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2012年8月20日 にあった、CEDECの講演についての記事です。
「個性を持った将棋プログラムを目指してー強くするという目標を達成した後にー」
-------------------------------------------------------------
●はじめに
コンピューター将棋は ほぼ、十分強くなった。
2010年 女流王将 vs あから2010 で、勝利
2012年 永世棋聖(元名人) vs ボンクラーズ で、勝利
と、実力は プロの中堅程度
→ 強くすることは そろそろ終わり
強くなったコンピューター将棋の進むべき道は・・・
→→ 教育、解説、検討 など
→→ 今回のテーマは、楽しい将棋を演出する。
●楽しい将棋 とは?
接待将棋
→ 誰とでも いい勝負をする
人間に分からない程度に わざと悪い手を打つ
→ 鑑賞に堪える面白い対戦をする (良い棋譜を残す)
→→ コンピューター将棋に個性を持たせる
棋風
→ 棋風がある方が、興味を持たれやすい
(プロ棋士にも 棋風がある。 「光速流」とか 「緻密流」とか )
-------------------------------------------------------------
●AI「あから2010」について
4つのプログラム(激指、ボナンザ、GPS将棋、YSS)の合議制(多数決)
→ 4つのプログラムには 個性があるように感じられた
→ 勝負としても、個性の存在がプラスになった可能性
(4つの棋風が バラバラに打ってくるので、読みづらくなってた)
●コンピューターにおける棋風とは?
コンピューターが打つ将棋には 棋風はない と言われているけれども
例) ボナンザ
→ ボナ攻め、ボナ囲い
(乱暴な攻め、特徴的な囲い 人間はまず打たない、特有な打ち方)
例) ボンクラーズ
→ 対戦した 永世棋聖コメント
「私が間違えるのを じっと手待ちしているわけです。
結局、最後に私が間違えてしまったのですが そう言う点では 大山康晴と対戦した感じですかね」
例) 4つのプログラムの傾向
ボナンザ ・・・ 派手・攻め 、 捌き重視 に突出
GPS ・・・ 派手・攻め 、 捌き重視
YSS ・・・ 駒得重視
激指 ・・・ 渋い・受け
と言う感じ
●棋風とは
人間がどう感じるか?
→ 対戦相手に個性を感じてしまう。
→ 個性を感じることで、愛着がわく
→ 棋風の数値化を試みることに
プロ棋士にインタビュー 棋風とは?
→ 経験に基づく、イメージのようなもの
直感的に指す手
戦略、戦型に依存しない打ち方
相手によって変化しない打ち方
→ 具体的に どういう物がある?
攻めか、受けか
直線的、曲線的
柔らかい、硬い など
→ 要素として どういう物が考えられる?
位置、動きに関する特徴
駒を使う頻度
自陣、敵陣に打つ駒の数 など
●駒の使い方を中心に、棋譜から特徴分析してみた
プロ棋士と、コンピューターAIとを見比べ
→ 全てのコンピューターAIは、桂馬と香車の頻度が高い
金の使用頻度多い
銀は「YSS」以外 攻めの棋風に近い
ボナンザ 角の使用頻度少ない
激指 飛車 頻度少ない
GPU 王をあまり動かさず、他のAIは よく動かす
など
●棋風 作れる?
→ この様に AIにも棋風はある と言えるが、
各プログラマは AIを強くしようとして作っただけ
結果として 棋風が自然発生した。
→ 意図して 棋風は作れないのだろうか?
以下、各AI開発者より 各AIについての講演
-------------------------------------------------------------
●YSS について
特徴: よくわからない局面では、受けを選ぶ
→ 受けつぶしに失敗すると そのまま敗北
受けつぶしに成功すると、相手はできる事がなくなり 投了せざる得なくなる
→ 人間には あまり好かれない棋風
なぜ、こんな棋風になったのか?
→ 水平線効果
→→ どうしても避けられない損害がある時に、それを避けようとして小さな損害を重ね
結果として大きな損害を被ってしまう現象
例) このままでは、飛車が取られる
→ 飛車を取られないために、歩を打って王手しよう
→ 歩を取られた! けど、状況変わっていないので 結局、飛車が取られる
→→ 結果、歩を損しただけ
防ぐためには
→ 駒を捨てる手な場合 より深く延長して読む
駒を捨てる手は 初めから読まない
(駒を捨てる戦略が有効な時もあるので 難しいが)
一般的に 攻めの打ち方 と言うのは 初めに駒損する。
→ 駒得を重視するYSSは 結果、守りの棋風となった。
-------------------------------------------------------------
●GPS将棋
特徴: 攻撃的で 特に人間なら見送るような無理やりなても好んで指す
<将棋プログラムができるまで>
探索 ・・・ 王手や 詰みを深く読むようにした
↓
評価項目 ・・・ 王の周りを重視
↓ 攻め駒の数が、守備より多いか
↓
各項目の重みを棋譜から学習
→→ 探索、評価項目の部分の設定の仕方が GPSが攻撃的なAIになった大きな要因
・学習の過程で どこをどうすれば、結果 そのAIが強くなるのか?
は、プログラマ自身もわからない
→ ひとつ前のバージョンと対戦させてみて、勝ったら強くなっているので それを採用
後は、ボナンザなどの仮想敵となるAIと戦わせてどうなるか?
を繰り返す。
→→ 偏った変化に進んでいく
-------------------------------------------------------------
●ボナンザ
ボナンザの指針: チェスで成功している 力づく探索
(数の暴力に頼る方法で 強い将棋プログラムを作る)
評価関数: 5千万程度のパラメーター
詰め将棋、合議制などなど 一般的に将棋プログラムで使われているアルゴリズムは全て使用している。
→ 実際、強いプログラムで使われている技術は全て同じ物
学習で使用している棋譜も ほとんど同じ (世間に流通している棋譜は同じだから)
→→ では、なぜ違いが生まれるのだろうか?
→→ 開発思想 (YSSの場合、水平線効果を重視 など)
・学習の様子
ある手において、選択肢A,B,Cの評価が 5,1,7 と得られたする
プロ棋士はAと言う手を打ったならば、Aの評価を上げ Cの評価を下げる
これをひたすら繰り返す。
・ボナンザ攻め、ボナンザ囲い について
棋風として定着しているらしく、Gogleで検索したなら 3万件、2万件 ヒットした
→ しかし、どちらも悪手である と言われる事が多い
→→ 仮説: 人間は 悪手にこそ個性を感じるのではないか?
「個性を持った将棋プログラムを目指してー強くするという目標を達成した後にー」
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●はじめに
コンピューター将棋は ほぼ、十分強くなった。
2010年 女流王将 vs あから2010 で、勝利
2012年 永世棋聖(元名人) vs ボンクラーズ で、勝利
と、実力は プロの中堅程度
→ 強くすることは そろそろ終わり
強くなったコンピューター将棋の進むべき道は・・・
→→ 教育、解説、検討 など
→→ 今回のテーマは、楽しい将棋を演出する。
●楽しい将棋 とは?
接待将棋
→ 誰とでも いい勝負をする
人間に分からない程度に わざと悪い手を打つ
→ 鑑賞に堪える面白い対戦をする (良い棋譜を残す)
→→ コンピューター将棋に個性を持たせる
棋風
→ 棋風がある方が、興味を持たれやすい
(プロ棋士にも 棋風がある。 「光速流」とか 「緻密流」とか )
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●AI「あから2010」について
4つのプログラム(激指、ボナンザ、GPS将棋、YSS)の合議制(多数決)
→ 4つのプログラムには 個性があるように感じられた
→ 勝負としても、個性の存在がプラスになった可能性
(4つの棋風が バラバラに打ってくるので、読みづらくなってた)
●コンピューターにおける棋風とは?
コンピューターが打つ将棋には 棋風はない と言われているけれども
例) ボナンザ
→ ボナ攻め、ボナ囲い
(乱暴な攻め、特徴的な囲い 人間はまず打たない、特有な打ち方)
例) ボンクラーズ
→ 対戦した 永世棋聖コメント
「私が間違えるのを じっと手待ちしているわけです。
結局、最後に私が間違えてしまったのですが そう言う点では 大山康晴と対戦した感じですかね」
例) 4つのプログラムの傾向
ボナンザ ・・・ 派手・攻め 、 捌き重視 に突出
GPS ・・・ 派手・攻め 、 捌き重視
YSS ・・・ 駒得重視
激指 ・・・ 渋い・受け
と言う感じ
●棋風とは
人間がどう感じるか?
→ 対戦相手に個性を感じてしまう。
→ 個性を感じることで、愛着がわく
→ 棋風の数値化を試みることに
プロ棋士にインタビュー 棋風とは?
→ 経験に基づく、イメージのようなもの
直感的に指す手
戦略、戦型に依存しない打ち方
相手によって変化しない打ち方
→ 具体的に どういう物がある?
攻めか、受けか
直線的、曲線的
柔らかい、硬い など
→ 要素として どういう物が考えられる?
位置、動きに関する特徴
駒を使う頻度
自陣、敵陣に打つ駒の数 など
●駒の使い方を中心に、棋譜から特徴分析してみた
プロ棋士と、コンピューターAIとを見比べ
→ 全てのコンピューターAIは、桂馬と香車の頻度が高い
金の使用頻度多い
銀は「YSS」以外 攻めの棋風に近い
ボナンザ 角の使用頻度少ない
激指 飛車 頻度少ない
GPU 王をあまり動かさず、他のAIは よく動かす
など
●棋風 作れる?
→ この様に AIにも棋風はある と言えるが、
各プログラマは AIを強くしようとして作っただけ
結果として 棋風が自然発生した。
→ 意図して 棋風は作れないのだろうか?
以下、各AI開発者より 各AIについての講演
-------------------------------------------------------------
●YSS について
特徴: よくわからない局面では、受けを選ぶ
→ 受けつぶしに失敗すると そのまま敗北
受けつぶしに成功すると、相手はできる事がなくなり 投了せざる得なくなる
→ 人間には あまり好かれない棋風
なぜ、こんな棋風になったのか?
→ 水平線効果
→→ どうしても避けられない損害がある時に、それを避けようとして小さな損害を重ね
結果として大きな損害を被ってしまう現象
例) このままでは、飛車が取られる
→ 飛車を取られないために、歩を打って王手しよう
→ 歩を取られた! けど、状況変わっていないので 結局、飛車が取られる
→→ 結果、歩を損しただけ
防ぐためには
→ 駒を捨てる手な場合 より深く延長して読む
駒を捨てる手は 初めから読まない
(駒を捨てる戦略が有効な時もあるので 難しいが)
一般的に 攻めの打ち方 と言うのは 初めに駒損する。
→ 駒得を重視するYSSは 結果、守りの棋風となった。
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●GPS将棋
特徴: 攻撃的で 特に人間なら見送るような無理やりなても好んで指す
<将棋プログラムができるまで>
探索 ・・・ 王手や 詰みを深く読むようにした
↓
評価項目 ・・・ 王の周りを重視
↓ 攻め駒の数が、守備より多いか
↓
各項目の重みを棋譜から学習
→→ 探索、評価項目の部分の設定の仕方が GPSが攻撃的なAIになった大きな要因
・学習の過程で どこをどうすれば、結果 そのAIが強くなるのか?
は、プログラマ自身もわからない
→ ひとつ前のバージョンと対戦させてみて、勝ったら強くなっているので それを採用
後は、ボナンザなどの仮想敵となるAIと戦わせてどうなるか?
を繰り返す。
→→ 偏った変化に進んでいく
-------------------------------------------------------------
●ボナンザ
ボナンザの指針: チェスで成功している 力づく探索
(数の暴力に頼る方法で 強い将棋プログラムを作る)
評価関数: 5千万程度のパラメーター
詰め将棋、合議制などなど 一般的に将棋プログラムで使われているアルゴリズムは全て使用している。
→ 実際、強いプログラムで使われている技術は全て同じ物
学習で使用している棋譜も ほとんど同じ (世間に流通している棋譜は同じだから)
→→ では、なぜ違いが生まれるのだろうか?
→→ 開発思想 (YSSの場合、水平線効果を重視 など)
・学習の様子
ある手において、選択肢A,B,Cの評価が 5,1,7 と得られたする
プロ棋士はAと言う手を打ったならば、Aの評価を上げ Cの評価を下げる
これをひたすら繰り返す。
・ボナンザ攻め、ボナンザ囲い について
棋風として定着しているらしく、Gogleで検索したなら 3万件、2万件 ヒットした
→ しかし、どちらも悪手である と言われる事が多い
→→ 仮説: 人間は 悪手にこそ個性を感じるのではないか?
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プロフィール
HN:
せっき~
性別:
男性
職業:
ゲームプログラマ
自己紹介:
古いパソゲー、ボードゲーム、カードゲームを熱狂的に遊んでいます。
ついったー
http://twitter.com/seki_seki_seki
連絡先は
sekisekiseki(あっと)gmail.com
ついったー
http://twitter.com/seki_seki_seki
連絡先は
sekisekiseki(あっと)gmail.com
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