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これは、2010年9月11日 に行われたセミナーの記事です。


第7回 IGDA日本 同人・インディーゲーム部会

「インディーズ作品だからこそ出来る事」

とらのあな の方よりの 講演です。

販売の視点から、同人ゲームについて 話してもらいました。


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●とらのあな 取り扱いについて

・10年前 (2000年くらい)

当時、とらのあな では 同人ゲームを取り扱っていませんでした。
(同人誌、書籍がメイン)

→ (同人誌と比べ)そもそも売れない と言う印象を持っていた。

→ 同人ゲームの持ち込みを受けても
 「展開が難しい、置く棚が無い(同人誌の棚を使えない)」と断っていた。



・取り扱い本数

2001年 111本   (月姫 で盛り上がり
2002年 700本   (メルティブラッド
2003年 1400本  (月箱、東方

    ・・・

2009年 1400本


→ 2003年以降 取り扱い本数は大きく変わっていない
 ただ、作品の内容の方向性などが変わってきた




・同人音楽CD について

2001年 0本
2002年 140本
2003年 500本
2004年 870本
2005年 1400本
2006年 2000本

年々 増えてきた

→ 東方音楽 が盛り上がってきたお陰

→ 2008年には 初音ミクブーム


→ 2009年 の取り扱いは、大体 2000本と同じ

→ 一時期の盛り上がりから、落ち着いた感じがある。




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●とらのあな の同人に対する姿勢

・とらのあな の ”同人”の定義

直接流通をしてもらっている物を ”同人”としている。

(もし、メジャーレーベルで販売していても
直接メーカーから とらのあなに卸している場合は、同人として扱う)




・委託タイトル の基準

「幅広く作品を取り扱う」が とらのあな の理念

→ 原則、持ち込まれたタイトルは お断りをしない

→ 持ち込まれた 95%は、取り扱っている
 (例外は 内容的に展開がとても難しいもの金額など 条件で折り合いがつかないもの




・取り扱い本数についての基準

サンプルや、体験版の一部を遊んだ上で 参考に。
(一度に取り扱っているタイトル数は 1500 ~ 2000タイトルなので
全部を見る事ができない。)
(続編ものでは 前作の実績や反響も加味する)


クリエイターより希望販売数を聞いた上で 相談する。





・サークルより持ち込みがあるの物は 完成品である事

「次の夏コミで こんなゲームを出します。
プレスは1週間後です。
それまでに、発注数を決めてもらえないですか?」

と言う話が非常に多い


→ 吟味して数を決定したり、事前にユーザーに告知する と言ったことができない
 のが現状である。



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●作品を紹介するにあたり 注意している事

・とらのあな の、取り扱いの80%は 買い切りではなく 委託である。

→ 売り切らなければ 返品になります。



・以前の失敗 (2004~2005年)

中身を紹介する手段を うまく持てなかった。
(大型店以外では 店舗スペースも広くなかったため
デモを流したり、試聴機を置いたりできていなかった)


→ 委託いただいた物を そのまま返品する事が・・・

→ このままでは いけない!!



・改善しました。

店頭にてデモ、試聴をできるように
webで デモを見れるように
無料情報誌に 記事を

→ お客様に 如何に知ってもらえるか? を重視




・とは言え、限界もあります。

どんどん新作が出てきます。
(年間2000タイトル
1作品全てを 均等に取り扱う事が難しい)




・今年から 更に改善

事前の段階から(2~3ヵ月前)
制作者とすり合わせ、告知していく事をしようとしている。

→ 2~3ヵ月前から、少しずつ告知
 (キャラクター設定や、ストーリーの筋ができあがっていれば
 それを紹介できる)
 (シリーズ物などで 必ず出る事が安定している所だと やりやすい)


→ そうする事で、ユーザーに認知
  売り上げ向上に繋げる




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●とらのあな の、取り扱いした物に対するスタンス

・商品ではなく、作品

買い取っているわけではなく、委託である。

→ クリエイターの作品を 多くの人に手に取ってもらえるように を念頭に置いている

(買い取りの場合は、無理やり売っていかないといけない)




・値引き販売

商品 では、値引き販売をする
(我々が買い取ったので、その商品を どう取り扱おうとも自由)

作品 では、決して 値引き販売をしない

→ 委託品 = サークル様の財産



・安売りしない事 が、インディーズ業界を支えている要因の一つ

安売りする

= そのクリエイターの作品の 商品価値を下げる事になる

→ 一度下がった商品価値は、上がらない

→→ 「ここのゲーム、その内安くなるから 今買うの控えよう」 となる。





・いつでもどこでも 買える事による問題点

ダウンロード販売や、通販
(昔は、限られた機会でしか手に入らない レアリティ感があった)

→ 「いつでも買えるし、今 買わなくていいや」

→ そうならないように
  とらのあな”手にとってもらえる”ための工夫を 今後もしていく





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●質疑応答 より

・売り上げの分布 について

関東圏が多い


秋葉原店が 圧倒的である。
(客数は 全体の20% 、 売り上げ 全体の5%)



売れる物の傾向は、全国 大体一緒

→ 名古屋では、一般作(非18禁)の消化率が高い




・委託について 最小ロットはどれくらい?

→ 特にない (3本で取り扱った事も)

→ 利益を出す  と考えると、300本は欲しい

(維持費などで とらのあな自身も赤字 )

→ とらのあな のスタンスは
 「クリエイターの作ったものを ユーザーの手に取ってほしい」と言う考えなので
 それでも、委託は受けます。
 

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