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2011年9月8日 にあった、CEDECの講演についての記事です。


『熱意を形にするプロジェクト~ダンガンロンパで目指したちょっとオンリーワンなゲーム~』



ダンガンロンパ
http://danganronpa.com/


他社の方からも 「あんな企画、よく通しましたね」と言われます。

如何にして ダンガンロンパ の企画がスタートしたのか? についてです。



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●企画立案時の 市場背景

続編タイトルが溢れ、オリジナルが売れていない

ワールドワイド に向けたタイトルばかり

・サードパーティーは DS、Wiiで 落ち込みが目立つ

・PSPでは アドホックによる、通信プレイが なんらかの形で含まれている



●社内(サクセス)的な背景

侍道喧嘩番長 以外のIPを欲していた。

・新規企画が通らない状態が続いていた

・2年間ほど、続編・版権物タイトルばかり




●オリジナル企画を立てる際 アピールする所は

1. 過去タイトルとの比較

2. 「今までにない」差別化

3. 大きなインパクト



ダンガンロンパ の場合、2 を推した



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●企画が通るまでの動き


2009年

2月25日  最初の きっかけメール

3月13日  2通目のメール

5月14日  企画書 第一稿

6月28日  企画書 第二稿 → 社内評価

9月中    企画書 再提出 → 2度目の社内評価

10月6日  企画承認



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●2月25日  最初の きっかけメール

講演者の 小高氏が、プロデューサーに メールを送る


オリジナルの ADV企画をやりたいです

→ 小高氏は、ダンガンロンパシナリオ担当

 一つ前に、「コナン&金田一」で シナリオを担当
 自分が得意であるシナリオを活かせるADVで オリジナルを立ち上げたい
 と考えた との事



ADVのシナリオ案を 2種類添付したいた。

→ いまいち? だった
→→ いろいろ ダメ出しされたり




●3月13日  2通目のメール
  
ダンガンロンパの原型を 思いついき、その案を添付

→ 思い付いた時、「このゲームは絶対面白くなる」と言う妙な確信

→ ディスカッションしつつ、企画書を作る事に




●5月14日  企画書 第一稿

DISTRUST 15少年少女殺戮記

→ この時点で、基本的な流れダンガンロンパと ほぼ一緒

→ 画面イメージは サイコ寄り
  学級裁判のゲームルールは 全然別物  (人狼のような 心理戦だった)



プロデュイサーの反応は・・・

→ 世界観 良さそう
  ゲームシステムは ピンと来ない
  ADVは市場的に 厳しい・・・

→→ もっと、インパクトがあり 独自性のあるを




●6月28日  企画書 第二稿

モノクマ”が生まれている。

モノクマ





キャラデザの 小松崎氏に、お願いして キャラを描いてもらっている。
(この時点で 16人のキャラクターの原型が出来上がっている)

処刑、雰囲気など 完成形に近い

学級裁判のゲームルールは まだ迷走中


→ ADVだけれども、だいぶ尖っている
  今までに無さそう
  可能性を感じた



●6月末  社内プレゼン

キャラクター、コンセプト、センス  良い

セールスポイント わかりづらい

PSPなら、アドホック 要るよね

ゲームシステム的な独自性 感じない

PSPのADVなら、売れて 4万本しかいかない

開発費を もっと下げないと


→ 面白そうだけど、売れないね




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●けど、諦めなかった

考え方の切り替え


ADVである限り、立ち上げるのは 無理そうだ
ADVを止めよう


ターゲットを、「ADVユーザー」→「新ジャンルユーザー + ADVユーザー」へ


ミーティングをしながら、ジャンル名を思いついた

→ ハイスピード推理アクション
 (言葉だけ、それがどんな 内容かは考えていない)

→→ 響きが良いよね!

→→ 新しいジャンルを 作るんだ! と気分を切り替え 方向性を定めた




●9月中    企画書 再提出

処刑学園と 絶望高校生

ハイスピード推理アクション として、ADVと言う単語は 一切排除した

超高校級 と言う設定を入れたのも、ここから

成長要素 や、やりこみ要素を入れ  ADVじゃないアピール



ウリは・・・  ハイスピード推理アクション
        2.5D グラフィック
        背徳 民主主義 と言う世界観




更に、ムービーを用意

→ 学級裁判の様子、処刑シーン 

→ プレゼンの段階で、ここまでのムービーを用意するのか? と言う程のクオリティ
 (業務外で スタッフに作ってもらった)

→→ 処刑シーンは、実際のゲーム中に使われているのと 一寸の違いもない程の内容

→ スタッフは、「これは イケるね」と言う確信を持った




●社内プレゼン → 社内の反応

グロすぎる


ターゲット狭い

ハイスピード推理アクションは過去になく、新ジャンルかも知れないけど 所詮はADV  PSPでは売れない

「いじめ」とか「処刑」とか 生理的に受け付けない
エンターテイメントとして、これを発売するのは 適切ではない

MAXで4万本  悪ければ、1~2万本


→ やりすぎてしまった。

  状況は、悪化してしまった・・・



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●経営陣に 熱意で説得

経営会議に乗り込み 直談判

→ 絶対 売れる!

  絶対 ウケる!

  責任は持つ!

  だから やらせて欲しい!!


→ 最後は 泣き落としになった




●ようやく承認

2月末までで プレイアブルの評価版の制作をする事に
(4ヶ月間)



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●評価版 制作

しかし

→ スタッフ自身も、ハイスピード推理アクションを推したけれども

 それが どんなものか? 実際には 考えていなかった

→ 難航

→ プレイアブル完成せず



・3月8日

ゲーム性がわかる ムービーを作成した。


→ 第一話の 学級裁判が 動いていた

→→ やっと、どんなゲームなのか 見えた
   タイトルは、「ダンガンロンパ」に


(ちなみに、声は 素人のスタッフが当てていました)



・社内で高評価

開発続行 承認



・~10月 マスターアップ

ゲームルールの方は、最後の最後まで難航

マスター1ヶ月前まで、

シナリオは既に出来上がっていたけど
ゲームシステムは ほとんど出来ていなかった
第一話が 動くくらいだった

→ 最後の一ヶ月で詰め込み
  今の形になった



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●オンリーワンのために

・新ジャンル の創出

・ミステリーと アクションの融合

・新しい映像表現





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●プロモーションについて

1.豪華声優
2.初出の映像は インパクト重視  (グロさは 出さない)
3.社内クリエイター 売り出し   (シナリオと、キャラデザ)
4.体験版 配布
5.漫画化
6.人気ラノベ作家による ラノベ化



・ADVではなく 「推理アクション

けっして、ADVとは 言わなかった。




・けど、このままでは インパクト足りないよね

大山のぶ代
さん (旧ドラえもん)の起用を思いついた

→ ダメ元で オファー

→→ なんと 快諾された!




●タイトル

ADVと思わせないような タイトルを

みんなで アイデアを出し合った

→ 処刑高校生絶望EDEN 白黒の断窮 などなど

→ そして、「ダンガンロンパ

  STGっぽい
  語感が良い!




●ユーザーの反応


・お披露目 ティザームービー

この時は、大山のぶ代 の名前は伏せた

→ いまいち反応が無い



・声優一覧を発表

→ 物凄い反応が出た!
  アクセス数 5倍の跳ね上がり

大山のぶ代 の名前を聞いて
豪華声優のファン など


→ やっぱり ダンガンロンパは この層にアピールしていった方が良さそうだ



・TVCMは あまり反響無かった

なんでだろう?



・完成披露発表会

ゲストで 大山のぶ代

→ 多くの取材陣が やってきた

→ 概算ながら web  1700万円
          新聞   600万円
          TV   3900万円

くらいの取り上げ方をしてもらった

→ Yahooトピックスでも 取り上げてもらい
 45億ビュー



●プロモーションについて

逆転裁判 のパクり と言われないように

→ 途中で開き直って、それでもいいや と思うようになった
  むしろ、逆転裁判のファンを引き込もう


・出せる素材が無さ過ぎた

→ ゲームの性質上、ゲームの途中のシーンを出せない

→→ 例えば、3章のゲーム画面を出すと そこに写っているキャラが
  「このキャラ写ってる ってことは、こいつは 3章まで死なないんだ
  とネタばれになってしまう


→ 処刑シーンも 見せたい所なのに、ネタばれなので 出せなかった

体験版の素材を 有効活用した




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●2010 11月25日  発売

初動 2万本ちょい  と、イマイチ

→ がっかり



その後、展開

デュラララ!!」の作者が ついったーでベタ褒めする等
遊んだプレイヤーが布教してくれた


→ じわじわ売れ そろそろ10万本売り上げに



●アンケートより 手に取った決め手は?

ADVだから         7.8%
新ジャンルだから     11%
キャラクターが良い    25%
ストーリーが良さそう   40%
ゲームシステム面白そう 24%
声優目当て         25%
友人に勧められて     4%


→ ADVだから < 新ジャンルだから

 ADVゲームの場合、ADVだから と言う理由が50%を超えるため
 ダンガンロンパは、ADVと意識せずに買ってくれたのだと言うのがわかった



●プロジェクトの評価


作品として   → 大成功

プロモーション → 成功

ビジネス    → それほど儲かって無


しかし、新規IPができあがった
続編も制作決定

→ 今後に期待



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●熱意を形にするには?


タイミングが重要

熱意 不可欠

協力者を 見つける事

(周りを まきこむ!)

既存ジャンルにこだわらない工夫


→ チャレンジを楽しむ事!!


 

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2011年9月7日 にあった、CEDECの講演についての記事です。



顧客ロイヤリティ向上のためのゲーミフィケーション


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●ゲーミフィケーション とは?

プレイヤーを楽しませ、没頭させるために ゲームで使われている要素
ゲーム以外で 活用する事



例) くら寿司

皿5枚につき、ルーレットを回せる
→ 当たると おもちゃをプレゼント


客は とても楽しんでいる。

28皿食べた時、「せっかくだから 後2皿食べようか



例) ANA マイレージ

マイルが 溜まっていくと、レベルアップ
特典がある

→ マイルを溜めて楽しい。
  溜めたくなってくる



・ゲームそのもの では無い

けれども、利用者は とても楽しんでいる。




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●広義の ゲーミフィケーション

例) スウェーデンスピードカメラ  (速度違反をした運転手に 罰金)

→ スピードカメラに写りつつ、スピード違反をしていない運転手から 抽選でプレゼントを渡す。

→ 結果、スピード違反が 20%減少した。



ゲーミフィケーションを利用して、現実の問題を解決

→ 我々にとっては、規模が大きく 入りづらい話ですね。




●狭義の ゲーミフィケーション

スマートフォンアプリ foursquare

GPLを活用し、いろいろな場所に訪れ チェックインする。

→ 場所に応じて、アイテムを貰える

→→ facebook などで、それを自慢する
   ユーザー自らが 口コミ

→→ 特定の場所での、市長の取り合い と言う競争要素も


ソーシャル性を持ったサービス

ネット上だけで実現でき、我々にとって 入りやすい題材です。



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●ゲーミフィケーション の目的


ユーザーロイヤリティを 向上させること

→ 楽しみながら そのサービスを使おう

→→ 口コミで そのサービスを 友達に教えたくなる
   そのサービスの ファンになってしまう。




・ゲーミフィケーションは、最近 注目されているテーマです。

2014年までに

グローバル企業 2000社の 70%以上は
少なくとも 何かしら一つのゲーミフィケーションの仕組みを持つようになるだろう


と言う予測がされている




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●ゲーミフィケーション を作るって?

・「ゲームを作る」 とは、本質的には 何を作るのか?

ゲームの目的 = プレイヤーを楽しませる。

→ モチベーションを高める



・モチベーションの維持 のために有効な物は?

1.目的
2.自立性  (自分の意思で これをやると決めた)
3.有能性  (これを達成できる 自分ってスゴイ!)


ゲーム開発者は、既に これを実践している



ゲーミフィケーションは、これらを ゲーム以外のサービスに活用するだけ



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●まとめ

ゲームを作る」ノウハウは
今や、ゲーム以外の領域でも 求められている。

→ ゲーム開発者が、ゲーム業界以外でも 活躍の場があります

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2011年9月6日 にあった、CEDECの講演についての記事です。



『週刊トロ・ステーション』のつくりかた ~1200回配信を可能にする制作体制とビジネスモデル~



週刊トロステーション ・・・ ニュース配信コンテンツ
http://www.jp.playstation.com/psn/torostation/


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●トロステーション について

・まいにちいっしょ 時代

2006年8月

SONY 「PS3のロンチに合わせて
     ネットワークをメインに使ったコンテンツを用意して欲しい」


1. PS3を 毎日起動してもらう
2. 気軽に ユーザーに課金を体験して欲しい
3. PS3の新機能を イチ早く取り入れたい



→ 毎日更新する ニュースコンテンツで
 10円、20円で 気軽に課金できるように


コンセプトは、「実験 と 体験



・4年半で・・・

アカウント数   63万
アップデート   30回以上
総アイテム数  1500種類
アイテム売上  100万個以上
配信        850回以上




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●週刊トロステーションへ


2009年
まいにちいっしょ の使命は 十分果たした


ネットワークの啓蒙 成功

→ 次は、ネットワークソフトとしての成功
 (収益をちゃんと上げる)


→→ 週刊トロステーション に移行

毎日配信 止める
アイテム課金 止める (課金は、有料会員、ガチャ)
重点顧客を 変える  (ライトユーザー向けから、コアユーザー向けへ)
得意な事を 特化   (トロステーション に特化)



・毎日配信を止める事は マイナスでは?

ユーザーのアクセスが集中するのは、週末だった
(多くの人が、週末に 1週間分 まとめて見ていた)

→ ユーザーのライフスタイルに合わせよう

→→ その代わり、内容は作り込み 今までの一週間分にそん色ない物
  (今までは深夜番組だったのが、ゴールデン枠に変わります
  と言う説明で、ユーザーに理解を受けた)




・課金のメインは 有料会員 (プラチニャ会員)

800円 / 月

→ トロが家に住める  (無料の場合、空き地 → ユーザーが トロの家賃を払ってあげる設定)
  トロステ 6時間先行配信
  バックナンバー閲覧
  会員限定プレゼント

→→ メインコンテンツに対して 明らかな優位性を与え、より便利にするサービス


800円の月額金額は高いと思われがちだけれども
今までの、課金ユーザーの平均課金額より 低い設定となっていて、好意的に受け入れられた



・移行した結果

サービス1年目で、まいにちいっしょの総アカウント数を超える
近日、100万ダウンロードを達成


トロステ配信回数  1676本 (1週間に数ネタ入れているので)

課金比率  会員権      71%
        ガチャ用コイン 26%
        その他      3%


→ 収益の安定化




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●制作体制について

SONY     ・・・  品質管理、運営

(株)ビサイド ・・・ 制作



・スタッフの内訳

プロジェクトマネージャー  1名

プランナー           7名
 (取材、シナリオ、スクリプト

専業ライター(外部委託)  3~5名
 (取材、シナリオ

デザイナー          1名 + α
 (小道具、アイテム)

プログラマ          1名 + α
 (バグ対応)



専業ライターは、ゲーム関係では無い 様々な分野のライター業を専門にしている人に参加してもらっている

→ トロステーション内の 雑学コーナーで 活躍



・トロステ編成会議

1ヶ月分の番組表を決めるため、1ヶ月前に開かれる
各々が ネタを持ち寄る
たまに 趣味に走る
バランスを考えて、アサイン



・1週間分の内容

大枠
  1回につき 2ネタ  ゲーム系 1、雑学系 1)

小枠  1回につき 2~6ネタ (大枠こぼれ話、小ネタ、次回予告など)



・制作担当をアサイン

ゲーム系ネタ
 ・・・ プランナー
            (必ず、実際にプレイする
             ゲームクリエイターだからこその切り口で)


雑学ネタ    ・・・ 専業ライター
            (専門だからこその、人脈や フィールドワークを活かす)



・ゲーム紹介に定評のあるトロステ

同じゲーム開発者だからこそ わかる視点

→ 作り手のこだわりを ダイレクトに理解できる
  苦労している所が 共感できる

→→ ゲーム雑誌のレビューとは 差別化できた



・制作スケジュール

5週間前  取材開始
4週間前  素材揃う、制作開始 (スクリプト作業など)
3週間前  初稿完成。 デバッグ。 権利者に確認してもらう。
2週間前  デバッグ完了。 配信準備
1週間前  配信



・ユーザーのフィードバックを 大切に

毎回、ニュースの終わりに

おもしろ!」 「そこそこ」 「いまいち
と、ユーザーから アンケート


集計して、今後の制作に活かす



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●まとめ

最小の労力で、最大の効果の出る仕組み作りを

それを 最大の努力で運営する。




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●質疑応答 より

・週刊になった事で、楽になりましたか?

楽になったかと言うと、そうでもない

→ まいにち配信の頃から、制作体制は変えていない

→→ 週刊になった事で、それに見合う内容を入れているため
  作業量は減っていない



・続けていく事で、ネタ切れになりませんか?

ネタが切れる事は無いです。

→ 毎月毎月、新しいゲームが発売されるため ネタには困らない


 しかし、1000回以上も配信していると

このネタ 前にやったよね
このゲーム、前作でこんな紹介の仕方したから 今回はどうしよう?

と言う感じの やりづらさは 出てきた。

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2011年9月6日 にあった、CEDECの講演についての記事です。



スマートフォン×ソーシャルゲーム×コンソールゲームが紡ぎだす『ゲームの未来』




パネルディスカッションです。

講演者は

株式会社 comcept の、稲船さん
キューエンタテインメント株式会社 の、水口さん
株式会社ディー・エヌ・エー の、小林さん



(講演で受けた話を せっき~なりに咀嚼して書いている所があり
場合によっては、ニュアンスの解釈を間違っている所があるかも知れません

その場合は、すみません)



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●なぜ、ソーシャルゲームを作るのですか?

・稲船さん

性格的に、食わず嫌い は良くない と思っていて
まずは、経験してから 好きか嫌いかを判断したい


また、スマートフォンの存在が大きい

→ 今までガラケー時代は やりたくても、できなかった
 スマートフォンだったら、やりたい事が 実現できる

→→ 我々が 培ってきた 強みや、経験が活かせる



コンソールゲームの良さソーシャルゲームの良さ融合した 新しいゲームを作ってみたい

新しい物を作りだすのは楽しい
→ 今、実際作っていて 大変楽しい




・水口さん

新しい事をやりたいので、ゲーム業界に入りました (20年前)

8年前 SEGAを辞めた理由は、将来的な世界の変化を想像したため

→ コンソールゲームだけではなく
  コンソール、モバイル、PCが 一つになる物が作りだせるのでは と言う野望から

→→ キューエンターテイメントを立ち上げたすぐは、仕事にならなかった


今、8年前から臨んだ環境が やってきた



また、数年後には 全世界の何億人もが 同じプラットフォームを手にしているのは 大変魅力的だ。



・小林さん

スマートフォンの強みは・・・

ユーザーが 常に持ち歩いている
(DS、PSPは さすがに100% ではない)

→ 新しいエンターテイメントが生まれてきた
 これは、コンシューマーゲームとは違う魅力を持っている



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●ソーシャルゲームのユーザー層について

家庭用市場  2009年 3300億円
           2010年 3000億円

ソーシャル市場 2009年 230億円
            2010年 1000億円


ここで注目して欲しいのは

ソーシャル市場は急成長しているが、コンシューマー市場は それほど落ちていない

→ つまり、ソーシャルゲームは コンシューマーゲームを食っているのではない

→→ 新しいユーザー、マーケットを拡大している。




・ソーシャルゲームが開拓した層

ノンゲーマー +
昔ゲーマーだった人


今まで、昔ゲーマーだった人 への市場ができていなかった。

(ゲームに興味無くなったわけではないけど、
忙しくなって 長時間ゲームを遊ぶ事ができなくなった人が

スマートフォンを手に入れたので、5分くらいの空き時間にやっている)




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●コンシューマーゲームと ソーシャルゲームの違いとは


・水口さん

コンシューマーゲームが 映画
ソーシャルゲームは テレビ番組

の例えが しっくりする
(テレビは 無料で見れる  気に行ったドラマ番組などはDVDで買う)


映画制作者が、テレビ番組を作れない?

→ 昔はそう言われていた事もあったけど、今はそうでもない


確かに、ソーシャルゲームでは 作るために 使う脳は全然違う




・稲船さん


違いは かなりある


一つは、コントローラーの概念が無い事

→ 今までのゲーム開発者は、ハードメーカーが出してきたコントローラーを 何の疑問も持たずに、利用していただけ

→ スマートフォンでは、どう触っても良いし、どう持っても良い
 どうやっても自由

 しかし、複雑しすぎるといけない
 ワンタッチだけのような、シンプルすぎなくてもいい


→→ そこから 考えていかないと いけない



・小林さん

ユーザーの時間感覚が違う

コンシューマーゲームの場合、2時間くらい遊んで 一つの波になっている。
(そろそろ、ボス戦か)



ソーシャルゲームは 5分刻みの波である。



ソーシャルゲームは 1日に 4~5回  (通勤時間、昼休み)
1回につき 5分ほどログインする

→ そんなサイクルで楽しむ エンタテイメントなので
 そもそも、コンシューマーゲームとは 全然違う



コンシューマーゲームを遊ぶ場合、わざわざ 2時間ほど 時間を用意して遊ばないといけない

→ ソーシャルゲームの場合は、通勤時間の電車の中や 休憩時間の5分

→→ 元々、何もしていなかった時間に ゲームをするようになっただけ
  ソーシャルゲームは、ユーザーから 時間を奪っていない

(どちらが優れている と言うのではなく
そもそも 方向性が違うのだと説明)




将来、ソーシャルゲームで グラフィックなどのクオリティが上がったとしても
こういう部分の手軽さを失ってはいけない



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●スマートフォンの登場により、ソーシャルゲームのクオリティが上がっている

高度な3Dグラフィック表現
アンリアルエンジン など


例)インフィニティ ブレード
インフィニティ ブレード






→ ガラケーでは、今まで できなかった物
→ こういう物が作れるように なってきました

→→ スマートフォンのお陰で、コンシューマー開発者の強みが活かせるようになってきました。 


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●稲船さんの 車の例え


・稲船さん

車で例えます。
(稲船さんは、何か例える時は いつも 車か野球で例えるらしい)

マニュアル車    (コンシューマーゲームの比喩)
オートマチック車  (ソーシャルゲームの比喩)


昔は、マニュアル車が普通でした。
今は、オートマチック車ばかり  (75%)

→ なぜ?
→→ 楽だから


ソーシャルゲームコンシューマーゲームの未来も こうなってしまっても おかしくない

マニュアル車の良さを ちゃんと理解して、マニュアル車を出さないと 売れなくなってしまう。
(じゃないと、オートマチック車でいいや になってしまう)



今まで、ゲーム開発者は マニュアルのスポーツカー を作って来ました。

→ 今は、稲船さん自身は オートマチックの スポーツカーを作りたい と考えている。

→→ もし、これが売れた場合
  つきつめると、そもそも マニュアル車が要るかどうか? の話になってしまう
  その時は、どうするか? 考えていかないと いけない


→ もちろん、欲張りですが 今後とも マニュアル車も 作っていきたいと思っていますよ




・水口さん

ソーシャルゲームは 始まったばかり

2年後の未来で、どうなっているだろう?

→ PS3レベルのグラフィックの ソーシャルゲームが、タブレットで出ているかも

→→ そうなった時、みんなは どうするか?


ゲームが どんどん変わっていくかも知れない

→ インタラクティブなエンターテイメントが 世界的に広がっていく

→ 最近、コンシューマーゲームは 世界で元気ない と言われているけれども
 ソーシャルゲームで、日本が大復活する事を希望している。



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●コンシューマー開発者が ソーシャルゲームを作る時の注意点


・稲船さん

如何に 今までの成功体験を捨てられるか

→ 「スマートフォンのゲームなんて作れない
   「たかが、ケータイのゲームでしょ」    と頭ごなしに否定する人が多い。


捨てる勇気が必要



昔、スーファミから PSに移行した時代
2Dから、3Dへと移行した時がありました

3Dを受け入れられたのは、若い層が多かった

当時、プライドを持って「2Dしか やらないから」と言った 年取った人がたくさん脱落していった


その時、生き残った年取った人は 若い人に
3Dの事 教えて」と言えた人

→ その結果、新しい知識 + 今までの経験から 一線に立ち続けられた


今も、その時と同じ

「DeNa」に教えて と言えるかどうか?



ソーシャルゲームは 作り方が全く違います。
今までの事を 一度捨てないと

→ その先で、我々の強みが 活かせるようになります。




・水口さん


まずは、「同じゲームじゃん」と思っている。


今までも 何回かパラダイムシフトが起きた

アーケード (50円、100円入れて遊ぶ。 どうやって、また お金入れてもらえるか?)
→ コンシューマーへ 移行 (5000円~6000円のパッケージを売り切る)


この時、アーケードの考え方を 一度消さないといけなかった


作るゲームジャンルも変わった (アーケードでは、RPGは無かった)
ユーザーも変化した  (ゲームセンターに行けない 子供や女性)


今、起きているのは これと一緒

→ ソーシャルゲームの ユーザーはこれより更に広いです。
→→ これを 進化と呼ぶしかない



確かに いろいろなジレンマを抱えている

→ 今までは、自分が考えた物を 「面白いでしょ」とユーザーに投げかけた
  ソーシャルでは、ユーザーのニーズを受け取って 作っていかないといけない



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●その他


・小林さん

ささいな事だけれども、

mixiで日記を書いた時、誰か コメント書かないかと 何度もリロードしたり
ついったーで 呟いた際も、誰か RTしてくれないかと そわそわして見てしまう

→ 構われている感 誰かに見られている感
 そのくらいの ソーシャル具合で十分だと考えています。
 (誰も、毎回 150文字ぎっしりとしたコメントを求めているわけではない)

→ そんな ちょっと気になる要素を ゲーム要素に入れる事で
 ユーザーは また、ログインしてくれます。




・水口さん

ちょっと 面白い話があるのですが

ある時期、あるガムのメーカーが 突然ガムが売れなくなって その理由を調査したのですが、1年ほど わからなくて

1年後、ふと その理由に気付いたのですが


普通、ガムが 売れなくなった時は アメや チョコレートが売れるようになったんだと そう考えると思いますが

→ その理由は、携帯電話でした。


→ ユーザーは どんな欲求を求めて ガムを買っていたのか?

→→ 味だけではなく、気分転換 も理由の一つ
→→ その欲求を、携帯電話が満たしてしまった


ソーシャルゲームも、この話に当てはまる事があるのではないか



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●ソーシャルゲームは、今後 10年20年 続いていけそうか?

・稲船さん

ファミコン当時から ゲームを作っているのですが、
ファミコンを作り始めた際 良くこう言われました

ファミコンって 一時的な物でしょ?
すぐ、廃れてしまうでしょ?

→ もちろん、そんな事は無かった
→ 新しい物が生まれると いつも そう言われる


→ ファミコンの時は、わざわざハードを買わないと遊べなかった
  ソーシャルゲームは、ハードを買わなくても遊べるので ファミコンより更に優位性がある。

→→ ここまで広がっているので、無くなる事なんて ありえない

 

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2011年9月6日 にあった、CEDECの講演についての記事です。



「農園ホッコリーナがモバゲー女性ランキング1位になった理由」


講演者は、株式会社ディー・エヌ・エー 入社2年目
前職は、別業種にて 企画としての業務経験は全くなく
ド素人として、入社

→ そんな、いわゆる 普通の人が実践できた
 主に女性をターゲットとした、ソーシャルゲームの育て方について説明します

との事



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●『農園ホッコリーナ』 って?

可愛い野菜動物を育てたり 飾ったりして ほっこりするゲーム


コンセプトは  × 野菜や家畜を育てる 農業系ゲーム
           可愛いものを手軽に育てられるアプリ


農業のリアルさや、ゲーム性ではなく
育てたくなる 可愛さや、愛らしさを追求



・ゲーム性は捨てました

例えば 水をやらなくても、植物は 枯れてなくならない
(水をやらないと 途中で成長が止まってしまうだけ)

やり込み要素、攻略要素無し

など


・ユーザー数など

2011年9月時点で、育成系ソーシャルゲーム 1位
月間ユーザー数 100万人

女性 62%
男性 38%

20代 35%
30代 41%


忙しい社会人女性が、ほっこりしたいニーズに応えた

女性型ソーシャルゲームです。
(男性型ソーシャルゲームの代表は 怪盗ロワイヤル)



しかし、ここまで来るのに いろいろな流れがありました



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●女性ゲームに 特化させました

しかし 1年前は、中途半端な農園ゲームでした。

→ サンシャイン牧場が人気な当時
 このゲームを選ばれる理由が無かった


当時の想定ユーザー  課金力のある 30代男性ユーザー?
当時の方向性     機能豊富で、やり込み溢れる農業ゲームを目指す?


→ 本当に、この方向性で良かったの?

(想定ユーザーなども、特に深く調査などされず
お金払ってくれそうだから と、安易に進めていた)



→→ このままでは、ユーザーも集まらず
  サービス停止してしまいそうな状態だった



・当時のユーザーを分析してみた
誰に向けたアプリなのか?、はっきり定める)


ユーザー比率  男性 40% 、 女性 60%

→ どうやら、女性にとって 刺さるポテンシャルが高そう

→→ 女性向けに特化した物にしよう



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●女性向けに特化するのって どうするの?


・ユーザーの意見より

「動物が 可愛い」
「背景の ぶたが可愛い」

→ 可愛い が重要
  農場のリアルさ、ゲーム性は 二の次



・女性ユーザーのやりたい事は?

「携帯を開いて、空き時間の5分くらいに サクっと
可愛い動物や、植物を育てたい」

→ 多機能なゲーム、農業のリアルさや ゲーム性を求めるゲームは
 そもそも 女性ユーザー向けでは無い



●女性ユーザーのやりたい事と ズレる事は やらない

当時、社内でも

「畑が 20マスしか無いのは 小さすぎない?」
「機能 少なすぎ」
「やり込み要素が無い」
「もっと ○○みたいな 農業系ゲームを目指さないと」

→ これって ゲームをやっている男性視点での意見なのでは



女性ユーザーは・・・

休み時間の 5分くらいの合間に遊ぶ
→ 畑がこれ以上大きかったりすると やりきれない

あくまで、息抜きで遊ぶ
→ これ以上 機能が増えたら 覚えきれないから、やりたくない



●『農園ホッコリーナ』が 目指した物

女性が 短い時間に さっくり、ほっこり楽しめる
携帯だからこその、単純さを ウリに


対象ユーザー  20代 ~ 30代の女性
コンセプト    農園系ゲーム要素よりも
         可愛い事、コミュニケーションツール



●農園系ゲームである事を止めた

農園系ゲームでないといけない! と言う考え方は ただの運営側のエゴ 

農園系ゲームを押しつけるのではなく、ユーザーが求めている物を ちゃんと提供した


→ その結果、女性のユニークユーザー数が 怪盗ロワイヤルを超えた



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●女性ユーザーの特徴

・可愛いのが好きで、可愛い物は 人に見せたい

・短い時間で さっくりやりたい

・新しいルールを理解するのは大変

やったことは 全て報われてほしい
→ 努力したのに、損をするなんて とんでもない

自分であれこれ選びたい、押し付けは嫌い

・あからさまな対戦要素嫌い




●女性向けゲームのコツ

・何をやっても嬉しくなる作りを

例) 10%で当選する抽選の権利を 10回持ってたとしたら

手法A 1回抽選 → ハズレ → 2回目抽選 → ハズレ → ・・・ → やっと当たり
手法B 10回まとめて抽選 → 1回当たり

両方とも 当たっているけど・・・
手法Aの場合、女性は 「9回もハズれた」と考えてしまう

→ 当たったのに、結果的に 嫌な気持ちに
 (そもそも、当たる前に止めてしまう)



・可愛い だけでは物足りない

例) イベントで パンダをプレゼント
  → 「可愛い! で?」

パンダを育てて、収穫すると おまけでアイテムをプレゼント

可愛い! おまけも嬉しい!
と、明らかに反応が良くなる



・普通に遊んで楽しい、課金をしたら更に楽しい と言う作りが良い



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●まとめ

ターゲットの女性を想像しよう

誰に、何を どう伝え、どんな楽しみ方をして欲しいか
ユーザー中心で考えないと 誰も喜ばないゲームになってしまいます。




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●質疑応答より


・収益を増やすためには、課金ユーザーを増やすのか? 全体ユーザーを増やすのか?
 どちらで考えていますか?


→ 後者です。



・以前 不人気だった このゲームにおいて
新規ユーザーの獲得と 以前のユーザーのカムバック
どちらを狙いましたか?


→ 新規ユーザーです

 ユーザーは 一度嫌いになったゲームにカムバックするのは大変です。




・『農園ホッコリーナ』が売れた事で、株式会社ディー・エヌ・エー の反応は


以前は、農業ゲームは儲からないので 止めてしまえ と言う考えだった
(怪盗ロワイヤルが 正解の手法だった)

→ 『農園ホッコリーナ』が きっかけとなり
 如何に課金を狙うのではなく、全体ユーザーを増やす事を狙ったり
 ユーザーをターゲッティングして、振り切ったゲームを作ろう

と言う流れが できあがってきた

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