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2010年9月2日 にあった、CEDECの講演についての記事です。


「サカつく」のサッカー試合AIシステム


サカつく」とは?

→ ”プロサッカークラブをつくろう”シリーズ (サッカークラブ運営SLG)

→ サッカーのリアルタイムシミュレーター
→ プレイヤーは、フォーメーションなど 間接的に指示するのみ
  (選手個々の動きに関与する事はできない)


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●サカつく に求められるAI?


・シミュレーターとしての納得感

 強いチームは、勝率が良い
 サッカーらしいスコアになる (1対10 とかならない)


・映像としての面白さ

 サッカーの中継のような ドキドキハラハラ感、カメラワーク


「結果を見る」モードがある

 試合を飛ばして、試合結果だけを見る事が出来る
→ 「試合モード」と試合結果が変わってはいけない

 

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●今までの 「サカつく」試合システムの変遷


1. 完全オーサリング方式
  (オーサリング ・・・ 前もって作ったムービー みたいなイメージ)

 オーサリング済のシーンを 試合場面に応じて たくさん用意
結果に応じて、それを再生する

→ ダイジェストのような試合進行


利点: クオリティーの高い試合シーン
     人間らしい一連の動き    (そのような動きを作っているから)
     複数人が絡むモーション表現
     カメラワークも狙って作れる (オーサリングを再生するだけなので)
     AIが 試合の見栄えに影響しない

欠点: 同じシーンばかり再生される
     展開が読めてしまう

   → シチュエーションの増加 で対応
   →→ 作業コスト かなり大 (いつか破たんしてしまう・・・)

 


2. 完全リアルタイム方式

 アクションサッカーゲーム と同じアプローチ
一人一人の選手が独立した動き


利点: 自由度の高さ
     局面は無限
     先の読めない展開

欠点: 各パラメーター → 物理挙動 → 結果 なので、バランス調整が極めて困難
     処理負荷 大
     「結果を見る」モードの結果同期が大変

 


3. 折衷方式


上記2つの良いところ取りをしよう

1.の 見栄えの良さ、見栄えに影響しないAI
2.の 自由さ

これを活かしたい

 

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●折衷方式 について

サカつくDS で採用


ハードウェアの処理能力の制約
・・・ 全員を賢く動かすことができない

→ どうせなら 球際だけでも うつくしく

 

球際だけ オーサリング方式

ボール保持者最小限の選手” だけに限った小さなシーンを オーサリング

それ以外の選手は、適当に動いてもらう

 

・小さなシーン

スローイング → ドリブルで敵を抜き → パスを行い → ヘディングシュート

上記は、今までのシリーズでは 一つのオーサリングであったが

”スローイング” ”ドリブルで敵を抜き” ”パス” ”ヘディングシュート”
と、4つの小さなシーン とする事にした

 


・プレイセット

同一局面、同一プレーで分岐しえるシーンのセット


例) 目の前に敵が ドリブルで抜く → うまく抜いた!    (成功)
                         抜いたし、相手は転倒 (大成功)
                         ボールを取られた   (失敗)

と言うように、起 となる一つのシーンと  結果となる複数のシーン
それをワンセットにした物

→ 結果は 大成功成功失敗大失敗 の4種類を用意する


評価式 によって、どの結果になるか? を判定する

 


・プレイセット 選択AI

ボール保持者 が、取りえる プレイセット をリスト化

例) 「選手Aへショートパス」「選手Bへロングパス」「前へトラップ」「後ろへトラップ


そして、各プレイセットに 評価点を設定

評価点を重みとした ルーレット方式 で、決定


例)

選手Aへショートパス:  50点
選手Bへロングパス:  20点
前へトラップ:       15点
後ろへトラップ:      20点

→ 選手Aへのショートパス が一番実行される確率が高い サカつく











・プレイセット結果判定

プレイセット固有の判定式から、確率パラメータを計算
(確率パラメーター = オフェンスのパラメータ と ディフェンスのパラメータで いろいろ計算したりする)

レーティング表により、成功結果の確率を得る

サカつく


 

 


・試合ヒストリー構造体

再生するプレイセット 、 その結果
プレイセットをどこ(座標)で再生するか?
プレイセットをいつ再生するか?
プレイセットに含まれない選手がどうしているか? (簡単なAIが どこへ移動するか? など指示する)


これらを 一つの構造体にまとめる

= 試合ヒストリー構造体


試合は、この 大量の”試合ヒストリー構造体”を再生する事で 実現する

 

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●問題 克服された?

・シーン制作工数

オーサリングは敵味方の2人   (旧では、全選手)
分岐数は、1シーンに対し4つ   (旧では、大量)

→ かなりの改善 (旧と比べ、10分の1)

 

・結果のバランス調整

パラメーターによる プレイセットの成否判定 の調整のみで済むため
かなりやりやすい

(蹴った時のボールの動きなどの 物理挙動に振り回されずに済む)

 

・デバッグ・調整の利点

ヒストリのメリット
→ 全てがヒストリに書かれている

→→ バグの再現性向上

→→ ログの分量 減量
  毎フレーム 試合ログを書かなくて良いので (1シーンごとで良い)
  バグが起きた時の追いかけ が かなり やりやすい

→→ 超高速で試合ができる (シーンを再生しなければ 1瞬で試合が経過する)
  その結果、何度も何度も対戦させて 統計データとりやすい

 

・総合して

          オーサリング  リアルタイム  折衷案
見た目     ◎         △        ○
多様性     ×         ◎        ○
結果コントロール  ◎        ×         ○
工程数     ×         ○         ○
レスポンス   ×         ◎        △
処理速度    ◎        △         ○


前2手法は 飛びぬけて良い所もあるけど、弱点がある
折衷案は、飛びぬけて良い所は無いが、全体的に良い感じ

 

サカつく においては、この折衷案が 最適解であったのでは無いか?

 

 


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●質疑応答

・選手の個性は どう表現したか?

プレイセット 選択の際に、どれを選びやすいか? で実現している

(ドリブルを選びたがる、パスを選びやすい)
 


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2010年8月31日 にあった、CEDECの講演についての記事です。


「ライトゲームなう」


ライトゲームユーザーが増加している と良く言うけど
ゲーム業界人が、そのライトゲームユーザーと言うのを 正しく理解しているのか?

その警鐘になれば と言う内容です。



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●ライトユーザー?

家庭用ゲーム 売上減

→ ゲーム人口が減少している と言われているけど・・・


プラットホームが多様化している昨今

→ 実は、ゲーム人口 増えているのでは?



●ライトユーザーの発生はいつ?

PSのゲームを コンビニで発売

PS2が、DVDプレイヤーとして使える

→ とりあえず、PS2 購入

→ ”6800円で100時間楽しめるゲーム”
  ”2500円で2時間楽しめる映画(DVD)”
 どっちを買う? で、後者を選んでしまう

ケータイにJAVA

→ ゲームはこれでいいや




●ゲームを作っているような我々は

ゲームエリートである





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●ライトユーザーを魅了した ヒット作


・チャリ走

チャリ走




当時 素人の大学生が作った ケータイゲーム

→ 横スクロールアクション

ワンキーで、穴をジャンプして飛び越えるだけ

 それだけ


・糸通し

糸通し







プロのiアプリ開発者が 趣味で作った

ボタンを押し離しで 糸を上下させ、針穴に糸をとおすだけ

 非常にシンプル



1ゲームが短い
特に目的なしで遊べる 
(高得点狙い とか、ストーリーとか 無しで)

→ ゲームエリートからすると、「え? それってゲームなの?」って思ってしまう




ライトユーザーに大ヒットしています。
(特に、チャリ走1000万ダウンロードされている)

→ 道端で、女子高生が このゲームの話題で盛り上がっているのを耳にするくらい

→ このゲームを、ゲーム業界の皆さん 知っていましたか?

→ 半分以上知らない
 (僕も、去年のCEDECのセミナーのお陰で知った程度)

→→ ゲーム開発者 と、ライトユーザーギャップが・・・
   ライトユーザーに 何がヒットしているか? 知らずに、ライトユーザーを理解できないですよ




・ひぐらしの なく頃に

選択肢のない AVG (ビジュアルノベル)

→ これを遊んだユーザー (選択肢無いのに)「ゲームらしいゲームを久しぶりに遊んだ
 と言う声が少なくなかった

→ インタラクティブに、話が進んでいく部分に ゲーム性を感じたみたい


ネット連動、ファンサイトで盛り上がり

→ なんとなくみんなで楽しんだ




・選択肢順ADV 「GROW」

GROW






フラッシュゲーム  10種類のアイテムを順番に選ぶだけ
         → その順番で、結果が変わる

女性に 大ウケした


攻略サイトに答えが載っている

攻略サイトの手順どおりに 遊ぶだけで楽しい

→ 何度も何度も 正解の答えを繰り返して楽しむらしい
(攻略を楽しむのではなく、自分のアクションに対する反応を見て喜ぶ)


アニメーションが可愛い

→ それだけで 女性は、「このゲーム面白い!」


ゲームじゃないけど、見ていて楽しそう わくわく感



・脳内メーカー
・Gogle Earth
・ストリートビュー

→ ゲーム性は無いけど 遊んでしまう



・サンシャイン牧場

→ みんながみんな プラスになる要素




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●ライトゲーム とは?

・キーワード

女性が多い
若年層が多い
ゲームのための時間を わざわざ作らない
メールが大切なので、携帯の電池を消費させない (なのでDSは買う)
パケ放題                          (しかし、家でPCを持っていなかったり)
インストール嫌い                     (インストールの意味がわからない)



・×「じっくり」 ○「あっさり」

じっくり ・・・ 面倒くさい
         途中でやめると忘れてしまう

あっさり ・・・ 目先の事をやっているだけで、ゲームが遊べる (最近のFF)
         「もう一度やる」のハードル低く



・×「本格的」 ○「お手軽」

本格的 ・・・ 面倒くさい
        そんなゲーム 自分に向かない
        時間がかかりそう、疲れそう

お手軽 ・・・ 特に説明を必要としない
        いきなりゲームスタートしても、なんとなくプレイできてしまう
        「私にもできそう」感



・×「高いゲーム性」 ○「簡単」

高いゲーム性 ・・・ ゲーム下手だから やってもムダだよね
             考えるのがイヤ
             難しそうで、疲れそう

簡単     ・・・ 私でも勝てそう
           私って ひょっとしてゲーム上手い? と錯覚させる
           失敗を自己責任ではなく (運が悪かったとか)何かに責任転嫁できる


・×「わかりやすい説明書」 ○「説明書なし」

わかりやすい説明書 ・・・ わかりやすい → 本質的には難しい
                 そもそも 説明書が必要な時点で・・・

説明書なし     ・・・ チュートリアルを組み込む
               文字によるガイドはしない (初めの1行で諦める)
               しかし、ナビゲーションキャラのセリフは読んでもらえる
               口コミを想定し、遊んだ人自身が説明できるように



などなど

以下、公演時間が少なくなったので 駆け足に



・×「コントローラーカスタマイズ」 ○「ワンボタン」

→ いつ押せば良いか?、だけで十分である


・×「リアルな」    ○「かわいい」


・×「パラメーター」  ○「チャート・雰囲気」

→ 都合の良い解釈ができる


・×「勝負がゼロサム」 ○「共同、共にプラス」

→ 負けたらイヤ、勝っても気まずい  → じゃあ、やらない


・×「満足感、達成感」 ○「なんとなく」




これが ライトゲームです。



これらを正しく知っていた上で、「ライトゲームは~」と 今まで考えていましたか?




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●ライトゲーム の今後


・オンライン前提のゲームデザイン

非同期であるべき
コンテンツ では無く、サービス


・ビジネスモデル

何で売り上げるか? はっきりさせる
コンテンツの寿命予想の 精度を高くさせる


・最後に

作る人が楽しくないものは、遊ぶ人もつまらない




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●おまけ

・同人ゲーム?

同人ゲーム制作者曰く 「対価を求めず、自分の趣味で作ったゲームが同人ゲームだ

「商業とは違う」と言う事にプライドを持っているのだけれども
コミケで売っている時点で それは”商業”では無いのか?

彼らは かたくなに「売っている」と言う事実に目を背けているけど・・・
 

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2010年8月31日 にあった、CEDECの講演についての記事です。


「次なる高みへ。ゲームビジネスの近未来像」

講演者 (株)メディアクリエイト代表取締役

テレビゲームに特化した、マーケティング会社
 (「テレビゲーム白書」「オンラインゲーム白書」等を 発刊)



様々なリサーチを行い、そこで得たデータから 昨今のゲームビジネスについて



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●テレビゲーム そのものの話

・ゲームは娯楽品、コンテンツ、嗜好品

→ 無いと寂しいが、必要不可欠ではない

→ ユーザーは移り気で、その時の話題性やブームが大きく影響

→→ 需要が不安定




・今までの歴史


3度 大きなゲームのブームが起きた

ブーム・・・ 普段手に取らないような人が、ゲームを遊ぶ


第1次ブーム:1984~1986  ファミコンブーム
第2次ブーム:1996~1998  PSブーム
第3次ブーム:2005~2007  NintendoDSブーム

CEDEC講演

 
 

 



ブームの都度、それはずっと続かず 大きな山と 大きな谷が発生している
ゲームに飽きたユーザーが 次の娯楽へ行く
そう言うものである。


そして、ゲームの娯楽が谷に来ているとき
その代わりとなる、新しい娯楽が生まれている。


例)
第1次と第2次の間: Jリーグ、レンタルビデオ、カラオケ ・・・
第2次と第3次の間: オタク系、お笑い、韓流ドラマ、インターネット ・・・
第3次の後:     SNS、ソーシャルゲーム ・・・



は 第3次ブームが終わった後の 谷である

→ この歴史の流れから見ると、必ず 第4次ブームがある

→ それが新しいハードなのか?
 それとも、スマートフォン?



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●家庭用ゲームと、ソーシャルゲーム

どれくらい被っている?
ソーシャルゲームをしているのは、どんな人?

リサーチ、統計の結果・・・


・全体のユーザー数


家庭用ゲームを遊んでいる人    2496万人
ソーシャルゲームを遊んでいる人  887万人
両方遊んでいる人           437万人
両方遊んでいない人         5317万人



・市場規模

家庭用ゲーム 年間3600億円 → 一人頭 年間 約1.5万円 (ゲーム3本分)


ソーシャルゲーム
 年間900億円 (くらい)

全員が全員、お金を使うとは限らない

→→ お金を払うユーザーは 全体の20%弱 180万人 (実は想像したより多い)
  300円だけ使う人も居れば、万単位うかう人も

→→ 一人頭 年間5万円 (月4000円)  (意外だけれども、ほぼ間違いないデータ)



・ソーシャルゲームにまつわる 人の数
(ユーザーの過去のプレイ状況、将来予測を考慮し 推計
上の数字とは一致しない また別のデータとの事)


両方遊んでいるユーザー

→ 家庭用もソーシャルも遊ぶ(これからも遊ぶ)     580万人
→ 一時的にソーシャルで遊んでいる(その内辞める)  210万人


家庭用ゲームのみのユーザー

→ ソーシャルに興味なし               1940万人
→ ソーシャルに興味あり               160万人


ソーシャルのみのユーザー

→ 家庭用は卒業                    110万人
→ 家庭用は遊んでいなかった            140万人



・ソーシャルゲーム 有料ユーザー

→ 20%
→ ヘビーユーザーが支えている現状


どんな人が ヘビーユーザー?

→ 家庭用ゲームの現役卒業した人

→→ ゲームに対して、お金を払える価値観を持っている人
   課金に対して、抵抗が少ない



残りの8割は?

→ あくまで 無料だから遊んでいる



・家庭用を卒業って?

ライフスタイルの変化で ゲームする時間が無くなった
PS → PS2の移行で ついていけなくなった

→ しかし、ゲームそのものに興味が無くなったわけではない
→ そこで、ソーシャルゲームをやっている(受け皿になった)



・ソーシャルゲームの今後

潜在ユーザー数増えていく

→ 家庭用ゲーム 卒業ユーザーは今後も増えていく
→ 10代若年層ユーザー 大人になっていく
 (子供に課金ゲームをやらせるのは危険だから
 やらせていない親が多い)

→→ 如何に、増えた潜在ユーザーを引き込んでいくか?



しかし、現在の 収益の大半は ヘビーユーザー頼り

→ ヘビーユーザーの維持 が課題



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●ゲームの満足度 について

様々なゲームタイトルのユーザーに対して ヒアリングをした結果 わかった事


満足度偏差値 と言うものを付けている

事前の期待度買った後の満足度次回作購入意欲
の3つで まとめている

満足度 ・・・ ゲーム発売前の期待度と、購入後の満足度 の差分
       (前々の期待が高いと、満足へのハードルが高まる)


例) 

ドラクエモンスターズ ジョーカ2
      ・・・  事前期待 57.1 満足 66.6 次回作意欲 62.1

ラブプラスプラス
      ・・・  事前期待 56.8 満足 67.1 次回作意欲 58.5



●アイデア(創作性) 、 商品性(品質)
と、満足度 との関わり




アイデア(創作性)  満足を高める要素(足し算)

→ あると満足、無いと不満
 プレイ前の評判(事前の期待度) に関わる



商品性(品質)    不満を防止する要素(引き算)

→ 無いと不満、あっても満足に繋がらない (あって当然)
 プレイ後の評価 (満足度) に関わる


この事を知って ゲームを作ってほしい




●プロ とは

ある制約の中で、納得したものを作る
作ったものに自信がある人
遊んでくれた人の満足に責任を持つ人 (責任を持つ意識がある人)

→ プロフェッショナルが作ったものは、市場は歓迎する 
 

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2010年8月31日 にあった、CEDECの講演についての記事です。


オープニングスピーチ

・日本のゲーム開発は、欧米と比べ 遅れている と言われるが・・・

→ そんな事は無い

 

・では、日本は進んでいる?

→ そんな事もない

 

・実情は

日本、欧米、アジア 皆 同じ事で悩んでいる

→ 日本と海外 大きく変わらない


・しかし・・・

情報を共有して、問題解決していく風土

日本人は苦手かも知れない

 

・知ってほしい事


情報・知恵は、自分が与えた分だけ 帰ってくる

出せば出すほど 得


せっかく思いついた事を言ったら、盗まれるのでは無いか?

→ 情報交換で得られるのは 「如何にして」「手段」「how」のみ

一番奥底の哲学を盗まれる事は無い

 

 

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基調講演 「CEDECとは? そのもたらす価値の追求」


テーマ 「CEDECを身近に感じてほしい
 

・日本のゲーム業界は厳しい?

→ もちろん、そんな面はある
 けど、悲観するほどではない

 

・欧米よりゲーム開発は遅れている?

→ 今はそういう傾向にある
 けど、悲観するな

 

・しかし、日本  進化の対応が遅い

→ これを自覚する事!

 

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●ゲームでは無く、IT(情報産業)の話


・欧米と差がついた 1980年 ~ 1990年

→ 今まで、専門家のみが扱っていた計算機を、オフィススタッフが使えるようになった時代


日本はIT分野に於いて、メインプレイヤーになり損ねた
(ゲーム業界と違って、日本はITにおいて 元々メインプレイヤーでは無かった)

→ なぜ?

→ 危機感の欠如  (日本がバブルで浮かれていた時代)
  戦略の欠如   (合言葉は follow IBM トップを追いかける事
             ↑ トップにはなれない思考

→ 課題共有の欠如
  「課題共有」は、個々の企業だけではなく 企業を越えてやらないといけない

→→ 顕在化(共有化)が、叡智を呼び起こす。

   (実は自分も同じことを考えていたんだ
   じゃあ、どうすればいいか 考えよう → 一人で考えるより遙かに有効)

 


・共有化に気付かせたもの

海外だった

国内開発者が集う場所は・・・  ほとんど無し、あっても閉鎖的

海外に目を向けると いろいろあった

HotChips と言う開発者イベント
 (運良く 会社に行かせてもらった)

 

・彼らの考え

情報提供 と ノウハウ保持  相反する問題
もちろん、守秘 ノウハウ保持も大事
アメリカだって、出すことへの抵抗感はもちろんある

バランスを取りつつ
 開発者同士が切磋琢磨する場を非常重視している

→ 自分の経験をオープンした方が、自分の成長に繋がる

→ もちろん、アメリカだって 全て話しているわけではない
 ほんの少しだけの情報だけ、議論を生むには十分である

 1日やそこらで追いつけるわけも無いし
仮に半年で追いついたとしても、その半年で さらに先に進んでいるから

→ 業界に対する貢献
 かつ、業界から フィードバックを受けられる


→ こんな考え方ができるから、アメリカはすごい と当時感じた原体験

 

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●そして、ゲーム業界

今のゲーム業界でも 同じ事を言える


・我々 ゲーム開発は、何をすればよいのか?

→ 成長する可能性を高めたい

→→ 危機感を常に持つ 
  傲慢にならないように (過去、日本はゲームにおいて トップランナーだった)

→→ 閉塞感、停滞感 持つな  (欧米に負けてるんだー と、卑屈になるな)

→→ 進化への認識、進むべき方向性を定める
  業界で危機感を共有し、自分自身で高める  (会社が教育してくれない~ とか、他を言い訳にするな)

 

・良いゲーム

良いゲームとは?
→ 作り手の 独りよがりではいけない

→→ 技術自慢(最高のプログラムなど)は 売り上げには、影響しない
  (ゲーム開発者に陥りやすい問題)

良いゲームとは 売れるゲーム
 (良いゲームだけど、売れなかった な言い訳は、した欲しくない)

→→ プログラマならプログラム、グラフィッカーなら グラフィックと単一の技術のみに陥らず、
  全体的に ユーザーを満足させ、売り上げを上げるため貢献できるようになって欲しい

 

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●CEDEC

ゲーム開発に関わる あらゆる人材を対象

ゲーム開発力の向上を目指す

→ プログラマなら、プログラムをどう活かして 良いゲームにするか?
 を志す人材になってほしい

 (単なる技術屋にならず)

 


・CEDECを身近に感じてほしい
 (特に、今 CEDECに来ていない人に)

そして・・・

 開発者の抱える課題の顕在化
 情報知識の共有
 開発者同士の交流

の場に
 

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2010年8月31日 にあった、CEDECの講演についての記事です。


「キャラクターゲームにおけるメディアミックス
~ 金色のコルダ2「プロジェクトf(フォルテ)」より」


キャラクターゲームメディアミックスって、どうすればいい?


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●ネオロマンス?

コーエーテクモ による、女性向恋愛ゲームの総称

シリーズ 15年目  「アンジェリーク」「遙かなる時空の中で」「金色のコルダ」「ネオアンジェリーク

 

実際やっている メディアミックス


ゲームを中心として・・・ コミック、CD、アニメ、ケータイコンテンツ、グッズ、イベント、舞台

舞台(声優さんを使った演劇) 5000人の席が常に満席
                   4回公演するため、動員数 2万人規模

 

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●どのように組み込んでいたか? (過去)

・5つの部門

「ゲーム部門」、「アニメ・CD・イベント部門」、「ケータイ部門」、「書籍部門」、「グッズ部門」

(グループ内部に、このような部門を持っていたため
メディアミックス展開を ここまで進めることができた)


今までは、各部門が ゲームの後追いで 独自に展開していた。


・しかし、ゲームの連動とのズレ

ゲーム発売後に、各部署が情報入手  それから、企画制作

→ その結果・・・ 新シリーズの開始時に、旧シリーズのアニメ化


話題性の分散、世界観の乱立の結果 ユーザーも どれに集中すればよいか? 混乱する
(ゲームへの宣伝効果にもならなかった)

 

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●体制を改善

IPプロデューサーを 設立

IPプロデューサー中心としてまとめ、各部門が連動して企画を進めるようになった

週1度、IP会議を行う  (IPプロデューサーと、各部門の担当者 が会議)

 

・目指した物は、連動効果の実現

→ 早くから、ゲームについて 情報共有

→ スケジュール面での話題性の盛り上げ
 多角的視点からの世界観の統一


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●実現例) プロジェクト フォルテ

・「金色のコルダ」 PSP移植版

移植 + 新キャラクター + 新シナリオ

→ IP全体での、初の 連動プロジェクト
  新キャラクターによる、新展開

 

・連動1:ユーザーの興味に沿った、商品スケジュール


プロジェクト告知

        ドラマCD   ・・・ ゲームのプロローグ部分
        ケータイドラマ
          → ユーザーを わくわくさせる


ゲーム発売直前
        コンサートイベント
         → 話題性の盛り上げ


ゲーム発売直後
        グッズ、小説発売
         → もっと深くキャラクターを知りたい と言うニーズに向けて

 

→ ユーザーの楽しさが続いていく と言う展開を目指した
→ ゲームと同時に進める事で 実現できた

 

・連動2:キャラでリンクする、多角的展開


新キャラクターを中心に

 ゲーム   ・・・ 恋愛ストーリー
 アニメ   ・・・ 対立ストーリー
 小説    ・・・ 過去のストーリー
 ドラマCD ・・・ 日常の人間関係

様々な展開を楽しめるような (ゲームと がっちりリンクした)商品展開
ユーザーに大好評


(プレイヤー1人称視点である)ゲームでは表現できない内容を、他のメディアでフォローできた。
→ キャラクターに厚み、世界観を深められた。


ゲームに出てこないような設定を監修しないといけないと言う、開発の負担増にはなった
→ しかし、ゲームにとって 大きなプラスになった

 

・連動の結果

各部門、10% ~ 30%の売り上げアップが実現

→ 各メディアのお陰で、ゲームそのものへの興味につながり
 ゲーム「金色のコルダ」の売り上げも 増加

 

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●まとめ

メディアミックスで 大切な事

・メディア間の協力態勢

タイミング (可能な限り、同時期展開を)

多角的で新鮮な展開 (ゲームと同じ内容のアニメをする みたいなマンネリでは無く)

・ゲームで語られる部分以外にも 広い視野で世界構築


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●質疑応答

・IPって?

Intellectual Property (知的財産) の略

→ このプロジェクトでは、キャラクター・世界観 全てに価値がある 
 として、この言葉を使っている
 

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自己紹介:
古いパソゲー、ボードゲーム、カードゲームを熱狂的に遊んでいます。


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