかった、隣も遅れてる」)
   「ダメサイクル」を 発生させてはなりません!

7.安易なリリース、甘い罠     (〆切効果が消えていく!)
   未完成品のリリース = 「〆切の消滅」です!

8.追加パッチは死の行軍      (「遅れたお詫び」は利息分)
   遅延とは、複利計算の借金です!

9.モチベーションは上下する    (ラッキーやアクシデント時はどうすれば?)
   理由があっても! 長期中断は極力避けましょう

10.停滞防止に手痛い刺激!?   (外部刺激は劇薬ですが)
    外部刺激は、良くも悪くも”効く劇薬”です!

11.選択・集中・一発逆転     (並行開発のメリット)
    「次回作品の制作費」まで 分配しちゃっちゃイケマセン

12.だんだん減っていく打ち合わせ (並行開発のデメリット)
    ご連絡を保たぬのなら、サークルの命脈は断たれます

13.四月は視点で死点です!    (春は別れと出会いの季節)
    制作の遅れとは無関係に、外の時間は流れてしまうのです

14.肩甲骨痛健康管理!?     (健康管理と負荷軽減と)
    倒れたあとで悔やむより、倒れるまえに伸ばしましょう

15.1×2は、2じゃ済まない!  (見積もり甘けりゃ制作厳しい)
    見積もりが甘いというより アホでした

16.行きたい道を行きましょう!  (楽しく無くっちゃ同人じゃない!)
    ”近道する”のが、ゲーム作りの目的でしたか?


なんと盛りだくさん



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●内容・感想


・各ページのレイアウト

錬電術師で死にかけるまで

 
 
 


漫画本文コラム 失敗からの逆算他のサークルさんのケース
となっています。

漫画だけでも、さらりと読んで楽しめるのが良いですね。




・(「面白かったです」「続きを楽しみにしています」)と言う お褒めの感想は
「現状の路線・雰囲気を変えないで!」と言う 無言の要望に他ならない

そうですよね

よく不満や、「こうした方が良い!」と言う 強い意見が目に入り
なんとかしなくては の強迫観念に基づき、予定になかった テコ入れとか路線変更をしたくなる物ですが
好意的意見も踏まえた上で、自分達の作っている物に対して ちゃんと評価できないといけないですよね

ただ、商業では 開発 → リリース してやっと、ユーザーに手にとってもらえるので
その前に、ユーザーの意見を貰って 反映できる と言うフェイズがあるのは 羨ましくもあります。



・DL販売 登録後1週間で ○○本の売り上げ!! すげえ!
→ 翌月以降 ○本でした・・・


また、リアルな数字を・・・

最初の1週間が過ぎると、販売サイトのTOPページから外れるので
参考になります



・「より多く売ろう」 → 「より広くウケようと、過剰なエピソード追加」

普段から、大変そうだと 制作日記を拝見していたわけですが
ここまで、大変になっていたとは・・・
お疲れ様でした


作品の評価、期待は、脇道ではなく ”本筋”に対して集中する。
余分な脇道は、”本筋”の印象を薄めてしまい。



は、とても共感しました。
(ノベルゲームだけに当てはまる事ではないので)

例えば ミニゲーム入れるのはいいけど、「あのゲーム、ミニゲームが良いよね」と言う評価は 本意で無いですもんね



・ダメサイクル
「Aさんの作業が遅延」→「Bさんがホッとする」→「Bさんの作業が遅延」→「Aさんがホッとする」→・・・

これは、そのとおり! と言わざる得ない  人の本質を突きまくりです!
これに陥った際の特効薬って、あるのだろうか?

良循環
「Aさんが頑張る」→「Bさんが、それに刺激を受け 頑張る」→「それを見て、Aさんが更に頑張る」→・・・

は、一度経験できると とても大きいですね



・制作にかかった経費

これまた、隠すことなく 1円の桁まで公開してくれていますね。

なるほど、これくらい居るんですか~
と、参考にさせてもらいつつ 実際経費って、どの辺りにかかるんだろう?
と、ピンと来ていない自分がいます。



・前回同人誌「錬電術師が でき(かけ)るまで-」は
予想以上の好評と、売り上げと、新しい縁と、モチベーションの回復になりました。

おめでとうございます!
前回の本も とても素晴らしい物でした。

How to本は、ニーズがあるんですね
てっきり、僕のような もの好きだけかと・・・



・1×2 は 2ではない

言い換えると、「焼肉1人前を1分で食べられても、焼肉10人前を10分では食べられない」

全ての トラブルを産む原因となったもの
一章は3ヵ月で作れたのだから、その倍のボリュームの二章は 6ヵ月で作れるだろう

・・・なるほど



・”習慣”が大事

日10分”だけ ”毎週日曜日に1時間”だけ
それだけでも、必ず 制作のための時間に回す ”習慣”を作ること

ゲーム制作を完遂された方々は みな、口を揃えて これを言っています。
最重要項目ですね~



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と、上記は 一部なわけですが とても充実な内容でした。


これだけ読むと、トラブル続きな 不機嫌亭ゲーム班の方々ですが
これらのトラブルは、ここ特有の物では 決してないでしょう。


そのトラブルを、恥ずかしがって 包み隠さずに 注意喚起と言う形で、この本を出された事は とても素晴らしいと思います。

前回の本もそうでしたが、「自分が制作を始めた時に、こんな本あったら良かったのに」と自分達で感じ
それを自らで出したのは とても世界貢献だと思います。
(それを なんとまぁ500円で)


とても良書で、かつ 通販で買えるらしいですので
興味持たれましたら、是非
http://hexaquarker.com/wdwd_shokai.html
 

拍手[0回]

カタテマさんが夏コミに出された同人誌です。
http://d.hatena.ne.jp/wtetsu/20100801

魔王物語物語のつくりかた










作者てつさんが、「魔王物語物語」の制作過程を振り返りつつ、
てつさんなりの制作ノウハウなどについて簡単にまとめた本 との事。


せっき~も、楽しんで読ませてもらったのですが
これまた、内容が詰まりすぎで 16ページとは思えない密度がありました。

このような良書を 200円で出してしまった てつさんの太っ腹ぶりには驚かされます。


勿体ない事に、この本は 今のところ夏コミに来られた 数百人にしか出回っていない事ですね。
きっと、このような内容を喜ぶ人間は もっと居るだろうに
大量生産や、通販がされてないので 惜しいところです。



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てつさんとは、どんな人か?


1ページ目より引用

※ 素人です
※ 余暇だけで制作しています
※ ひとりでつくりはじめます
※ 人脈とカないです
※ 特殊能力もないです



追記すると、当時の てつさんは・・・

・フリーゲーム制作活動を始めて 5~6年目(目算)
・これの前に 「タイムアタック!RPG」と言う、RPGっぽい物を作っています。
・即死系パズルゲーム「愛と勇気とかしわもち」で 既に人気者です。



と、ある程度 ベースがある状態で制作が始まったのが
中~長編RPG「魔王物語物語」です。


ちなみに、タイトルに「魔王物語物語の~」と付いてますが
内容は、一般的なRPGの作り方なので
作品未プレイの方でも 十分楽しめます

プレイをしていると、具体例など 分かりやすいため より楽しめます。



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●目次

魔王物語物語のつくりかた






内容はアバウトに こんな感じです。


・妄想する
  コラム: プロの妄想法
  コラム: 脳内テストプレイ(BGM付き)
  妄想の文章化
・おはなしを考える
  システムとシナリオの癒着
  コラム: システムとシナリオの癒着例
  世界を歩かせるという考え
  世界を構築する
  情報の出し方
  コラム: 外部テキスト
・登場人物を考える
  人物相関図
  登場人物とゲーム的な制限
・システムを考える
  ターゲットプレイヤーは?
  全体の統合性
  勝負どころを見極める
  課題・対策リスト
  コラム: シンプルさと、複雑に見せたいという欲求
・試作品を作る
  コラム: 試作品をつくるかどうか
  コラム: 体験版
  究極の試作品
・チームをつくる
  制作メンバーを探す前に
  コラム: 何をつくるかわかってる?
  制作メンバーを探す
  コラム: メンバー探しの秘訣のようなもの
・チームを運営する
  資料等のデータ共有
  コラム: データ共有のツール
  スケジュールを立てる
  スケジュールは遅れる前提
  製作日記
  という話だったのさ (実際はどうだったか?)
・グラフィックを依頼する
  基本的な流れ
  コラム: キャラクター関連作業の順序
  なるべく背景を理解してもらう
  コラム: キャラデザ二段仕込
  変化をそれなりに許容する
・音楽を決める
  作曲:専用曲の作成
  選曲:フリーBGMからの選曲
  コラム: BGM探しの楽しさ
・ダンジョンを作る
  マップの技術とは
  コラム: マップは夜中に
・数値調整する
  制御の強さと やらされている感のバランス
  計算式 & 感覚
  コラム: 「バランスを取る」
  結局は感覚が重要
・完成まで突き進む
  敵: やる気の摩耗
  敵: セルフ黒歴史ループ
  敵: 完成させたくない症候群
  敵: 目指せ完成度100%
  コラム: 基本は短期決戦
  タイトルを決める
  テストプレイ
  公開する
  最初に戻る


なんか、すごい詰まっています。



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●感想とか、興味深いところ


・「これをやりたいためだけにゲームを作りたい」と思える ””をまず決める

魔王物語物語では・・・ 「1冊の本というテーマ」「ラスボス戦」「いくつかのシステムや設定」
との事


→ ゲームを作る理由はこれだけで十分! と言うノリが個人ゲーム制作の良いところだな と実感



・妄想を文章化

魔王物語物語では・・・ 「登場人物設定」「人物相関図」「年表」「用語集」「マップ接続図」などなど


→ 矛盾を明確化できるので有効! との事ですが
やはり「魔王物語物語」クラスのゲームとなると、本格的に これらの資料を用意しているんですね~



ターゲットプレイヤーは?

もちろん「自分

魔王物語物語では・・・ 今の商業ゲームでは なかなか実現しにくい楽しさを持ったゲームがプレイしたいなぁ


→ わかりやすくて良いですね!
ゲームを作ろうと思ったきっかけは、誰しもが これなハズ

その初心を忘れずに と言うのが良いなぁ と思いました。



・課題・対策リスト

魔王物語物語では、以下の課題をあげました。

 1.回復が強すぎてボス戦が作業になる
 2.回復可能回数が多すぎて探索時の緊張感がでない
 3.ある時点での装備品がほぼ固定
 4.最強装備の組み合わせがほぼ自明

その回答として

1.2. 「空き瓶のようなものシステム
3.4. 「なんでも装備システム

を考案


→ なるほど なるほど



・試作品

魔王物語物語では、「雪花園」まで遊べる試作を作った との事
(それを作った上で、メンバー探しを始めた)


→ もはや、商業ゲーム制作における 試作版とか、プレαと同じ勢いですね!



・制作日記

太っ腹な事に、てつさんが 魔王物語物語 制作当時の制作日記をアップしてくれています。
(アドレスは 同人誌に書かれている)

いいのか? と思いつつ、当時の様子を知る 最高の資料です。

で、読んでみました。


ぐわぐわぐわいんぐわぐわいん

・・・????
気にしてはいけないんだろう

きっと、制作日記はこれくらいでいいんだよ と言う、てつさんなりのハードルの下げ方なのだと思う。


マップ制作作業は、恐ろしいほど 作業な上に大変 だという事がわかりました。

予想していたことですが、しんどい。本気でしんどい。
世のRPG製作者殿は、どうやってモチベーションを保っているのでしょうか。
とりあえず、腕がちぎれてでも1日1マップこなしていこう。
いつかは終わる。

小人さんにやってもらいたい作業ランキングNo.1。



・キャラのデザイン、イラスト、顔グラなど

主人公は 一番最後にお願いする
なぜなら、脇役を先に作ってもらう事で その世界のキャラの慣らしてもらい
最高の形で 主人公を描いてもらうため


→ 脊髄反射的に、「最重要キャラを先に描いてもらう事で、全体イメージを確実にしてもらい~」
と思っていたので、参考になりました。




などなど

書き始めると、それこそ 本の全部になってしまうので これくらいにします。


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●全体的な感想


いやぁ~ とても良い本でした。

作者の目指した 「制作ノウハウをまとめ、個人ゲーム制作者の 何かの助けになれば
に十分かなう本になっていると思います。

繰り返しますが、これが200円は安すぎです!!



その上でなのですが・・・

多分、16ページでは 書きたい事を全部書き切れなかったんじゃないかな~ と思いました。
(そもそも RPG全ての要素を16ページに網羅するのは 無謀だったのか?)

各項目とも 一般論実際、魔王物語物語では? と書くところを 分量の問題か
後者に割くスペースが少なめに感じました。
魔王物語物語を遊んでいない人でも わかるように と言う気遣いかも知れませんが)


他では、ゲームバランス調整の項は、まず 1ページに収められるハズも無いものを 無理やり1ページにしたのかな
もっと書きたい事があっただろう と思っています。


まぁ、そこは 「~つくりかた2」とかに書いてもらう方向で。



こんな素敵な本を出してもらえ、てつさんには 感謝です。
惜しむは この本が、世に限定数しか出回っていない事ですね。



そんな「魔王物語物語のつくりかた」ですが、一点だけ 読む際に注意しないといけない事があります。

それは、”読むと RPGが作りたくなる事” です。





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●せっかくなので、サイン貰いました。

てつさんのサイン






 

拍手[7回]

カタテマさんが作られた アクションパズルゲーム愛と勇気とかしわもち 邂


せっき~ が、頑張って出したハイスコアを公開
(どんなゲームか? は、後日紹介予定)

かしわもち 邂








とくてん  239234
れんさ   
れべる   77


ゲームクリアが 30000点 であるゲームだと考えると、
なかなか頑張ったんじゃないかな? と思います。


制作者である、てつさん からは やりすぎの言葉を貰いました。


このハイスコアを出して、最大の問題は
自分でも、これを超える気が全く出ず、高得点を目指してプレイ出来なくなったことです。

拍手[0回]

プロフィール
HN:
せっき~
性別:
男性
職業:
ゲームプログラマ
自己紹介:
古いパソゲー、ボードゲーム、カードゲームを熱狂的に遊んでいます。


ついったー
http://twitter.com/seki_seki_seki

連絡先は
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