ゲームを作ったり、ゲームを遊びまくったりしている せっき~の生き様。 まずは目次をご覧ください
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ドラゴンスレイヤー英雄伝説2の PCエンジン版攻略本にて
ファルコムスタッフが、ドラゴンスレイヤー英雄伝説1・2について話しており
興味深かったので取り上げます。
ちなみに、インタビューを受けているのは ドラゴンスレイヤーシリーズの生みの親 木屋義夫 氏と
英雄伝説2のメインプログラマー 秋葉紀好 氏です。
------------------------------------------------------
・英雄伝説のネーミングはどこから来た?
→ 開発スタッフが勝手に呼んでいた名称
タイトル名については、普段 開発サイドはノータッチだけれども 木屋氏が強情だったので それが通ったらしい
・英雄伝説1の開発期間は?
→ ピラミッドソーサリアン終了からすぐ開始され それから1年間。
・なぜ 英雄伝説 のようなゲームを作ろうと考えたのか?
→ まだ作ったことのないタイプのゲームだったから。
(前のものとは 同じことをしたくない)
当時、パソコンゲームでは コマンド戦闘でないものが最先端のRPGであり、コマンド戦闘は古典的なものと考えられていた。
アクションRPG「ザナドゥ」を制作したのは そのため
→ しかし、気づくと 周りも同じようなソフトを発売していた。
→→ 今度は 逆にコマンドRPGが新鮮なのではないか? と考えた
・英雄伝説の遊びやすさの秘訣について
→ 開発スタッフは、いろいろなゲームを遊んでいて 嫌な部分をたくさん見てきた。
その短所を取り払っていけば、楽しいRPGにできるのではないかと考えた。
開発前に合宿を行い、各人に「このゲームのここが嫌い」と言う意見を小さい紙に10枚ほど書いてもらい 話し合った。
(参考にしたゲームは、パソコンゲームより家庭用ゲームが中心だった)
・英雄伝説を開発するときに優先したのは システムかシナリオのどちらか?
→ システムを優先した。
(合宿の際も、シナリオについては全く考えなかった)
・オートバトルを採用したのはどうしてか?
→ 木屋 「つらいゲームが嫌いなんですよ(笑)
高い金出して、なんでこんなつらい想いをしなければならないんだと、ゲームをプレイしながら考えることが多かったからだと思います。」
・ユーザーに応じて幅を持たせたゲーム性
→ レベル18以上でないと倒せないはずの敵を レベル9で倒せてしまった ・・・いいじゃない
が、開発側の考え方
→ しかし、レベル18になったら どんな人でも倒せるように注意した
・開発中のポイント
→ 作りながら、少しでも何かできると プレイして、悪いところがあればその場で直す と言うのを心がけている。
(開発中でも 遊んでいる時間の方が長いぐらい)
→ 他のソフトハウスでは、開発とデバッグを分けて考えているところが多いが、開発をしながらいろいろなパターンを試し そこで出たさまざまな問題に その都度対策を考えていく と言うやり方
→ デバッグも開発自身がやるため、デバッグ要員と言う人はいない。
マスターアップの段階で相当やり込んでいるので、あまり大きな問題は出ない
・開発スタイルの話
→ ファルコムでは、プログラムもシナリオもグラフィックも一番最初に作った人が勝ち と言う風習があり
誰かが何かを一番最初に作った場合、周りの皆は それに合わせて進めていく
------------------------------------------------------
・英雄伝説2のカプセル呪文システムについて
→ 最初に言い出してから、半年ぐらいかかった。
→ 英雄伝説1の反省として、MPがある限り戦闘中は呪文が使い放題になってしまう事
→→ 最初は1回使い捨てと言う案であったが、その場合 ボス戦のためにザコ戦で呪文をケチってしまう。
せっかくいろいろと細かく効果を設定したのに、誰も使ってくれない。
(この呪文でカンタンに倒せる と言うモンスターを考えても、誰も気づいてくれない。
なかなか倒せないので、しまいにはモンスターそのものが相手されなくなってしまう)
→→ ザコキャラ相手でも出し惜しみせず呪文を使ってもらえるように
自動回復する呪文カプセルシステム とした。
・英雄伝説2の動きまくるモンスターについて
→ 最初は 一部のモンスターを特別扱いで動かしていた。
そのうち、やりだしたら止まらなくなり ほとんどのモンスターが動くようになってしまった。
・主人公を王子にした理由は?
→ 話を作りやすいのが一番の理由
→ 見ず知らずの少年より、王子の方が自然だろうから
元からそういう身分の人間なら、どこへ行っても人々の助けを借りられるし、誰でも話しかけれるから
普通の人間が王様に激励されて旅に出るって変ですよ
・キャラクターとストーリーは どちらが先に決定される?
→ 英雄伝説1では 一番はじめにセリオスが出来上がった。
王侯貴族のパーティー設定はすぐに決まったけれども、その先のストーリーは全く決まっていなかった。
→ 最後のボスの名前だけは 早めに決まっていた。
(ストーリー上、途中で名前を出さなければならなかったため)
・英雄伝説2との繋がりは、英雄伝説1の時に考えていたか?
→ 全く考えていなかった。
1の開発終了後に考えた。
ただし、英雄伝説2のキャラ設定は非常に早く決定していた。
・主人公がセリオスの息子に決まった理由は?
→ 多数決だった。
→ ちなみに、ランドーのキャライメージは 「キン肉マン」の魔法使い
→→ やっぱりキャラクターが生きてこないとゲームがつまらなくなるため、主人公の生い立ちやゲーム前の行動まで設定している。
(正体不明のどこかの少年 なんて事にならないように)
・英雄伝説の今後の課題について
→ あれだけのボリュームの割には プレイ時間が比較的短い と言う所は考える点である。
→ 経験値稼ぎなど 自分でプレイするときに嫌だと思うところを一つ一つ無くしていったのが英雄伝説シリーズ
逆に そういうつらい思いを好むユーザーもいるため、よそとは違うファルコムならではの手法でこの点を解決していきたい
・英雄伝説3はあるか?
→ 当然のごとく考えてはいる。
後は、ユーザーのみんな次第
(終わり)
------------------------------------------------------
1992年当時のゲーム開発環境を垣間見れ、面白いな と思いました。
コマンド戦闘じゃないRPGが当時の最先端 と言う話も、これまた面白いですね
確かに 当時、ファルコムは 癖の強いゲームを作るイメージがあり
英雄伝説1を初めて見たときは、「なんで ファルコムがドラクエみたいなの 出すんだろう?」と思っていたのを思い出しました。
→ 実際遊んでみると、その完成度に さすがファルコムだ と唸らされましたが
そう言えば、ファルコムは イースを出す際も 「なんで、今頃 ハイドライドみたいなゲームを出すんだろう?」と言われてたらしいので この辺り似てますね。
それにしても、木屋さんの 「つらいゲームが嫌いなんです」 のコメントを読んだ時 思わず
”ロマンシア”や、”ドラスレファミリー”を作った方ですよね?
とツッコんでしまいました。
英雄伝説は、この後 木屋さんの手から離れ、ドラゴンスレイヤーと言う冠も無くなりましたが
英雄伝説シリーズとして、ファルコムの看板タイトルであり続けているのは
この辺りのゲームデザインの精神が引き継がれているからなのかな? と思わせられました。
(関連記事:
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 http://sekigames.gg-blog.com/Entry/95/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 サイレス考察 http://sekigames.gg-blog.com/Entry/96/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 名場面集 (前篇) http://sekigames.gg-blog.com/Entry/98/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 名場面集 (中篇) http://sekigames.gg-blog.com/Entry/99/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 名場面集 (後篇) http://sekigames.gg-blog.com/Entry/100/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 より、メッセージ http://sekigames.gg-blog.com/Entry/112/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説2 http://sekigames.gg-blog.com/Entry/228/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説2 の残念だった所 http://sekigames.gg-blog.com/Entry/229/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説2 の呪文カプセルシステム http://sekigames.gg-blog.com/Entry/230/ )
ファルコムスタッフが、ドラゴンスレイヤー英雄伝説1・2について話しており
興味深かったので取り上げます。
ちなみに、インタビューを受けているのは ドラゴンスレイヤーシリーズの生みの親 木屋義夫 氏と
英雄伝説2のメインプログラマー 秋葉紀好 氏です。
------------------------------------------------------
・英雄伝説のネーミングはどこから来た?
→ 開発スタッフが勝手に呼んでいた名称
タイトル名については、普段 開発サイドはノータッチだけれども 木屋氏が強情だったので それが通ったらしい
・英雄伝説1の開発期間は?
→ ピラミッドソーサリアン終了からすぐ開始され それから1年間。
・なぜ 英雄伝説 のようなゲームを作ろうと考えたのか?
→ まだ作ったことのないタイプのゲームだったから。
(前のものとは 同じことをしたくない)
当時、パソコンゲームでは コマンド戦闘でないものが最先端のRPGであり、コマンド戦闘は古典的なものと考えられていた。
アクションRPG「ザナドゥ」を制作したのは そのため
→ しかし、気づくと 周りも同じようなソフトを発売していた。
→→ 今度は 逆にコマンドRPGが新鮮なのではないか? と考えた
・英雄伝説の遊びやすさの秘訣について
→ 開発スタッフは、いろいろなゲームを遊んでいて 嫌な部分をたくさん見てきた。
その短所を取り払っていけば、楽しいRPGにできるのではないかと考えた。
開発前に合宿を行い、各人に「このゲームのここが嫌い」と言う意見を小さい紙に10枚ほど書いてもらい 話し合った。
(参考にしたゲームは、パソコンゲームより家庭用ゲームが中心だった)
・英雄伝説を開発するときに優先したのは システムかシナリオのどちらか?
→ システムを優先した。
(合宿の際も、シナリオについては全く考えなかった)
・オートバトルを採用したのはどうしてか?
→ 木屋 「つらいゲームが嫌いなんですよ(笑)
高い金出して、なんでこんなつらい想いをしなければならないんだと、ゲームをプレイしながら考えることが多かったからだと思います。」
・ユーザーに応じて幅を持たせたゲーム性
→ レベル18以上でないと倒せないはずの敵を レベル9で倒せてしまった ・・・いいじゃない
が、開発側の考え方
→ しかし、レベル18になったら どんな人でも倒せるように注意した
・開発中のポイント
→ 作りながら、少しでも何かできると プレイして、悪いところがあればその場で直す と言うのを心がけている。
(開発中でも 遊んでいる時間の方が長いぐらい)
→ 他のソフトハウスでは、開発とデバッグを分けて考えているところが多いが、開発をしながらいろいろなパターンを試し そこで出たさまざまな問題に その都度対策を考えていく と言うやり方
→ デバッグも開発自身がやるため、デバッグ要員と言う人はいない。
マスターアップの段階で相当やり込んでいるので、あまり大きな問題は出ない
・開発スタイルの話
→ ファルコムでは、プログラムもシナリオもグラフィックも一番最初に作った人が勝ち と言う風習があり
誰かが何かを一番最初に作った場合、周りの皆は それに合わせて進めていく
------------------------------------------------------
・英雄伝説2のカプセル呪文システムについて
→ 最初に言い出してから、半年ぐらいかかった。
→ 英雄伝説1の反省として、MPがある限り戦闘中は呪文が使い放題になってしまう事
→→ 最初は1回使い捨てと言う案であったが、その場合 ボス戦のためにザコ戦で呪文をケチってしまう。
せっかくいろいろと細かく効果を設定したのに、誰も使ってくれない。
(この呪文でカンタンに倒せる と言うモンスターを考えても、誰も気づいてくれない。
なかなか倒せないので、しまいにはモンスターそのものが相手されなくなってしまう)
→→ ザコキャラ相手でも出し惜しみせず呪文を使ってもらえるように
自動回復する呪文カプセルシステム とした。
・英雄伝説2の動きまくるモンスターについて
→ 最初は 一部のモンスターを特別扱いで動かしていた。
そのうち、やりだしたら止まらなくなり ほとんどのモンスターが動くようになってしまった。
・主人公を王子にした理由は?
→ 話を作りやすいのが一番の理由
→ 見ず知らずの少年より、王子の方が自然だろうから
元からそういう身分の人間なら、どこへ行っても人々の助けを借りられるし、誰でも話しかけれるから
普通の人間が王様に激励されて旅に出るって変ですよ
・キャラクターとストーリーは どちらが先に決定される?
→ 英雄伝説1では 一番はじめにセリオスが出来上がった。
王侯貴族のパーティー設定はすぐに決まったけれども、その先のストーリーは全く決まっていなかった。
→ 最後のボスの名前だけは 早めに決まっていた。
(ストーリー上、途中で名前を出さなければならなかったため)
・英雄伝説2との繋がりは、英雄伝説1の時に考えていたか?
→ 全く考えていなかった。
1の開発終了後に考えた。
ただし、英雄伝説2のキャラ設定は非常に早く決定していた。
・主人公がセリオスの息子に決まった理由は?
→ 多数決だった。
→ ちなみに、ランドーのキャライメージは 「キン肉マン」の魔法使い
→→ やっぱりキャラクターが生きてこないとゲームがつまらなくなるため、主人公の生い立ちやゲーム前の行動まで設定している。
(正体不明のどこかの少年 なんて事にならないように)
・英雄伝説の今後の課題について
→ あれだけのボリュームの割には プレイ時間が比較的短い と言う所は考える点である。
→ 経験値稼ぎなど 自分でプレイするときに嫌だと思うところを一つ一つ無くしていったのが英雄伝説シリーズ
逆に そういうつらい思いを好むユーザーもいるため、よそとは違うファルコムならではの手法でこの点を解決していきたい
・英雄伝説3はあるか?
→ 当然のごとく考えてはいる。
後は、ユーザーのみんな次第
(終わり)
------------------------------------------------------
1992年当時のゲーム開発環境を垣間見れ、面白いな と思いました。
コマンド戦闘じゃないRPGが当時の最先端 と言う話も、これまた面白いですね
確かに 当時、ファルコムは 癖の強いゲームを作るイメージがあり
英雄伝説1を初めて見たときは、「なんで ファルコムがドラクエみたいなの 出すんだろう?」と思っていたのを思い出しました。
→ 実際遊んでみると、その完成度に さすがファルコムだ と唸らされましたが
そう言えば、ファルコムは イースを出す際も 「なんで、今頃 ハイドライドみたいなゲームを出すんだろう?」と言われてたらしいので この辺り似てますね。
それにしても、木屋さんの 「つらいゲームが嫌いなんです」 のコメントを読んだ時 思わず
”ロマンシア”や、”ドラスレファミリー”を作った方ですよね?
とツッコんでしまいました。
英雄伝説は、この後 木屋さんの手から離れ、ドラゴンスレイヤーと言う冠も無くなりましたが
英雄伝説シリーズとして、ファルコムの看板タイトルであり続けているのは
この辺りのゲームデザインの精神が引き継がれているからなのかな? と思わせられました。
(関連記事:
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 http://sekigames.gg-blog.com/Entry/95/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 サイレス考察 http://sekigames.gg-blog.com/Entry/96/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 名場面集 (前篇) http://sekigames.gg-blog.com/Entry/98/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 名場面集 (中篇) http://sekigames.gg-blog.com/Entry/99/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 名場面集 (後篇) http://sekigames.gg-blog.com/Entry/100/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説 より、メッセージ http://sekigames.gg-blog.com/Entry/112/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説2 http://sekigames.gg-blog.com/Entry/228/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説2 の残念だった所 http://sekigames.gg-blog.com/Entry/229/
ドラゴンスレイヤー英雄伝説2 の呪文カプセルシステム http://sekigames.gg-blog.com/Entry/230/ )
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連絡先は
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