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2013年8月22日 にあった、CEDECの講演についての記事です。
「すごろくで体感!
もう一度プレイする気にさせる『バランスブレイカー』というゲームシステム」
この講演は CEDECでは珍しく ワークショップ形式でした。
参加者は その場で5人の班分けされ、実際にすごろくを作成、遊ぶ事で
本講演の「バランスブレイカー」について 実際に体験しよう
と言う試みです。
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次のような盤面が用意されています。
プレイヤーはサイコロを振り 駒を進め
1周回り、スタート地点を通る度に 1ポイント入手
先に、3ポイント入手したプレイヤーが勝利
ここで、まずは 皆 思い思いに各マスにイベントを書き込み
実際に遊んでみよう!
が、第一の課題です。
各マスには 次のようなイベントが書き込まれました。
「もう一度 サイコロを降り その分 進む」
「1マス 進む」
「5マス 戻る」
「1回休み」
「1ポイント入手」
「1ポイント失う」
※ なぜ、すごろくか と言うと
偶発性のあるゲームの方が、初心者向き
サイコロのような物を使わないようなゲームだと、頭の良い人が 必ず勝ってしまう
→ 負けたプレイヤーは もう一度遊ぼう とならない
※ ここで、何ポイント獲得したプレイヤーが勝利する
と言う形式は バーストと呼ばれる手法
→ 勝っている人に 勝たせすぎない
(徹底的に勝たせてしまうと 勝っているプレイヤーは満足してしまう。
= モチベーションが消える)
→ バーストして勝たせた場合、
勝って嬉しいのだけれども サクっと終わってしまい 欲求不満が残る
= 「勝ってしまったけど、これでいいの?」
「もう一回 勝負しようよ」
に、なりやすい
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実際、このすごろくは どうだったか?
ゲームが長くなり、ダレてしまった
→ ゲーム時間が長いと 人はもう一度遊ぼう と言うモチベーションは無くなる。
「1回休み」
「何マス戻る」
→ これらのイベントが発生してしまうと 不毛感を覚える
→ 不快であり、かつ ゲームを長くしてしまう要素
→ これらは 排除すべき
例えば、
「1ポイント失う」 と 「自分以外全員が1ポイント得る」
と言うイベントは、相対的には 同じ事だが、ゲームに与える影響が全然違う
= プラスに変える
→ 他の誰かのプレイヤーのポイントが減った所で あまり興味わかないが
自分のポイントが増える場合 興味がある
= 他のプレイヤーのターンでも、ゲームに対する興味が持続する。
→ マイナスのイベントを 全てプラスに置き換え
プラスゲームのすごろくを作って遊んでみよう
が、第二の課題
「マイナスポイント」 → 「自分以外全員が プラスポイント」
「何マス戻る」 → 「自分以外全員が 何マス進む」
と置き換えたすごろくを作成
→→ ダレるような展開がなくなり、さくっとゲームが終了するように
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・バランスを整えるのは良くない
逆転の要素として
「最下位のプレイヤーは 何かを得るイベント」
「一番進んでいるプレイヤーに 追いつけるイベント」
→ これらは バランスを整えている要素
→→ 逆転の要素って 面白い??
→ 時間がよりかかり、面白くない上に、それを繰り返していく内に プレイヤーは疲れてしまう。
シーソーゲームは、とても疲労するため 「もう一回やりましょう」 にならない。
※「誰かから ポイントを奪う」
「誰かに ポイントを渡す」 は、悪いイベントの例
→ 必ず、ポイントの多いプレイヤーから ポイントを奪い
ポイントの低いプレイヤーに ポイントを渡す
これは、ゲームを完全にバランス取ってしまう要素
・バランスブレイカーを入れてみよう
バランスを取って、ゲーム性を高く整えよう ではなく、
何かのイベントで 誰かが有利になったのなら、そのまま一気に突き抜けさせて ゲームが終わるようなゲームにしよう
→ バランスを ちゃんと取ったシーソーゲームより
「もう一回遊びましょう」 と言う気持ちに 遥かになりやすくなる。
→→ バランスブレイクで勝った場合
勝った人はもちろん嬉しいけど、負けた人も そんなに悔しくない
これも 「もう一回 遊ぼう」 になりやすい
バランスブレイクの例)
「このマスに止まったとき、サイコロを振り 1が出たなら あなたの勝ち」
→ これくらい バランスが壊れていても 実は面白い
「他のプレイヤー全員から ポイントを奪う」
のような、富を集中させるようなバランスブレイクも有り
・まとめ
バカゲーに近い状態にはなりましたが、これはこれで 面白い
と言う感じになりました
理屈では ありえないな と思っていた物でも、実際 遊んでみると面白い場合がある
→ こういう事は ゲーム開発では ちょくちょくある
あっという間にカタが付いた方が、もう一度遊ぼう と言う気になる。
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と、内容はこのような感じでしたが ワークショップ形式であり 始終わいわい 楽しい感じでした。
実際に、この流れを参考に 5人ほど集めて すごろくを作ってみて体験するのも 良いかも知れませんね。
バランスブレイクしているからこそ 面白いゲーム
アナログゲームで挙げるなら
「イノベーション」
「コズミックエンカウンター」
「リトルバスターズ どたばたランキングバトル」
あたりでしょうか?
どれも、プレイ時間 そんなに短くないけど
これらのゲームは 個人的には、勝敗関係なしに 何度も遊びたくなるゲームですね。
ついったー
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