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2010年8月31日 にあった、CEDECの講演についての記事です。
It’s a showtime!! -DISSIDIA FINAL FANTASYのAI設計-
ディシディア ファイナルファンタジーの 話です。
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●ディシディアのAIで 求められたもの
短いバトルで 個性を演出
アクションとして 手ごたえある強さ
多彩な キャラバリエーション
(キャラの例 すぐ目の前を攻撃したい奴、十分 力を溜めてから攻撃する奴
防御しながら攻撃、避けながら攻撃、罠を張るやつ などなど)
・忘れてはいけないこと
→ このゲームは FFである。
(FFが好きな人が 買うゲーム)
→ 重要なのは キャラクターを魅力的に見せる事
・AIを作る上で 気をつける事
→ 伝えたい事が多すぎると、伝えたい事が伝わらない
→ 時間を区切り いつ、何を見せるか? はっきりさせた
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●分けて考える
ディシディアのAIでは 大きく”性格” と ”スキル”の2つに分けています。
・分けて考える以上 互いが影響を与えあってはいけない
ひとつの行動を 複数の理由から結びつけると
その結果が どうした理由でそうなったのか? わからなくなるため
・性格と スキル
性格 ・・・ どういった行動をするか? (どこに移動するか?、どんな行動をするか?)
スキル ・・・ バトルの操作テクニック (その行動を どう行動するか?)
具体的には
性格 ・・・ 様子見するかどうか?
残りHPによる、行動の変化
状況に応じて、どんな攻撃をするか?
→ 例) ピンチになると 「ボタン連打」「けん制攻撃をし続ける」「回避し続ける」
スキル ・・・ 回避、ガード を、どれくらいするか?
どの距離で、攻撃するか?
相手のスキに対して、攻撃するか?
苦手な距離に敵がいる場合?
→ 例) 「正確な距離で攻撃する」「スキをわざと見せる」
キャラクター性は 性格・スキル に影響を及ぼさないようにする
AIで弱いキャラクターを演じる場合、「強い攻撃を出さないようにする」と言う設定を わざわざ作らない
→ ディシディアでは、技の装備を変える事ができるので 弱いキャラの場合 そもそも強い技を装備させない
→ AIは、今 装備している技の中で 戦う
・AIとは 揺らぐものです。
なので、作り的に 何で揺らいでいるのか? を明確にしないと 良く分からないものになってしまう。
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●データ と プログラム
・データ化する利点
新しいキャラクターを作る際 AIを作りやすくするため
(プログラマが作業をしない)
トライ & エラー が簡単
・4つのパラメーターのみ
得意な距離
攻撃射程
どう回避するか?
状況に対する行動
・プログラムで組んだ方が良い場所
どう移動するか?
→ 移動は ナビゲーションメッシュ による経路探索
目的地に 一直線に移動するのではなく 周りこみながら移動している
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●データ の実例
・攻撃の設定
有効距離(min/max) 有効高度(min/max) その攻撃の有効な対処法
ファイガ 16 , 30 -10 , 3 横に避ける
プチメテオ 10 , 100 -10 , 10 ガード
・状況によって 攻撃的/通常/守備的 の指針
100% 85% 35%
100% 守備的 守備的 守備的
85% 攻撃的 通常 通常
35% 攻撃的 攻撃的 攻撃的
(横軸 自分のHP 、 縦軸 敵のHP)
(実際の ディシディアでは ブレイブ値 と言うのも考慮の対象になるが
本講演では 割愛)
・指針による攻撃選定確率
蹴り ファイガ 旋風剣 プチメテオ
攻撃的 20% 30% 40% 10%
通常 40% 10% 30% 20%
守備的 10% 70% 10% 10%
・行動セット
細かい行動 を組み合わせる事で ワンセットにしたAI行動
行動が決定すると、この行動が 実行される。
例) HIT&AWAY 行動
離脱 → けん制待機 → 接近 → 攻撃
→ この行動 全体で 5~6秒
・基本的には
移動して 攻撃する物である。
→ しかし、例外として 割り込み と言う概念がある
・割り込み
自分のやりたかった行動が なんらかの事情で実行できなかった
より大きなチャンスが生じた
大きなリスクを感じた
→ その際、割り込みが発生し 別の行動を行う
・ツマらないAI?
攻撃頻度が低い敵は ツマらない
→ 待機行動は 控え目に
・防御アルゴリズム
反射型で作成
→ 相手の行動を見てから 判断
ディシディアのゲーム性として 出の遅い攻撃、必殺技は 見てから避けられる ため
また、技が多すぎて 「この攻撃に対して こう対処すれば良い」と言う事を 汎用的システムでカバーする事ができなかった
→ 問題点 技ごとに 対応を用意する事になるため バグが多い
(例 エクスデスのガード攻撃に ちょっとしたバグがあった
結果、かなりのユーザーが エクスデスを相手に経験値稼ぎ が横行した)
超反応 と言われた。
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●AIのバージョンアップ
海外版 「ディシディアファイナルファンタジー ユニバーサルチューニング」
にて 改良をしました。
・反射型アルゴリズム の反応を遅くした
→ 当然、AIが弱くなった
→ 学習型アルゴリズム を実装
(その学習は その試合のみ
戦闘が終了すると その学習は リセットさせた)
攻撃の前に 先だし回避、ガードを行うようにした
→ 回避なのか? ガードなにか? は、これまでのプレイヤーの行動を分析して決定
→ その回避、ガード が失敗したなら 次第に その選択をやらせないようにした
→ ちょっとした改造ではあったが、AIの質が 劇的に上がりました。
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●質疑応答
・AIについては 何を参考にしたか?
→ AIの資料が 全然なかったので とても苦労した
スマブラを参考にした。
→ スマブラで CPU同士が対戦している姿を永遠と眺め AIの動きを読み取った
2010年9月1日 にあった、CEDECの講演についての記事です。
人を楽しませるプロデュース
パネルディスカッション です。
ディスカッショナーは、
スクエニの ディレークター、プロデューサー (ドラクエ)
ポケモンの CEO
の3人。
ディスカッション中の 面白かった部分、やりとりのまとめになります。
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●人を楽しませるためのポリシー
・自分を楽しめるものを作るのが 一番 (ポケモン)
→ きっと、それがみんなも楽しんでくれるハズだ
できるだけ多くの人を楽しんでもらうためには、
全年齢(CERO:A)の物を作る。
→ 暴力表現や、性表現が無くても 十分にユーザーを楽しませる事ができる
→ 年齢指定を入れる事で、開発当初から 何割かのユーザーを対象外にしてしまうのは 作っている方からしても、勿体ない。
・”ありそうで無い”を刺激する事 (ドラクエ)
独創的すぎると、みんなが良くわからない で終わってしまう。
ユーザーの多くが 「こういうのあったらいいのになぁ」と思うところを踏襲しつつ
実は中身で斬新な事をしている
それで、ユーザーを引き込みたい
・ポケモンのIPで楽しませるプロデュースとは?
ポケモンは ゲーム以外に、アニメ・映画・カードゲーム・グッズ・ポケモンセンターなど
幅広く展開している
しかし 原則、"ゲームからスタートし ゲームから全て物が広がっている"
→ 「ゲームが始点では無く、ポケモン全体でプロデュースしているかと思い 驚きました」
→ ゲーム制作者も、様々なメディアから入ってきたユーザーを意識して 広いゲームの作りはしている
しかし、ポケモンの ディティールなど 濃い部分は 全てゲームの中にある
・ドラクエは?
開発者自身も、ドラクエは 元々はファンとして楽しんでいた。
そこから開発へと移ったわけであるが、そこで大事にしているのは
「当時 原体験で得たドラクエの感動は 自分の中にあり、それを決して忘れない
それを今の人にも、より パワーアップして伝えたい」
→ ドラクエを壊すわけにはいかない
また 今の人は、ドラクエをどう見ているんだろう? と、研究している。
・ポケモンに対して悔しい (ドラクエ)
自分達が子供のころは、皆 ドラクエを遊んでいたのに
今の子供は、ポケモンを遊んでいる。
・(株)ポケモン と言うのが凄い
ポケモンのIP(知的財産)を 毎日 専門的に注力しているスタッフが居る。
→ ドラクエでは そこまでできない
スクエニは、ドラクエもあり FFもあり と、ドラクエのみに注力できていない
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●プラットフォーム?
ポケモンは 任天堂ハードのみで開発していて
そのハードの中で、最大の内容を目指して開発している
ドラクエは その時、一番普及しているハードに提供する。
(ドラクエは面白ければ良い、 テクノロジーによらない)
・ポケモンは ハードウェアに依存した作りである
(DS、DSiに特化したゲーム性)
→ マルチプラットホームには できえない作りになっている。
(ポケモン ダイヤモンド/パール を、そのまま PSPのゲームにはできない)
・制限がある方が、面白いものを作れるのではないだろう?
堀井雄二 や、すぎやまこういち は 昔から、制限の中で 試行錯誤の中 素晴らしいものを作ってきた
→ 制限あるからこそ、研ぎ澄まされる物があるのでは?
(クリエイターが 輝く?)
・ドラクエ8は、ROM容量に余裕があった (DVDなので)
ドラクエ9は、かなり ROM容量ギリギリだった
DSのROMで 容量を増やしてしまうと、製造の値段が上がってしまう
→ 「お客さんに 跳ね返したくない」
→ 容量増加により、高いROMを使用 → 値段アップ
と言う事はしたくない
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●すれ違い通信
・ルイーダの酒場に対しては 悔しかった (ポケモン)
すれ違い通信でのアプローチは ポケモン綿密に作り上げたし ドラクエより早かったのに
「ルイーダの酒場」ほど 流行らなかった
→ なにが負けたのか?
→ 同時期に遊んでいる人の数が 違っていた
遊んでいる人の中で、声が大きい人が多かった
→ それがドラクエ
ポケモンは、非常に長く 遊んでもらえるようにはしているが
同時期に、多くの人が いっきに遊ぶような環境を用意していなかった
→ ポケモンに足りなかったのは ここだと理解
次は、ここをより強化した物を出そうと思っています。
・ドラクエのすれ違い通信について
ユーザー層も ドラクエに強みが
→ ユーザーの年齢層が高い = すれ違い通信をするために、一番面白い環境を持った人達である伊
移動する事が多い、ターミナルに集中する
子供たちの場合、狭いコミュニティ いつも同じ人とばかり になってしまう
→ ドラクエのすれ違い通信 については、それ程気合いを入れて作ったわけではなかった
(ポイントは押さえていたけど)
→ ドラクエにおける コミュニケーションの中心は
「レベルいくつまで行った?」 「どこまで進んだの?」
それを すれ違い通信で見れるようにした
+
すれ違い通信の結果が、ゲームにフィードバックする (たからの地図)
→ mixiの楽しみも参考に
あしあと数 みたいな感じで、すれ違い数 の数字を増やしていく事も入れた
(ただ単に その数を増やすだけで 楽しくなる)
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●長く売る事
・ポケモンのロングセラーの秘訣
ドラクエ9は 「すれ違い通信」「毎週 クエスト配信」と言う 新しい試みを追加
→ 今までのドラクエには無い 売れ行きの長さを実現する事が出来た
→ しかし、ポケモンほど 常にランキングに出続けるようにはなっていない
→ ポケモンとの違いは どこなんだろう?
その答え
→ 「株式会社ドラクエ」 が無いからです。
→ 「株式会社ポケモン」が毎日やっているのは、
アニメ・映画・カードゲーム等 全てとゲームを連携させ ユーザーの興味を絶やさないようにしている。
・ポケモンのマルチメディア展開って 「赤/緑」の発売当初から考えていましたか?
→ 全く考えていなかった
カードゲームだけは、出すことは決めていた
・ポケモンのマルチメディア化が始まったとき
参考にしたのは 「ダイの大冒険」
ドラクエの漫画でありつつ、ジャンプの漫画でもある事
テレビアニメ化、映画化もされた
→ それを とても研究した
→ どのように始まり、どのように終わったか を注目し
(言い方は悪いが)そうならない様に どうプロデュースするか? 考えた
→ アニメを展開し、視聴率が落ちたり 1~2年放送して一段落して終了
だけは したくなかった
→ なぜ、アニメを始めたのか?
続編の「金/銀」を出す時、あらゆるメディアを用い その盛り上がりを最大限にしたかった
・マルチメディア展開による ゲーム側の制限はあるのか?
アニメの連動などにより、ゲームに影響ないのか?
→ すごい大変です。
結果として、つじつまがあっています。
→ 実は、裏では 言えないような すごい大変な事が起きたりしました。
→ 同時進行でやっています。
どっちかがこけると 共倒れになってしまう。
講演者は mixiの中の人です。
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●何が違うの?
・カジュアルゲーム 誰でも簡単に遊べるベーム
短い時間で 十分楽しめる
ちょっとした空き時間で 気軽に遊べる
→ 既存のゲームマーケットと 衝突する
→ ゲームを広げるためには、広告を打つなど 莫大な宣伝費がかかる
・ソーシャルゲーム ソーシャルアプリの 1ジャンルである
誰でも簡単に遊べるゲーム
ゲームを通じて、友人とコミュニケーションを楽しめる
→ 既存のゲームマーケットと 喰い合わない
→ 友人同士の口コミで広がる
カジュアルゲームとの大きな違いは、コミュニケーションである
・海外で最も活躍されている Zynga社のコメント
成功するソーシャルゲームは、友人とプレイして 友人と楽しめるものである。
コミュニケーション手段は必ず用意されていて、ゲームが楽しいのはもちろんとして 友人とのコミュニケーションの楽しみ を如何に用意しているか?
同じコミュニケーションをし続けていると 当然飽きてしまうため、新しいネタを提供していく事も重要である。
・(閑話休題)mixiについて
月間ログインユーザー 1430万人 (ほぼアクティブユーザー)
(登録ユーザー数は 2102万人)
ユーザー数は、モバイルとPC が半々くらい
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●良いソーシャルゲームとは?
・誰もが楽しめるものでないといけない (難しくて離脱する事があってはならない)
・アプリの外で コミュニケーションができるもの
例) サンシャイン牧場
次の日、会社に行って 「昨日、虫入れときました」 とか言える事
・リテンションの高さ (ゲームの継続意欲維持)
→ 友人関係があるので 辞めづらい
→ 常に 機能追加や、アイテムを追加し続けて 興味を続ける
例) サンシャイン牧場が mixiアプリで一番の理由は
「友達がやっているから、辞めづらいんだよね」
「ずっとアイテム買ってきたし、辞めるのが勿体ないから」
・FaceBookの例
アプリ人気 1~5位が シンプルなソーシャルゲームである
逆に、かなりの開発費をかけて作成した大作 「FIFA」は 奮わなかった。
・mixiの例
同様の傾向がある (1位は サンシャイン牧場)
しかし、「怪盗ロワイヤル」と「ブラウザ三国志」のみは 例外で
コミュニケーション要素がメインでは無いに関わらず、ゲーム性が高いため 人気
・人気のゲームは?
口コミが強い → ユーザーが多い → ランキングの上位に来る → 更にユーザーが伸びる
・ゲームをした事が無いようなユーザーをどうやって獲得する?
こんな事例が
5人の1人が、Facebookで ソーシャルゲームを楽しんでいる
その中の 2000万人(35%)は 今までゲームを触ったことが無い人
(良いゲームを用意さえすれば、遊んでもらえる)
かつ、その内の 1200万人が 「課金をした事がある人」、または 「課金をしたいと思っている人」
→ 新しいマーケット対象になりえる
・やってはいけない事 5ヶ条
1.ソーシャルアプリをプロダクトとして扱う
→ あくまでサービスである
アップデートや機能拡張、季節イベントなど 常に きめ細やかなメンテを
2.運営(カスタマサポート、インフラ)を おざなりにする
3.中途半端な状態で (β版) リリースする
→ はじめから 100%の物を出して、如何に100%を維持していくかが大事
→ 一番多くのユーザーが目にするのは リリース当初
そのタイミングで、80%の出来だった場合 ユーザーはがっかりして二度と来なくなる
4.プラットフォームチューニングを しない
→ facebookの物を そのままmixiに持ってこない事
5.○○のクローンゲームを作る事
→ 2位は 決して1位に勝てない
(2位以下は 大きく水をあけられる)
→ ソーシャルアプリは 1位が寡占するような業界である
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●マネタイズ
ソーシャルアプリならではの マネタイズ法があります。
・ソーシャルゲームのライフサイクルは長い
初めの数ヵ月は 上昇期として ユーザー数がどんどん増えていく
その後、維持期に差し掛かり 長く遊んでもらえる
→ 良質なアプリは ユーザーが長期間離脱しない
維持期のユーザーは 中毒性を持って遊んでいるため 課金してもらえる
上昇期に課金をするのがいけないわけではないが
維持期に どのような課金をするか? が重要である
・有効な課金金額
ゲームの序盤に買えるものは 非常に安いアイテムにする
→ 回復したり、ゲームの進行に有効なもの
ゲームをある程度遊んだユーザーには 衣装や壁紙など デコレーションアイテムを売る
→ エゴや 自己表現を刺激するものであり、ある程度高いものでも買ってもらえる
→→ ゲーム時期に応じて 買えるアイテムを調整するのが重要
さらに、「ここまで進行すると このアイテムが買えますよ」と前もって告知する
→→ そうすると、「それが買えるようになるまで 頑張ろう」と、ゲームのモチベーション向上にも繋がる
・カジュアルゲームと 課金に対する違い
カジュアルゲーム ・・・ 快楽のための消費 (ゲームをより攻略するため)
そのゲームに没入してハマっている人がターゲット
ソーシャルゲーム ・・・ 友人とのコミュニケーションのため = 必要経費
(払う事に対する 抵抗が低い)
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●その他
・mixiアプリ内での 広告報酬
以前 PV単価 0.02円 ~ 0.06円
ユニークユーザー数 0円
改定後 PV単価 0.004円
ユニークユーザー数 0.37円
PVによる収益がメインだったのを
PV単価を減らし、ユニークユーザー数を大切にする事にした
→ 診断系のアプリは はじめの数週間 ユーザー数が跳ね上がるけど
時間が経つと PV数がどんどん下がっていく
以前の報酬制度では とても不利だったため、診断系でも その分の報酬が入るようにした
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●まとめ
・最近 ソーシャルゲームも競争が激しくなってきた と言われます。
→ しかし、コンシューマーゲームや オンラインゲームと比べると まだまだブルーオーシャンである
・ゲーム会社の方々だからこそ 作れるソーシャルゲームがあるハズです。
→ 世界を見据えた作りに
→→ 5億人規模のマーケットがそこにあります
→ 今までにない楽しみ方の創造に期待
・ソーシャルゲームは 今、海外がかなり先行されています。
→ 今まで ゲーム制作で培われたノウハウを 是非ソーシャルアプリの世界でも
日本初のソーシャルゲームを作りましょう!!!
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●質疑応答
・スタートダッシュに失敗し、埋もれてしまうゲームもあると思います。
再浮上させたければ、どうすれば良いか? それとも畳んで新しいアプリに取り掛かった方が良いのか?
→ 何か機能追加やバージョンアップをした際は mixiの方へお伝えください
それが良い機能だった場合は、オススメアプリとして 取り上げで、再浮上のきっかけを用意します。
→ 他で見る例 としては、瞬間風速の大きい診断系を作成し
その診断系アプリから、目的のゲームへ リンクを貼る と言う事をしている所もあります。
・mixiは 今後、ソーシャルアプリのみに注力する予定ですか?
→ mixiは コミュニケーションを提供していく事を目的としています。
そのための ソーシャルアプリである
今後とも、コアサービスを どんどん向上させていく予定です。
→ (2010年)9月10日に mixiから大発表があるので楽しみにしてください
「シングルスレッドからマルチスレッドへ」
コーエーで、無双シリーズで リードプログラマをされた方の講演です。
(キャラクター制御を多く担当)
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●なぜ 大量のキャラを表示・制御が必要?
とにかく 出せるだけ出そう と言うスタンス
(何千人ものキャラを表示・制御)
→ 合戦シーンを リアルタイムに、インタラクティブに (歴史SLG)
→→ ゲームの世界を成り立たせるため
→ 一騎当千 を実現するために (無双シリーズ)
→→ ゲームをより面白くするため
しかし、問題が・・・
大量の処理時間
→ 処理落ち との戦い
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●できるだけ処理しない
・処理するものを限定する
→ カメラによる クリッピング、LOD に似ている
(LOD ・・・ Level of Detail 遠くにあるモデルは、どうせ良く見えないので ポリゴン数を減らし 描画負荷を軽減する方法)
→ その考え方を応用
・カメラクリッピングの応用
視野外の兵士達 ・・・ 大ざっぱに動かす
→ 何人かまとめて、集団で動かす
視野内の兵士達 ・・・ 単独で動かす
→ 兵士達は 基本的にグループに属すようにする
普段はグループとして動き 必要があるときのみ、単独で動けるようにする
これを利用する事で、ゲームに出てくる兵士は 何千人いるとしても
基本はグループのみで扱う事で、最小限の処理に留める事ができる
→ 大きな処理軽減に繋がった
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●処理が落ちている状況を把握
・その状況に応じて、効果ある対応を模索
例: エフェクトが出すぎ、草木アニメが多い場所、兵士が多すぎる場所
全てに対して、問題が無くなるように削っていってしまった場合
ほとんど何も出すことができなくなり、面白味のないゲームになってしまう
→ 問題が発生してから、その都度対応するのは キリが無い
→ 事前に、判断材料を用意する。
そして、対応策のパターンを作る
ケース1. 草木が多い場所 (草木のアニメが重い)
→ マップデータから、そう言う所がどこか? 判断できる
→ 草木のLOWモデルを用意して、ここでは それを描画する
ケース2. 兵士が多い場合
→ ゲームの進行状況 で判断できる
→ 多くの兵士がぶつかり合うような場所には、重いオブジェクトを置かない
(大軍と大軍がぶつかるような場所では、単なる広い平坦 にしてしまう)
たくさん兵士がいる場合は、LODの判断基準を動的に変えれるようにし
少しでも遠くにいる兵士は、LOWモデルにしてしまう
ケース3. 画面中がエフェクトだらけ
→ 必殺技中 などで起きる
→ エフェクトが かなり派手に出ているので
奥にいる兵士は、どうせ見えないので 表示しない
このように、問題が起こる場所に その都度 ベストな対策を施す事で
普段の ”たくさん出す”を阻害することなく 処理軽減を図る事ができます
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●マルチコア
これだけ工夫してきたのですが、ハード性能の向上の結果 モデルのスペック増加
→ 上記の工夫だけでは、どうしようもありませんでした。
→ マルチコアに対応
・シングルスレッド時の パフォーマンス
ゲーム制御・UI 5%
ゲームアルゴリズム 10%
キャラクター制御 20%
キャラモデル・モーション 20%
その他(マップ、エフェクト) 15%
ドローコール 30%
(制御する兵士は 250人)
→ 全体的に 均一に処理負荷が分散していた
・無双シリーズ 特有の問題
既に(シングルスレッドとして)完成している物を マルチスレッドへ移行しないといけない
→ 一から作るよりも とても大変
・依存関係のある直列なプログラムを 並列化しないといけない
難易度 低 モーション制御、描画処理
難易度 高 当たり判定、キャラクター制御
つまり、前の兵士の変更された内容を参照するような処理(異動後の座標とか)
は、依存関係ができているため 並列化が大変
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●マルチコアへ対応
・お互いの依存関係を切る
初めから 念頭に置かれて設計されていたなら 問題無い
→ 過去からのソースなので、安全に手を入れるのが大変
・マルチスレッド化するための プログラム手法
変数退避型処理へ (1フレーム前をバッファに退避、その数字を参照するように)
処理細分化
同期をとる事は大事
→ 兵士Aの座標を取得したくても、兵士Aの座標計算が終わっていないかも知れない
そんな問題が起こらないように 必ず同期は取る事
(下の図の例で言うと 座標計算は Aの処理内で済ませておく
そうすると、B,C 内で 他の兵士の座標を取得できる)
・最終的に ↓のような形になりました。
・結果
ゲーム制御・UI 5%
ゲームアルゴリズム 10%
キャラクター制御 2%
キャラモデル・モーション 3%
その他(マップ、エフェクト) 15%
ドローコール 65%
並列処理した キャラクター制御、 モデル・モーション の負荷が激減
6~7割を ドローコールへ回すことができるように
60fpsが 楽勝で出せるように
→ 半年かけて、並列化したが その苦労が報われた
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●今後の課題
大規模なプログラムの マルチスレッド化は 必須
オフロード環境の構築と、設計思想の浸透が大事
プログラマのみでなく、プランナーも 並列化を考慮したゲームの設計に臨むのが好ましい
2010年9月2日 にあった、CEDECの講演についての記事です。
怪盗ロワイヤルができるまで、できた後
講演者は 「怪盗ロワイヤル」のプロデューサー兼エンジニア として、企画・製作に携わった方
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●怪盗ロワイヤルの概略
2009年 5月末 企画スタート
8月上旬 社内βリリース
9/25 モバゲーβ テストリリース
10/7 正式リリース、課金開始
12月 mixi版、テレビCM開始
2010年 4月 チーム戦イベント
5月 戦国ロワイヤル
10月 Yahooモバゲー版 (予定)
ちなみに 2009年10月 ~ 11月は、忙しすぎて 会社から家に帰られませんでした・
●2009年当時 の状況
会社の売り上げ 2008年 ~ 2009年中まで 横ばい
→ 成長を目指し、ソーシャルゲーム分野へ
社内のリソースを大きく投入
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●怪盗ロワイヤルの企画ができるまで
他部署より、いきなりゲームに投入されました。
ゲームの事を右も左もわからない状態でスタート
(ファミコン以来 ゲームをしていなかった
モンハンをプレイして、ゲームのあまりの進化に感動した)
・企画 ・・・ 1週間
多くのソーシャルゲームを研究 「面白い」ポイントを深掘
ラフ案を 20~30個 考えた
(4行 ~ 30行くらいと 本当にラフなもの)
→ スジのよさそうなものを 2、3個ピックアップ
・設計 ・・・ 2~3週間
ゲームの構造を詰め、企画書を作成
→ 社内に見てもらった
→ 企画書段階では、全くウケなかった
「よくわからん」
「端的に言うと、面白くなさそう」
「う~ん、どうかなぁ・・・」
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●怪盗ロワイヤルの企画の狙い
・ゲームゲームしている物にしたくない
2~3時間に1度 1分くらいポチポチやれば、継続的に楽しめるものに
・「盗む/盗まれる」を重要なキーワードとした
→ 幼少時の(友人同士のいたずら) ドキドキ、ハラハラ感の体験より
→ ゲームの柱 とし、企画で迷った際 このキーワードに合うかどうか? を最優先にした
(いくら面白いアイデアでも、このキーワードを阻害するものなら採用しない)
・ターゲット 一般向け (= not ゲーマー)
やや男性寄りだが、女性も狙いたい
・ゲームコンセプトに即した世界観
→ スタイリッシュ、 ×泥棒 ○怪盗
→ デザイナーも 100人以上の中から、ぴったしな人を探した
・ゲームのコア要素は何か?
1行で答えられるように、制作者はあるべきだと考える
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●怪盗ロワイヤル 開発開始
・初期開発 ・・・ 1ヵ月
企画書では いくら説明しても伝わらず 進まない
→ 埒が明かないので、とにかく「作ってみせる」
・社内β完成
作った物の やっぱりウケが良くない・・・
→ 仲間や相手が居ないので、ソーシャル性が成り立たないから?
パラメーターの チューニングがおかしい?
ゲームの根幹要素が 崩れている?
→→ 「詰らない」に いちいち凹まない
→→ とにかく、ユーザーが ”どこの何に”引っかかっているか? 見極める
トライ&エラー 特にボス戦は、作っては壊し 作っては壊し
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●怪盗ロワイヤル βリリース
形になってきた
しかし、何をするゲームなのか 不明瞭だった
・チュートリアル 最初の5分で、ユーザーに何を伝えるか?
→ 世界観? 基本操作? ゲームの本質的な楽しさ?
→ それを どう伝える?
→ モバイルゲームは 基本0円
→→ 初めの5分で、「このゲームは自分に合わないなぁ」と思わせた瞬間
このゲームは終わってしまう
→→ 初めの数分で、ゲームの本質的な楽しさの片鱗だけは 感じさせるようにしないといけない
・チューニング
パラメータ、画面遷移、基本構造 徹底的に見直した
→ ユーザーがどこで”詰まる”のか? 調べる
→ 調整については、エンジニアが調整できる体制を取るべき
→→ リリースした後は、何かあった場合は いち早く対応しないといけない
エンジニアが調整するようにするのが 最速なので
・そして リリース
→ 想像以上の反応
(怪盗ロワイヤル単体の数字は非公開なので、会社全体の数字になりますが)
売上が 3週間で 3億円 (それ以前は 3ヶ月で1億未満を前後だった)
総PV数 4.5億PV
→ 急速にトラフィックが伸びたので インフラ問題が
(データベース、キャッシュ、メモリの使い方を改善
サーバーの追加、それを置くために 社内の工事をしたり)
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●怪盗ロワイヤル ヒット後
・トラフィックの伸び
モバゲー全体のPVが・・・
170億PV(9月) → 380億PV(12月) → 740億PV(7月)
・ユーザー対応
当初、開発2人のプロジェクトだったが・・・
→ カスタマーサポート
→ イベント企画・準備
→ バグ対応
→ マネージメント力、運営能力が必要
→ ここが用意できなければ、ロケットスタートしたは良いが 先細りしていく物になる
・売り上げ
会社全体で・・・
85億円 (2009年 第2期)
116億円 (2009年 第3期) ← 怪盗ロワイヤル リリース
190億円 (2009年 第4期)
240億円 (2010年 第1期)
急成長を実現した
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●学んだこと
・100万人登録で 1億円売り上げを実現するための目安
継続率 ・・・ 登録後7日後 30%~40%
登録後14日後 25%~30%
登録後30日後 20%~30%
課金率 ・・・ 5~10%
課金単価 ・・・ 毎月 1500円 ~ 3000円
・ユーザーリテンション(継続率)を上げるには?
画面繊維ごとに、脱落状況をチェックし 修正
→ webサービスであれば、当然の手法
繰り返す行為が 面白いか?
→ ツモ要素、うまくなっている感覚
(もう少しで、レベルアップする! など)
→ 如何に、常にユーザーの目の前に にんじんを吊るし続けられるか?
・課金効率を上げるには?
ユーザーがシンプルに効果を実感できるか?
→ ○○のパラメータを上げたければ、△△をする事だ
△△する事に便利なアイテムを 課金アイテムに
→→ とするよりも、○○を直接上げられるアイテムが喜ばれる
目標間が適切か?
→ レベルアップまでの間隔が短い場合 「課金なんて してられない」
長い場合 「ゆっくりしよう」
→ ちょうど良い目標を (何が正解か? は難しいけど)
焦らせ要素があるか?
→ あと少しで、○○なのに
今しか、△△できない と 焦らせると良い
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●怪盗ロワイヤル の初期企画書 を公開
撮影、公開禁止な内容なので 詳しくは書けません
タイトルは「GOD HAND」
「盗む/盗まれる」は 初めから重要視されていた
組織要素があった (複雑だから削った?)
→ 基本は抑えているけれども 、今とは だいぶ違う
企画書にとらわれない ものづくり
作りながら考えるのが、ソーシャルゲームつくり(の醍醐味) です。
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●質疑応答
・怪盗ロワイヤル の類似ゲームが たくさん出たと思いますが
その全てが 超える事ができていません どうしてだと思いますか?
ソーシャルゲームは 継続していくゲームなので
(アイテムや、人間関係)
一番はじめにしたゲームから、他のゲームへ 移りにくいのだと思う
・怪盗ロワイヤル と言う名前は どうやって出てきたのか?
リリースの1ヵ月半前から タイトルを真剣に考えた
数百案ほど出したけど、時間切れになったので これにした
→ 結果的に それが良かったかどうか? は わからない
・カスタマーサポートはどうしている?
→ 24時間体制です
ついったー
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連絡先は
sekisekiseki(あっと)gmail.com