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2010年9月2日 にあった、CEDECの講演についての記事です。
怪盗ロワイヤルができるまで、できた後
講演者は 「怪盗ロワイヤル」のプロデューサー兼エンジニア として、企画・製作に携わった方
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●怪盗ロワイヤルの概略
2009年 5月末 企画スタート
8月上旬 社内βリリース
9/25 モバゲーβ テストリリース
10/7 正式リリース、課金開始
12月 mixi版、テレビCM開始
2010年 4月 チーム戦イベント
5月 戦国ロワイヤル
10月 Yahooモバゲー版 (予定)
ちなみに 2009年10月 ~ 11月は、忙しすぎて 会社から家に帰られませんでした・
●2009年当時 の状況
会社の売り上げ 2008年 ~ 2009年中まで 横ばい
→ 成長を目指し、ソーシャルゲーム分野へ
社内のリソースを大きく投入
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●怪盗ロワイヤルの企画ができるまで
他部署より、いきなりゲームに投入されました。
ゲームの事を右も左もわからない状態でスタート
(ファミコン以来 ゲームをしていなかった
モンハンをプレイして、ゲームのあまりの進化に感動した)
・企画 ・・・ 1週間
多くのソーシャルゲームを研究 「面白い」ポイントを深掘
ラフ案を 20~30個 考えた
(4行 ~ 30行くらいと 本当にラフなもの)
→ スジのよさそうなものを 2、3個ピックアップ
・設計 ・・・ 2~3週間
ゲームの構造を詰め、企画書を作成
→ 社内に見てもらった
→ 企画書段階では、全くウケなかった
「よくわからん」
「端的に言うと、面白くなさそう」
「う~ん、どうかなぁ・・・」
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●怪盗ロワイヤルの企画の狙い
・ゲームゲームしている物にしたくない
2~3時間に1度 1分くらいポチポチやれば、継続的に楽しめるものに
・「盗む/盗まれる」を重要なキーワードとした
→ 幼少時の(友人同士のいたずら) ドキドキ、ハラハラ感の体験より
→ ゲームの柱 とし、企画で迷った際 このキーワードに合うかどうか? を最優先にした
(いくら面白いアイデアでも、このキーワードを阻害するものなら採用しない)
・ターゲット 一般向け (= not ゲーマー)
やや男性寄りだが、女性も狙いたい
・ゲームコンセプトに即した世界観
→ スタイリッシュ、 ×泥棒 ○怪盗
→ デザイナーも 100人以上の中から、ぴったしな人を探した
・ゲームのコア要素は何か?
1行で答えられるように、制作者はあるべきだと考える
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●怪盗ロワイヤル 開発開始
・初期開発 ・・・ 1ヵ月
企画書では いくら説明しても伝わらず 進まない
→ 埒が明かないので、とにかく「作ってみせる」
・社内β完成
作った物の やっぱりウケが良くない・・・
→ 仲間や相手が居ないので、ソーシャル性が成り立たないから?
パラメーターの チューニングがおかしい?
ゲームの根幹要素が 崩れている?
→→ 「詰らない」に いちいち凹まない
→→ とにかく、ユーザーが ”どこの何に”引っかかっているか? 見極める
トライ&エラー 特にボス戦は、作っては壊し 作っては壊し
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●怪盗ロワイヤル βリリース
形になってきた
しかし、何をするゲームなのか 不明瞭だった
・チュートリアル 最初の5分で、ユーザーに何を伝えるか?
→ 世界観? 基本操作? ゲームの本質的な楽しさ?
→ それを どう伝える?
→ モバイルゲームは 基本0円
→→ 初めの5分で、「このゲームは自分に合わないなぁ」と思わせた瞬間
このゲームは終わってしまう
→→ 初めの数分で、ゲームの本質的な楽しさの片鱗だけは 感じさせるようにしないといけない
・チューニング
パラメータ、画面遷移、基本構造 徹底的に見直した
→ ユーザーがどこで”詰まる”のか? 調べる
→ 調整については、エンジニアが調整できる体制を取るべき
→→ リリースした後は、何かあった場合は いち早く対応しないといけない
エンジニアが調整するようにするのが 最速なので
・そして リリース
→ 想像以上の反応
(怪盗ロワイヤル単体の数字は非公開なので、会社全体の数字になりますが)
売上が 3週間で 3億円 (それ以前は 3ヶ月で1億未満を前後だった)
総PV数 4.5億PV
→ 急速にトラフィックが伸びたので インフラ問題が
(データベース、キャッシュ、メモリの使い方を改善
サーバーの追加、それを置くために 社内の工事をしたり)
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●怪盗ロワイヤル ヒット後
・トラフィックの伸び
モバゲー全体のPVが・・・
170億PV(9月) → 380億PV(12月) → 740億PV(7月)
・ユーザー対応
当初、開発2人のプロジェクトだったが・・・
→ カスタマーサポート
→ イベント企画・準備
→ バグ対応
→ マネージメント力、運営能力が必要
→ ここが用意できなければ、ロケットスタートしたは良いが 先細りしていく物になる
・売り上げ
会社全体で・・・
85億円 (2009年 第2期)
116億円 (2009年 第3期) ← 怪盗ロワイヤル リリース
190億円 (2009年 第4期)
240億円 (2010年 第1期)
急成長を実現した
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●学んだこと
・100万人登録で 1億円売り上げを実現するための目安
継続率 ・・・ 登録後7日後 30%~40%
登録後14日後 25%~30%
登録後30日後 20%~30%
課金率 ・・・ 5~10%
課金単価 ・・・ 毎月 1500円 ~ 3000円
・ユーザーリテンション(継続率)を上げるには?
画面繊維ごとに、脱落状況をチェックし 修正
→ webサービスであれば、当然の手法
繰り返す行為が 面白いか?
→ ツモ要素、うまくなっている感覚
(もう少しで、レベルアップする! など)
→ 如何に、常にユーザーの目の前に にんじんを吊るし続けられるか?
・課金効率を上げるには?
ユーザーがシンプルに効果を実感できるか?
→ ○○のパラメータを上げたければ、△△をする事だ
△△する事に便利なアイテムを 課金アイテムに
→→ とするよりも、○○を直接上げられるアイテムが喜ばれる
目標間が適切か?
→ レベルアップまでの間隔が短い場合 「課金なんて してられない」
長い場合 「ゆっくりしよう」
→ ちょうど良い目標を (何が正解か? は難しいけど)
焦らせ要素があるか?
→ あと少しで、○○なのに
今しか、△△できない と 焦らせると良い
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●怪盗ロワイヤル の初期企画書 を公開
撮影、公開禁止な内容なので 詳しくは書けません
タイトルは「GOD HAND」
「盗む/盗まれる」は 初めから重要視されていた
組織要素があった (複雑だから削った?)
→ 基本は抑えているけれども 、今とは だいぶ違う
企画書にとらわれない ものづくり
作りながら考えるのが、ソーシャルゲームつくり(の醍醐味) です。
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●質疑応答
・怪盗ロワイヤル の類似ゲームが たくさん出たと思いますが
その全てが 超える事ができていません どうしてだと思いますか?
ソーシャルゲームは 継続していくゲームなので
(アイテムや、人間関係)
一番はじめにしたゲームから、他のゲームへ 移りにくいのだと思う
・怪盗ロワイヤル と言う名前は どうやって出てきたのか?
リリースの1ヵ月半前から タイトルを真剣に考えた
数百案ほど出したけど、時間切れになったので これにした
→ 結果的に それが良かったかどうか? は わからない
・カスタマーサポートはどうしている?
→ 24時間体制です
ついったー
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