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これは、2009年9月3日 に行われたセミナーの記事です。

CEDEC2009 3日目、基調講演
「国民的ゲームとは何か? ドラゴンクエストの場合」


講演者 堀井雄二


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●ドラゴンクエスト1の話


ファミコン初期時代

当時、アクションゲームばかりだたった

→ ここにRPGを出そう

→ けど、きっと ユーザーはRPGをどう遊べば良いかわからない

→ 文字だけで遊ぶゲーム ・・・ アドベンチャーゲームを先に遊んでもらう
 「ポートピア殺人事件

→ その後で、ドラゴンクエストを発売



・ドラゴンクエスト1では、いろいろ工夫しました。

総容量は 64KByte

1文字を 6bit (64種類) で節約 (全部のカタカナが入らない)
道具も  4bit (16種類)


言葉もかなり選んだ

→ 道具屋  

  この言葉は発明です。
  現実世界に道具屋なんて店無いですので
  しかし、言葉を見ただけで 何の店か一目でわかります



ドラゴンクエスト3までは、それほど苦労しなかった

ドラゴンクエスト3が本当に作りたかったものであり
ドラゴンクエスト1では、それを最小限までそぎ落とした物
ドラゴンクエスト2では、それにパーティーを追加した物

だからです。




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●なぜ ドラゴンクエストは人気を維持できるのか?

多くの人が遊ぶからこそ、大切にしている事。



・みんな マニュアルを読まない

→ マニュアルを読まなくても 遊べるように

 (例: ドラゴンクエスト1では 初めに王様の部屋に閉じ込めた
    王様の部屋を出る事には、基本操作を知らずに覚えている)


→ しかし、ガチガチなチュートリアルにしない

 (遊んでいる内に、自然に覚えるのが理想
 例えば、ドラクエ9の場合 自然にゲームの要素を覚える事のできるクエストを用意している)





・ドラゴンクエストの文法

→ 文法を覚えれば、シリーズが変わっても楽しめる




・ゲーム導入部分は 特に大事

→ 人は、初めにつまずいてしまうと 辞めてしまう

→ 堀井さんは 特に導入部分を何度も何度も遊んでチェックしていた




・ユーザーの内のちょっとの人が つまずく要素は 放置していいんじゃない?

→ ドラクエでは その考えはNG

→ ちょっと = 1% としても、400万人の1%は 4万人

→ ドラクエの使命は、全ての人に楽しんでもらう事である




・一番恐れていること

普段ゲームを遊ばない人が 「噂のドラクエをやってみよう」

→ 「何これ、全然わからない」
  「やっぱり自分は ゲームに向いていないんだ」

→ ドラクエのせいで、ゲームを遊ばなくなってしまう・・・

(「私でも遊べるゲームがあったんだ」 が理想)




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●シリーズについての話


・1が面白ければ、2は 更に面白いんだと期待される。


→ 映画では、その期待に応えるのは難しい
 (2時間の枠は、どう頑張ろうと 2時間なので)

→ ドラクエは 幸いにも、ハードの進化と共に 進んでこれた

→ ハードの進化によって 面白さも進化させていった



↑の話は、「ドラクエ8」まで

→ 「ドラクエ9」では 初の、ハードの性能を落としました。

(この決断には、相当に悩んだのです)




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●ドラクエ9のゲームデザイン


・最初の決定事項

 DSでマルチプレイできる ドラクエを作ろう

→ 酒の席で 盛り上がって決まった
→ 当時は 実現できるかどうかわからない、大きな夢だった



・コンセプト

 「ずっと遊べる
 「みんなで遊べる

→ できるのか?
 (今までのプレイスタイルは

 エンディングまで 50時間くらい遊んで終わる物
 人にヒントを聞かず 一人で黙々と遊ぶもの

 だったから)




・「ずっと遊べる」について

 1. エンディング後も遊べる ゲームデザイン

  ・エンディング後の世界を描く
  ・移動手段が増える

  → 新しい事が始まる事を 強調

  ・強くなるモチベーションを失わせない

  → ほぼ無制限に強くなる 成長システム
    それに伴い 更に強くなるモンスター  (宝の地図)
 

 2. 毎日 電源を入れたくなる仕組み

  ・wifiショッピング
  ・すれ違い通信
  ・時間経過で追加される要素  (wifiクエスト配信)




・「みんなで遊べる」 について

 1. みんなで攻略できる ゲームデザイン

   ・ゲームの攻略成果を共有できる

    → すれ違い通信で 宝の地図


   ・先行している人の情報が必要になる

    → クエスト、錬金など わざと難易度を高めに設定している

     (今までは、ヒントを全てゲーム内に配置して優しくしていた)

    → ネットで攻略情報を調べるのも、今のスタイルだと肯定



 2.人に話したくなる ゲームデザイン

   ・データを人と差別化できる

    → 見た目、強さ、遊び方

   ・ゲーム内の体験を人に話したくなる

    → あえて、クリア後は こうしろ など、何も指示しない



「スタートダッシュ型ゲーム」から「ロングラン型ゲーム」へ質的変換




・解決できなかった問題

シリーズでありながら、新しいプレイスタイルを提案し
かつ、従来のファンに理解してもらう事



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●ドラクエ9 開発を振り返って


・シナリオやゲームデザインの部分

今までは、堀井雄二1人でほとんど作っていたが
今回は、かなりのボリューム増なので やり方を変えた

堀井雄二を中心に、スクエニが作った



・堀井雄二 のコメント

「今まで作ったドラクエは 発売後 遊んだことは無かったが
今回は、自分が作っていない部分が多いので 純粋にゲームとして楽しんで遊んでいます



・シナリオのボリュームは 一番悩んだ

→ これだけしか入れる事ができないのか・・・
→ しかし、今回の目的は シナリオでは無く、システムで遊んでもらう事だ

→ 蓋を開けてみると、クエストのお陰で かなりボリュームあった



・女性ユーザーが多い

→ それを見越し、「着替えシステム」「拾い物システム」



・人によって ハマっている所が違う

フィールドを歩き回る、ひたすら強くなる、すれ違いをしまくる



・全てのシステムを循環できるよう目指した

錬金 → アイテム集め → 宝の地図 → 強くなる →  錬金金 → ・・・




・ユーザーの消化が早い!

かなりのボリュームを作ったハズなのに、予想以上に ユーザーが熱心に遊んでいる

→ 1年もつのか?

→ みんな、もっと ゆっくり遊んでほしい



・携帯ゲーム機にして 良かった

→ そうでないと、100時間なんて 遊んでもらえない




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●すれ違い通信について


・宝の地図を送れるようにして正解だった



・まさゆきの地図

→ まさか あんな地図が生まれるとは・・・

→ 決して 仕込んでいません!!



・さて、今から すれ違い通信をしよう!!

会場の人と、堀井雄二が すれ違い通信を開始


ちなみに、堀井雄二のキャラクター名は「ジョルジュ
(今日までで、820人 すれ違いました)



・(すれ違い通信で)ユーザーからのメッセージ

「移植版 ドラクエ6楽しみにしています」
「テリーを もっと使える子にしてください」

→ Lv上げています。



・堀井雄二と 会場に居た、遠藤雅伸(ゼビウス)が すれ違った

(なんと言う偶然)



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●いろいろ


・堀井 「ゲームは決して無くならない」



・ハードが進化してきた

→ しかし、面白さの本質は変わらない

→ 今は、ゲーム以外に 暇つぶしできる物がかなり多い

→ なので、ゲームの”とっつきやすさ”は かなり重要です!




・アイデアは 2作目に熟成する

ドラクエ8の ”テンション” ”スキル” は やってみただけ
ドラクエ9で 熟成された

なので、とりあえず 面白いと思ったものを入れてみるのが大事




・携帯機だったのを、次のシリーズで 据え置き機 に戻せるか?

→ 波がある

→ 久し振りに 据え置き機で遊ぶと
  「おおっ、きれいな画面だな!」と思うはず




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●国民的ゲームとは何か?



・昨今の情勢

 ゲーム開発費の高騰世界における 日本のシェアが8%

→ 各社、海外相手にどうしていくか?
 を真剣に考えている時代

→ その流れに、ドラクエも乗るか?


いや、ドラクエは 日本人のためのゲームで良いのではないか?


→ ドラクエは「日本人に一番楽しんでもらえるゲーム」である事を
 最大の使命としている!!!
 

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